淡い水色や深い青色をした個体など様々な色調の寒色に彩られた美しいフロリダブルー。一般的にアメリカザリガニと言えば赤色のイメージが強いと思いますが、餌を工夫すると青色や白色に変色するためフロリダブルーも餌で青くしているだけと勘違いされがちです。
このフロリダブルーは品種改良によって色を寒色系に固定したアメリカザリガニなのでどのような餌を与えても色あせることがありません。
ただ赤いアメリカザリガニよりも若干繊細な面があるため飼育にはちょっとしたコツが必要です。フロリダブルーの詳しい飼育方法や特徴などをご紹介します。
フロリダブルーとは?
出典:ザリガニ・ドット・コム
アメリカ合衆国にいるブリーダーのハマーという方が品種改良した種類のため「フロリダハマー」とも呼ばれています。大きさは最大で18cm前後と大柄で寒さに弱い面があります。
理想的な飼育環境下だと約8年ほど生きることもあるほど非常に長寿なザリガニですが、プラケースにエアレーションを稼働させただけの環境では3年ほどとなります。
フロリダブルーは観賞用としてのみ流通しているため食用にされることはなく、一般的なアメリカザリガニよりも高値で取引されることが特徴的です。
それほど珍しい種類ではありませんので、ザリガニを取り扱うペットショップでは高確率で在庫があるでしょう。
販売価格
出典:ガンコおやじのつぶやき(元バオバブの木)
フロリダブルーは一匹あたり1500円前後で販売されています。成長に伴い色調が若干変化するため色にこだわりがある方はやや価格が高くなりますがアダルト個体をお迎えすると良いでしょう。
通販サイトなどでは1000円前後で販売しているところもあるようなので、チェックしてみてください。
フロリダブルーの飼育方法
出典:ブルーアイの 太陽のぬくもりと緑色のやさしい香りに包まれて・・・
フロリダブルーは環境に慣れてくると積極的に泳ぎ回るため飼育ケースの大きさは体長の3倍程度必要です。
また通常の水槽だとろ過装置やヒーターのコードを登って脱走する可能性が高いので、爬虫類飼育などに使用されるような巨大な蓋付きのプラケースを使用してコードを通す部分のみハサミやニッパーで穴を開けて飼育することをお勧めします。
飼育環境
本種の管理水質は弱アルカリ性の硬水がおすすめですが、極端に傾きすぎない程度なら弱酸性の軟水でも飼育することは可能です。
鑑賞を目的とする場合は隠れ家を入れなくても問題はありませんが、脱皮後の表面が柔らかい時期に臆病になる傾向にあるため可能な限り隠れ家を入れてあげたほうが良いでしょう。
脱皮殻を食べることもありますが、1週間ほど経過しても残っている場合は取り除いてください。底床に関してはソイル以外だと何でも使用することができます。
特にオススメはサンゴ砂のような弱アルカリ性に傾けるものや大磯砂のような水質に直接影響しないものです。
小学校などでアメリカザリガニを飼育する際に生体の半分ほどが空気に触れるように薄く水を敷いた環境で管理した経験がある方も多いと思いますが、エアレーションをきちんとすれば観賞魚を管理するときのように水深のある環境で飼育することができます。
寧ろ水量が多いほうが水質は変化し難く水温変化も緩やかになるため長生きさせたい場合は薄く水を張った環境はお勧めしません。
管理温度は25℃前後が理想的ですが、夏場に30℃近く水温が上昇しても耐えることができますので、冬場の低水温にだけ注意しましょう。
ザリガニは大食漢で排泄物の量が多いため外部フィルターを使用すると糞詰まりが起こってしまう可能性があるので定期的に掃除をするか投げ込み式フィルターのみで管理することをお勧めします。
換水頻度は1週間に3分の1ほど行うと水質悪化を抑えられてお勧めですが、60cm規格以上の大型水槽で管理されている場合は1ヶ月に一度でも飼育することは可能です。
水槽やプラケースの壁面にコケが発生して鑑賞性が損なわれることがありますが、メラミンスポンジを使用すると傷つけることなく綺麗にすることができます。
照明に関しては水草を育成するような水槽にフロリダブルーを導入することは少ないと考えられますので、安価なLEDライトで十分でしょう。
餌の与え方
フロリダブルーは雑食性で何でもよく食べてくれますが、コストパフォーマンスが良いのは50円前後で販売されているザリガニの餌を使用することでしょう。
ソーセージや竹輪なども好んで摂食しますが、練り物は水を汚しやすく発生したアンモニアなどで生体にダメージを与えてしまいかねないためお勧めしません。
粉末状や細かい粒状の餌は発見できなかったり脚で掴むことができないことがあるので、なるべく大きなタブレット状の餌を選びましょう。マツモやアナカリスを始めとした頑丈な水草を入れておくと非常食にもなって便利です。
混泳
フロリダブルーは共食いをすることがあるので単独飼育がオススメです。また観賞魚との混泳も捕食してしまう事が考えられるため基本的に不可能と考えましょう。
ただミナミヌマエビのような小柄なシュリンプは捕食されることが少なく、上手く混泳できることが多いので何か同居させたい場合はシュリンプがオススメです。