ガムシの飼い方|販売価格・餌・飼育環境は?

数少ない水棲昆虫の中でも水田や水たまり、溜池など身近な所にも多く生息することで有名なガムシ。全てのガムシが水生というわけではなく、60~70%ほどの種類が水生と言われています。

水棲昆虫のガムシを飼育する上で知っておくべきことや特徴などを余す所なくご紹介していきたいと思います。

 

ガムシとは?

出典:有限会社プラスト

見た目はゲンゴロウやカナブンを彷彿とさせる丸っこいシルエットと艶やかな光沢が特徴的な甲虫の一種です。大きさは4cm以下であることが多く大型になると言ってもそれほど大きな印象は受けません。

水質悪化し易い止水域に多く見られることから生命力は強く飼育しやすい水棲昆虫の一つとして人気があります。

 

日本に生息するガムシはナチュラルカラーであることが多く、それほど目立たない色合いをしているので見つけづらい種類とも言えるでしょう。

ガムシの幼虫は水生であることが多く、ヤゴのような厳ついアゴを持っています。主に小魚の死骸やスネール等の小さな巻き貝を捕食しているので飼育下においても比較的楽に餌を用意できるでしょう。

 

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販売価格

ガムシは昆虫を得意とするペットショップで500円未満という安価な価格設定で販売されていることが多いようです。

ネットオークションサイトなどでは夏になると複数匹まとめて販売されていることも多いので大量購入を検討されている方にオススメです。

 

ただガムシはそれほど珍しい水棲昆虫ではないので、水田のある地方に住んでいる方や釣りのできる溜池が近くにある方は探しに行ったほうが早いかもしれません。

流れの緩やかな水草の覆い茂っている箇所を網でガサガサとすくい上げるとガムシが採集できることがあります。

 

 

ガムシの飼い方

出典:MushiNavi

飼育環境

ガムシは水中で生活する時間が長い昆虫ですが、メダカや熱帯着のようにPHにそれほど拘る必要は無いでしょう。あまりに酸性よりになったりアルカリ性に傾くようでなければ問題なく生活することができます。

ただカルキは必ず抜いておかないと昆虫にとっては非常に有害なので注意が必要です。

ガムシは空気中から酸素を補給するためエアレーションの必要はありませんが、蓋と水面の間が少し開くくらいの水位にしないと上手く呼吸ができずに落ちてしまうかもしれません。

 

ガムシは飛翔能力に優れていて水槽に付属しているような簡易的な蓋をしていても逃げ出してしまうこととが多いので、飼育する際はプラスチックケースのような風通しがよく隙間の小さなものを使用するようにします。

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本種は夜行性なのであまり明るすぎると活発に動き回る姿を観察できないことが多いので薄暗い場所で飼育すると良いでしょう。かなりの大食漢で排泄物の量が多いので飼育水から異臭がする前に水換えをしておきましょう。

 

すぐに水草が食べられてなくなってしまうのでかなり多めに入れておいたほうが良いかもしれません。また水草や流木など足を引っ掛けて歩けるものがないと水中で活動できなくなるので何も入れないベアタンクのような環境は避けましょう。

複数匹同居させている場合は飼育環境が整っていると頻繁に産卵して幼虫を確認することができます。ガムシは植物食なので幼虫を飼育しない限り金魚やメダカなどと混泳させることは十分可能といえます。

出典:MushiNavi

またタガメやミズカマキリ、ゲンゴロウといった他の水生昆虫とも共存できることが多いので飼育スペースが無い場合は一緒のケースで飼育しても良いでしょう。

ただアロワナなどの昆虫を好んで捕食する熱帯魚と混泳させてしまうと食べられる可能性が高いので避けるべきです。

 

ゲンゴロウと見た目が良く似ていることから交雑の心配をされる方も多いようですが、交雑することができないほど体の構造が異なるので心配いりません。

ガムシの触覚は位置を把握する以外にも呼吸器官としての役割も果たしているので取り扱う際には触覚に注意してください。

野外飼育する場合は水位を下げたビオトープに細かいネットでフタをすると上手くいくようです。

 

 

ヒーター

ガムシは越冬可能な水棲昆虫なので飼育下においても加温の必要はありませんが、活動が一切停止するため鑑賞する場合には26℃前後にまでパネルヒーターや水中ヒーターを使用して管理温度を上昇させる必要があります。

貝類のように水中ヒーターで火傷することは殆どありませんので、ヒーターカバーは不要ですし付けることで穴に引っかかって呼吸ができずに落ちてしまうことを考えると寧ろ付けないに越したことはありません。

冬眠させる場合は湿らせた腐葉土の上にマジックリーフやミズゴケなどを乾燥を防止するように表面に敷き詰めてください。

 

 

餌の与え方

出典:大阪府水生昆虫図鑑

成虫の食性は雑食であることが多く、アオミドロやコケ類、水草など様々な植物を好んで食べているようです。ただ動物食の餌を与えても積極的に食べることからある程度タンパク質も補給するべきなのでしょう。

マツモやアナカリスなど丈夫な水草を入れておいてたまにキャベツやレタスなどの新鮮な野菜類を与えます。個体によってはシュリンプ用に配合された人工飼料も食べるようなので、餌の管理が楽になりオススメです。

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