日本の固有種で身近に生息するヒメネズミ。じっくり観察してみると大きな耳につぶらな瞳をしていて非常に可愛い姿をしていることがわかります。
そんなヒメネズミですが飼育するとなると何が必要なのか餌は何を与えると良いのかわからないことがたくさんあります。ヒメネズミを飼育する前に知っておくべきことをご紹介したいと思います。
ヒメネズミの特徴とは?
出典:Wikipedia
アカネズミ属の全長15センチ前後の小柄なネズミです。アカネズミと生息域は同じですが、ヒメネズミは木の上に登って生活ができるので棲み分けがしっかりと出来ています。
日本固有種で全国各地に生息しており山地の森林で生活をしています。基本的には地上棲のネズミですが、長い尻尾を活用して樹上でも生活をすることができます。
夜間に餌を探しまわり、地中に巣穴を形成して昼間はそこで寝ています。
ヒメネズミの魅力とは?
ヒメネズミをはじめとするノネズミは穀物等の農作物に手を付けるため駆除の対象とされていました。しかし最近では可愛らしい見た目から愛玩動物として写真の被写体に選ばれたり、フィギュア化されて多くの人々から愛されています。
今後は突然変異個体を固定して様々なバリエーションのヒメネズミがペットショップを賑わす日が来るかもしれません。
寿命
出典:武尊牧場キャンプ場
ヒメネズミの寿命は飼育下で約2~3年です。野外個体はキツネやヘビなどの天敵に襲われたり病気に罹ってしまうため一年前後となります。
販売価格
ペットショップではあまり取り扱われていないので実験用に販売されているものか、マウス専門店で取り扱われている個体を購入します。価格は大体2,500~5,000円で飼うことができます。
野外採集個体は雑菌や感染症に侵されているなど非常に不衛生なことが多いので捕獲したヒメネズミを飼育することはオススメできません。人間にも影響を及ぼす菌が多く排泄物に含まれているので、飼育する場合は飼育下繁殖個体にしてください。
ヒメネズミの飼い方
出典:気まぐれ鳥見メモ+α
一般的なマウス飼育に使用される道具で終生飼育が可能です。よくわからない場合は回し車やシェルター、床材などがセットになったハムスター用の飼育セットを購入すると良いでしょう。
天然水や浄水器に通した水は腐りやすいので、給水ボトルには水道水を入れてあげます。排泄物は毎日取り除いて月に一度はケージを丸洗いしてください。
その際に脱走されないように深さのあるバケツや水槽にヒメネズミを入れてください。ケージの周りにはカーテンやコードなどを置いておくとヒメネズミが巻き込んでかじってしまう可能性があります。
給餌の際に餌を巣箱に運ぶ習性があるので腐りやすい餌は多く与えないようにしてください。かじり木を入れてあげるとストレス解消になって飼育用品を齧られることも少なくなります。
餌の与え方
食性は雑食で種子やフルーツ、野菜など植物食をメインにコオロギやゴキブリなどの昆虫類も捕食します。飼育下ではマウス用の配合飼料を与えると管理が楽でオススメです。
生きた昆虫類を与えていると動くものに反応するようになり、ハンドリングやお世話の際に指に噛みつくようになってしまうので、動かなくなった生き物を与えます。
ミルワームは好んで食べますが、栄養があまりないのでメインに与えるよりはおやつとして与えることをお勧めします。
繁殖
出典:貝殻拾いの旅
一度の出産で5匹前後生まれます。年に1~2回ほど春と秋に出産し、繁殖は簡単に狙えます。雌雄ペアで飼育していると自然と増えていくことでしょう。子どもが生まれると両親で子育てをするため鑑賞性の高いペットといえるでしょう。
一匹のオスに複数のメスを入れていても1ペアしか誕生しないので、基本的にペアのみで飼育します。
飼育上で気を付けること
ヒメネズミはとても素早く動き回るので一度脱走されると捕まえるのに一苦労します。ヒメネズミはあまりペットとして認識されていないためか取り扱っているショップが非常に少なく野外採集を考えてしまいますが、危険なので絶対に避けましょう。
ネズミは多くの病原菌を保有しており、昔から有害な生き物として知られていました。運が悪いと死に至る危険性もあるため、飼育下繁殖個体を手に入れてください。
ヒメネズミは臆病な性格で基本的に人慣れしないので完全な観賞用のペットとして考えましょう。一度体調を崩してしまうと回復できない可能性があるため、日頃からじっくりと観察をして体調を崩していないか確認してください。
まとめ
ネズミと聞くと実験動物や病原菌を保有する危険な生き物とイメージしてしまう人が多い一方で、愛玩動物として愛好家から人気を誇っています。とても身近な生き物ゆえに捕まえて飼育しようと考えてしまいますが、雑菌や人に影響を与える病原菌を保有しているので注意が必要です。
ヒメネズミは人慣れしにくい生き物ですが、頭が良く学習能力もありますのでしっかりと愛情を持ってお世話をしているときっと慣れてくれるはずです。
ペットとしてお迎えすることは珍しいヒメネズミですが、飼育は簡単で初心者の方でも安心してお迎えできますので、是非チャレンジしてみてください。