日本で販売されているフェレットにはいくつかの名前がついていますが、実はフェレットには基本的に犬や猫のように確立された種類の差はありません。
日本では主に、フェレットの繁殖を行っているファームの名前を付けた「ブランド名」や、繁殖された地域の名前で呼ばれています。
よく知られているところではアメリカやカナダなどに大規模なファームがあり、世界各国へのフェレットの輸出を行っています。欧米では、主に毛色によってフェレットを呼び分けているようです。日本で人気の高いフェレットの種類をご紹介していきましょう。
フェレットの種類
マーシャルフェレット
出典:熱帯倶楽部
アメリカのマーシャル社が繁殖・販売をしているフェレットです。マーシャル社のフェレットは、他のファームのフェレットに比べて小柄で、温厚な性格だと言われています。
左耳には目印として2つの青い点が入れ墨されています。ペットとして問題なく飼えるように、マイクロチップの埋め込みや、去勢・臭腺摘出・1回目の予防接種を済ませた状態で販売されています。
正規のマーシャルフェレットには「国際フェレット協会」の証明書がつきますが、この協会は公的な機関というわけではなく、マーシャルフェレットの販売促進を担っています。
一部には、マーシャル社のフェレットは癌や副腎疾患の発症率が高く、寿命が短いという批判も出ています。
しかし、繁殖動物に遺伝的疾患が増えることは一般に見られることでもあり、批判の根拠が乏しいという意見もあるようです。
毛色の種類はセーブル、アルビノ、シナモン、マークドホワイト、パンダ、チョコレート、ブレイズ、ホワイトファーブラックアイ、などあらゆる毛色が豊富に揃えられています。
パスバレーフェレット
アメリカ・ペンシルバニア州のパスバレー社が繁殖・輸出しているフェレットです。パスバレー社のフェレットは去勢・臭線摘出・1回目予防接種を済ませてから輸出されますが、マイクロチップの埋め込みは行っていません。
日本では、個体識別のために販売者がマイクロチップの埋め込みを代行してくれることもあるようです。
マーシャル社のフェレットよりも若干大柄ですが、一般のフェレットよりは小柄です。性格は知的で活発、毛色の種類も多数揃っています。
マーシャル社とパスバレー社はアメリカの2大ファームとなっていて、アメリカの愛好家の間では、どちらのフェレットがいいのか、それとも個人ブリーダーのフェレットの方がいいのかと、盛んに議論されています。
マウンテンビューフェレット
出典:熱帯倶楽部
マウンテンビューフェレットは、ニューヨーク生まれのとても人懐っこいフェレットとして多くのサイトで紹介されている種類です。
日本での販売実績もあるようです。しかしながら、どうやらアメリカではこの名前のフェレットは流通していないようで、愛好家の間でもこの名前は挙がっていません。
ニューヨークにそれらしいファームも見つかりませんでした。そのため、どういったルートで日本に入ってきているかが不明です。外見はマーシャルフェレットに近いです。
ルビーフェレット
出典:ららぽーと店
アメリカ・アイオワ州のルビー・ファー・ファーム社のフェレットです。フェレットのほかにもスカンクやアライグマ、キツネの繁殖も行っていますが、どちらかというとスカンクの繁殖で有名なようです。
フェレットの数はそれほど多くないようで、そのため日本へ来ることも稀です。
カナディアンフェレット
出典:熱帯倶楽部
名前の通りカナダのフェレットで、体つきは骨太で、他のフェレットに比べて少し大きめで頑丈です。他のフェレットよりも活発で、噛み癖を直すのに少し時間がかかることが多いと言われています。
中には「リアルカナディアンフェレット」と呼ばれる種類がありますが、こちらは去勢してから販売する規則になっていて、耳に「X(メス)」「Y(オス)」の入れ墨を入れて他のフェレットと区別しています。
毛色の種類は少ないほうです。
ニュージーランドフェレット
出典:&Anne(@andcoron)さん | Twitter
ニュージーランド産のフェレットで、最も原種に近いとされ、他のフェレットよりも大型に成長します。
しかしニュージーランド国内では、フェレットは既存の自然生物を脅かす危険な外来種として繁殖や飼育を禁止されてしまっています。
既に存在している繁殖ファームが海外への輸出用に繁殖を続けることはかろうじて認められているのですが、今後は数が減少すると思われます。
アンゴラフェレット
出典:フェレットワールド
アンゴラフェレットは例外的に品種差で名前が付いている種類で、長毛の品種になります。
突然変異で生まれた長毛種を固定化することでできた品種です。
長毛種ですが被毛の長さにはバラツキがあり、性格は攻撃的な子が多く初心者には難しいと言われています。
日本へ輸入されてくるのはアメリカやカナダ生まれの子がほとんどですが、フェレットは今や世界中で人気のあるペットになっていて、世界各地で繁殖が行われています。
稀にヨーロッパやアジアのフェレットに出会うことがあるかもしれませんね。