炎のように真っ赤な頭部と滑らかな甲羅が何とも可愛らしいホオアカドロガメ。明るい色合いをしていることから鑑賞性が高くのんびりとした性格からも癒やし効果抜群で人気を集めています。
ホオアカドロガメをお迎えする前に知っておくべきことをご紹介したいと思います。
ホオアカドロガメとは?
出典:かねだい海老名店のブログ
メキシコに生息する水棲ガメの一種で最大体長20cm前後と比較的小柄なため気軽にお迎えすることができます。ホオアカドロガメは緩やかな河川に生息しているため飼育下では激しい水流を作らないようにしましょう。
非常に生命力が強く日本の夏季ならクーラーは不要で冬季はパネルヒーターや水中ヒーターである程度保温してあげるだけで健康的に飼育することが出来るでしょう。
飼育下繁殖はそれほど難しくはありませんが、孵化する卵が少なく同時に産卵数も少ないため流通価格は他の水棲ガメと比較するとやや高額に設定されていることが多いようです。
幼少期は雌雄ともに赤色の発色が美しいのですが、特に雄はアダルト個体にまで成長すると黒っぽい地味な色合いとなります。
寿命
出典:はーぷさぷらい徒然日記
ホオアカドロガメの飼育下における寿命は約30年です。ただ50年以上生きる個体も珍しくはなく、しっかりと給餌を行いバスキングなど病気対策に力を入れていれば簡単に長生きさせることができるでしょう。
お金に余裕がある場合は年に一度程度健康診断を行うと未然に病気を防いだり早期発見に繋がります。
水棲ガメの死因の多くは水質悪化や糞詰まり、急激な温度・水質変化など注意していれば防げることばかりなので日頃のメンテナンスが寿命に大きく関わってきます。
ホオアカドロガメの飼い方
出典:http://www.geocities.jp/peekaboo_kame/shop.html
水槽と水
ホオアカドロガメは15cm程度で成長が止まる個体が多いので45cm規格以上の水槽で終生飼育が可能です。脱走することもあるので蓋はしっかりと閉めておいて念のために上から重りを乗せておくと安心です。
水深はそれほど深くする必要はありませんが、しっかりと全身が浸かれる程度には水を入れるようにしましょう。本種は陸部に上がり全身を乾かすことで水カビや細菌類から身を守る習性があるため、浮島や流木などを入れて陸部を用意してください。
飼育環境
出典:あくえりあすの水草水槽ギャラリ~&亀
バスキングライトと紫外線ライトは必須となりますので陸部に照射されるように設置してください。特に夜間はバスキングライトも紫外線ライトも点灯しておく必要はないので昼間のみ稼働させておきましょう。
バスキングライトや紫外線ライトは使用時間が長くなるにつれて効果が薄れてくるので2~3年程度で新しいものと交換することをお勧めします。
ホオアカドロガメはたくさん食べるので排泄量も多く飼育水がすぐに汚れてしまいます。換水頻度は水量にも左右されますが、大体3~5日に一度3分の2から全換水するようにしてください。
あまりに水換えをしないとPHショックや肌荒れを引き起こす原因となりますので、頻繁に換水するように心掛けてください。
ろ過装置に外部フィルターを使用すると目詰まりを引き起こす可能性があるため投げ込み式や上部フィルターなどを使用することをお勧めします。
始めはアンモニアが多く検出されますが、水換えをしていれば問題ないくらいには生命力が強いので心配無用です。
ホオアカドロガメの飼育では底床を使用することは少なく、メンテナンスの手軽さからもベアタンクで管理することをお勧めします。
大食漢の水棲ガメ飼育に底床を使用すると止水域に糞が溜まって病気の原因となることもあり、飼育難易度を上げてしまうことになります。
鑑賞性を向上させるために水草を入れても良いのですが、食べてしまうことを考慮してあまり高額な水草を入れることは避けましょう。
餌の与え方
出典:ひびガメの日々
ホオアカドロガメの食性は雑食で野菜や果物をはじめ、小型哺乳類や甲殻類・昆虫類などの小さな生き物を捕食することもあります。
飼育下では肉食・草食両方の人工飼料をバランス良く与えてカルシウム剤やビタミン剤をダスティングすると甲羅のトラブル予防にも繋がります。
またササミなどの生肉を与えても食べるようですが、飼育水の腐敗が早まるのでメンテナンスが面倒に思われる方は人工飼料で終生飼育することをお勧めします。
人工飼料は幼少期より与えていると喜んで食べてくれますが、肉類や新鮮な野菜を与えている場合は食いつきがわるく食べてくれるまで時間がかかる場合があります。
そのため終生まで人工飼料で管理することを前提とするならあまり嗜好性の高いものを与えるべきではないでしょう。
飼育上の注意点
ホオアカドロガメはのんびりと過ごしている事が多いのですが、人が突然手を入れるなど驚かせると噛みつかれてしまうことがあるので注意しましょう。
水換えや掃除を行った際は必ず石鹸で手を洗うようにしないとサルモネラ菌をはじめとする多くの細菌類に飼育者がやられてしまうので注意しましょう。
飼育水を台所や洗面所で流すことはせずにトイレや外に捨てるようにしてください。