つぶらな瞳に大きな耳、カンガルーそっくりの風貌が愛らしいワラビーの仲間、ダマヤブワラビー。ダマヤブワラビーの特徴から飼い方、飼育のポイントまで詳しくご紹介しましょう。
ダマヤブワラビーとは?
ダマヤブワラビーは有袋目カンガルー科カンガルー属に分類されるワラビーの仲間です。
大きさ
体長は約59cm〜69cm、長い尻尾は約41cm〜43cm程度で、体重は約5.5kg〜7.5kg。カンガルーに似ていますが、カンガルーとワラビーにはっきりした区別はなく、主に体重が25kg以下の小型種はワラビーと呼ばれるそうです。
また、ワラビーはカンガルーに比べるとやや後ろ足と尾が短いという特徴もあります。
日本でぺットとして飼育できるワラビーは最も小さい「パルマワラビー」、一般的に知られる「ダマワラビー」、最も大きい「ベネットワラビー」、そしてこれらの中では中間サイズにあたる「ダマヤブワラビー」の4種類となっています。
生息地・生態
ダマヤブワラビーの原産国はオーストラリアで、野生のダマヤブワラビーはオーストラリア南部の島に生息しており、主に低木林などで暮らしています。
夜行性のため、昼間は茂みに隠れて木陰で休んだりして過ごし、夜になると活発に行動します。
カンガルーと同じく、育児嚢と呼ばれる腹部の袋をもっているため、妊娠期間が短く、とても小さな体で生まれてくる子どもをその袋の中で数ヶ月間にわたって育てるという特徴があります。
性格
ワラビーは大変臆病で警戒心の強い動物としても知られます。子どもの頃からミルクを与えて育てる場合はなつくこともありますし、性格などの個体差もありますが、基本的には野生が強いので慣れにくいと言われます。
ただし、好奇心旺盛で何にでも興味を持つ一面もあり、手から餌を食べてくれたり呼ぶと来てくれるようになることもあります。環境に慣れてくれればお腹を出してくつろぎ、リラックスする様子を見られることも!
過度なスキンシップは避け、少しずつ声をかけることで安心してもらえるように育てることが大切です。特に、ある程度成長した個体の場合はじっくりと時間をかけて様子を見ましょう。
寿命
ダマヤブワラビーの寿命は約10〜15年です。十分なスペースや静かで落ち着ける環境などをきちんと整えてあげられるかどうか、飼う前にはしっかりと検討しましょう。
ダマヤブワラビーは珍しいぺットのため、診てくれる動物病院が限られます。何かあったときに頼ることができる動物病院が近隣にあるかどうかを確認するのもお忘れなく!
お迎えしたら、愛情をもって少しずつコミュニケーションをとり、時間をかけながらダマヤブワラビーとの信頼関係を築いていってくださいね!
ダマヤブワラビーの飼い方
しつけ
ワラビーはしつけに向かない動物です。こちらが大きな声を出したりリアクションをとるとびっくりしてさらに臆病になってしまい、その後もなかなか警戒心を解いてくれないということにもなりかねません。
少しずつ声をかけるなど、驚かさないように接することが大切です。また、大きな音がする環境はストレスになりますので静かで落ち着ける環境を用意してあげましょう。
好奇心旺盛ゆえ、遊び好きな一面もありますので、一度覚えてしまった悪いイタズラを繰り返すこともあります。
そんなときも怒るのではなく、イタズラを起こさせてしまった飼い主側に責任があると考え、イタズラできないように工夫するなど冷静に対処しましょう。
ダマヤブワラビーは夜行性のため、昼間はケージで休ませ、夕方〜夜にかけて遊ばせてあげるといいでしょう。食事もその頃に与え、決まった時間にあげるようにします。
音やにおいに敏感なので飼い主の声はもちろん、仕草や物音、食べ物のにおいに敏感に反応し、食事やおやつの時間を覚えることもあります。
飼育環境
ダマヤブワラビーは温暖な環境に暮らす動物ですので寒さが苦手です。徐々に環境に慣れていくということもありますが、基本的には一年中25℃〜32℃の温かい環境を整えてあげましょう。
カンガルーやワラビーの中では小型といっても、飼育するにあたっては大きめのケージが必要になります。犬用のケージやサークルなど、高さや面積が十分なサイズのものを用意してあげましょう。
自由に運動するスペースも必要です。
また、ジャンプ力があり些細なことでも驚いてパニックになることがありますので、天井や壁などに激突してケガすることのないよう配慮してあげる必要があります。
ワラビーの幅が狭くて長い後ろ足は床に接する面積も広く、ケージの床面が金網になっている場合はこすれて傷ついてしまうことがあります。わらや敷き用の牧草をたっぷりと敷いてあげましょう。
さらに、ウサギのようにトイレは覚えないため、敷いた草などが汚れたり湿ったらこまめに交換し、飼育スペースは清潔に保つようにしましょう。
餌の与え方
ダマヤブワラビーは草食性の動物です。野生では草や木の葉、木の皮などを食べて暮らしています。
ぺットとして飼う場合は、同じく草食性のうさぎなどのペレット(総合栄養食)と牧草を主食として与え、りんごやみかんなどの果物や小松菜などの野菜を副食として与えましょう。
他にも栄養価の高い牧草を圧縮したヘイキューブなどもあります。ただし、口腔内があまり強くないと言われますので傷つけないよう、とげのある茎やとがった草は与えないように注意してあげましょう。
また、好奇心旺盛のためいろいろな物に興味を持ち、何でも食べようとします。草をしっかりと手に持って食べるなど手先が器用です。
そのため、ケージ内はもちろん、ケージの外に出して遊ばせる際は十分身の回りに気をつけてあげましょう。
あらかじめカーテンや絨毯、観葉植物などのインテリア類、身近な衣類やタオル、新聞紙やティッシュなどの小物まで触られそうなものは片付けるか手が届かないように工夫しておきましょう。