アルパカの生態、似た種類、その他特徴について

皆さんはアルパカについてどのくらい知っていますか?一時期はテレビでも多く取り上げられていたため、フワフワな体毛や、私たちの洋服に使用されていることなどは知っている人も多いと思います。

アルパカの生態だけでなく、私たち人間とどのような関係なのかについても調べてみました。

 

ラクダみたいな動物アルパカについて

アルパカとはどんな動物?

アルパカとは偶蹄目ラクダ科で、ビクーニャ属またはラマ属に属する動物です。ビクーニャ属かラマ属に属するかは様々な説がありますが、一般的な解釈ではビクーニャ属に属しているとされています。

ラクダ科ですが背中にコブはありません。しかし、ラクダ同様長いまつげや長い首などが似ているポイントです。

 

 

生息地

主な生息地は南アメリカ大陸にあるアンデス山脈北部で、湿原の近くに好んで生息しています。国で言うとペルーやボリビア、チリなどが生息地にあたります。

海抜3500~5000ほどの場所に生息していますが、現在ではアメリカやニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパといった地域にも移入されており生息しています。日本でも移入されたものが動物園などで見られます。

 

 

何を食べるの?

主食は草やコケで、上の歯はなく、硬化した皮膚と下に生えている牙のような歯で草をすり潰すようにして食べます。

意外と量も食べ、1日に1kgほどの草を食べます。個体によっては好き嫌いがあり、草だけでなく穀物や新線や水なども必要とします。

 

スポンサーリンク

鳴き声

普段の鳴き声は「フェー」や「フーン」といった鳴き声ですが、危険が迫ると警戒音を鳴らします。

 

 

生態

アルパカは反芻動物で、胃袋が3つほど存在します。アルパカは比較的おとなしいく好奇心旺盛な性格の動物ですが、危険や危害が及ぶと唾液を吐きかけます。

この唾液には反芻した未消化の食べ物が含まれているため強烈な臭いを放ち、外敵を退ける働きを持っています。

 

 

繁殖・妊娠出産

主に群れを成して行動しており、オス1頭に対しメスが5頭~10頭ほどのハーレムを形成しています。繁殖時期は決まっておらず通年で、妊娠期間はおよそ11ヶ月となっています。出産は1産1子です。

授乳期間は6ヶ月~8ヶ月ほどで、性成熟はオスとメスで違います。オスの性成熟は3年ほどかかり、メスの場合は1年ほどとなっています。

 

 

寿命

寿命は飼育下で15年から長くて20年にもなります。

 

 

体の大きさや重さ

体長は約2mで、大きいものだと体重は80kg近く、走る速度は40㎞/hほどです。大きな動物ですが、体高は大きくても1mほどなので、それほど威圧感はありません。

体毛は足の先付近にも生えております。体毛は放っておくとどんどん伸びていき、地面に着いてしまいます。

 

体毛の色はよく白色を思い浮かべると思いますが、その他にも黒や茶色、灰色の4種類が確認されています。

この毛の色は、細かく見ていくと20種類以上もあると言われています。しかし、白色以外は製品にする際の染める工程で上手く染まらないため、飼育されている数は減ってきています。

 

 

アルパカと似た種類の動物

 

アルパカとリャマ

アルパカには似たような動物がおり、分類すると家畜化されたアルパカとリャマ、野生のビクーニャとグアナコに分けられます。中でも最も見間違えられる動物がリャマです。

リャマはラマ属に属する動物で、体長は2m以上あり、体重も100kgを超え大きいものだと150kgにもなります。その為、アルパカよりも大きいのが特徴です。

 

これ以外にもアルパカは体毛の種類が20種類以上もあるのに対し、リャマは主に白と白・茶色、茶色の3種類となっています。

また、リャマは毛がアルパカよりも硬いため主に荷物の輸送用に利用されています。

 

 

アルパカとビクーニャ

ビクーニャはビクーナとも呼ばれており、アルパカよりも小柄です。またアルパカと違い繁殖期もあり、3月~4月の春に訪れます。

他にも、首の下に長い毛があるのが特徴で見分けられます。アルパカと同様にビクーニャは体毛が利用されます。

アルパカよりも飼育が難しいため、野生化の個体を捕獲して体毛を採取します。しかし毛が細くしなやかであり、1頭から250gほどしか取れないため高級品として扱われています。

スポンサーリンク

 

 

アルパカとグアナコ

グアナコはアルパカだけでなく、ビクーニャにもよく似ているため見間違えられます。違いとしては、アルパカは全身がモフモフの毛に覆われていますが、グアナコはアルパカよりも短い毛に覆われているためモフモフはしていません。

また、首の下に長い毛があるかどうかでビクーニャとも見分けられます。

 

 

アルパカと人の関わり

アルパカの誕生

アルパカの歴史はかなり古く、インカ帝国には家畜として存在していたと言われています。アルパカの原種はビクーニャやグアナコという説があり、これらの個体が家畜として改良されたものがアルパカなのではと言われています。

アルパカは食用としても使われましたが、体毛を利用して衣服を作るのにも使用されていました。

また、インカ帝国は標高が高い場所で栄えた文化だったため物資が不足しやすく、アルパカの様々なものが利用されていました。この他にも、宗教に利用されることもあったようです。

 

 

アルパカの体毛利用

現在もアルパカは、様々な用途に使われる家畜として飼育されています。特に有名なものは、体毛を衣服の材料として使用・輸送することです。

アルパカの毛は1個体に対し、生涯で3回~4回ほど刈り取ることが出来ます。その価値は、足の方の毛になっていくにつれて下がっていきます。

 

アルパカの中でも特に高級品として取り扱われているのが、生まれてから3ヶ月以内に刈り取られた毛「ベビー・アルパカ」というものです。

生まれて間もない子供の体毛はとても細く柔らかいため、バリカンなどで刈り取らずに櫛で梳いて刈り取ります。

 

1個体で1回しか刈り取れない、とても手間がかかるため、貴重な高級品となっています。アルパカの生息しているアンデス山脈は気温の寒暖差が激しいため、そこで育った個体の体毛は保温性に優れており、かなり細くなっています。

他の動物の体毛よりも丈夫で、汚れても洗い流せるの世界中で注目されています。

 

 

毛の色の種類

アルパカは様々な体色を持っているため、バリエーション豊かな製品を作ることが出来ます。また体毛にも種類があり、「ワカイヤ」と「スリ」というものに分けられます。ワカイヤとは短く立ったような毛のことを言い、スリは長く縮れた感じの毛です。

私たちが良く想像するアルパカはワカイヤの方で、スリは繁殖が難しくその分貴重なものとなっています。ワカイヤよりもスリの方が毛が細く、光沢もあるため人気が高くなっています。

 

 

食用としてのアルパカ

服などの生地に使用されることが多いアルパカですが、実は食べることも出来ます。アルパカの多いペルーなどでは、お祭りなどの特別な時にご馳走として食べられます。

また、衰弱死する前にも干し肉などにされ食べられます。観光地になっている場所にあるレストランなどでは、メニューにアルパカがあるお店もあります。

アルパカの肉はそれほど臭みもなく、赤身なのでタンパク質も豊富です。また、低脂肪でコレステロールの少ないため、健康にも良い肉です。ダイエットなどにも効果的だということが分かります。

 

 

アルパカの糞や爪

アルパカは体毛や食肉として利用されていることが分かりました。しかし、これ以外にも人々はアルパカを活用してきました。その1つが糞です。アルパカは植物を食べるため、糞には植物繊維が多く含まれています。

アルパカが飼育されている場所は標高が高く、燃料もあまり手に入りません。その為、インカ帝国ではアルパカの糞は燃料として重宝されていました。

糞以外には、爪も利用されています。アルパカの剥がれ落ちた爪は、チャフチャスというペルーのリズム楽器を作るのに使われます。この楽器は手や足に巻き付け、擦り付けることでカラカラという音が鳴ります。

 

 

まとめ

アルパカと言えば服に使われているというイメージが強かったのですが、それ以外にも多くのことに利用されているのだと知りました。

また、アルパカはインカ帝国の時代から飼育されていたのですね。これほどまでに長い歴史を持つアルパカは、日本でも見ることが出来るので、ぜひ間近で見てみてはいかがでしょうか。

スポンサーリンク