昔から根強い人気を誇るリクガメですが、その飼育方法をしっかりと把握している人は少ないのではないでしょうか。
水棲カメと比べて飼育が難しそうに思えてなかなかチャレンジする勇気が出ない方もいると思いますが、実はとても簡単に飼育ができちゃいます。そこで今回は近年流通量が増加している「ヒョウモンガメ」の飼い方をご紹介します。
ヒョウモンガメの特徴とは?
最大約70cmにまで成長するヒョウモンリクガメはリクガメの中では大型種に分類されます。しかし繁殖個体を幼体の頃から飼育している場合は50cm程度で成長が止まってしまうようです。
豹柄の模様が名前の由来となっており、個性あふれる模様が魅力的なリクガメです。
生息地
アフリカ各地の草原やサバンナに生息しています。広範囲に移動することで有名で、一度に数十キロメートルの大移動をすることもあります。
寒い時期に入ると岩や木々の間で休眠をしますが、気温が上がると活動を再開します。あまりに乾燥しすぎる環境や森などの湿度の高い場所も好まないため飼育下において湿度調整に慣れるまで時間がかかるでしょう。
販売価格
出典:安佐動物公園asazoo
値段は5千円~十数万円もする個体まで様々です。生後間もないベビー個体が安く、飼育年数が長いほど価格が高い傾向にあります。
かなり大型に成長するため飼えなくなった飼い主が頻繁に里親募集をしていますので、無料でお迎えすることも可能です。
繁殖
繁殖期になったオスは少し凶暴になり複数飼育している場合はオス同士争ったり、メスにちょっかいをかけます。
夏季に卵を産卵するため穴の掘れる床材を準備してください。一度に数十個の卵を数回に分けて産卵をして半年~一年程度で孵化します。
寿命
「鶴は千年、亀は万年」という長寿を祝うことわざがありますが、実際の寿命は30年程度です。飼育下では紫外線ライトを使ったりして生息地の環境に近づけているのですが、やはり自然には敵いません。
出来る限り長生きをさせるには高性能な飼育機材や病気予防を考えた食事をさせることに尽きます。
ヒョウモンガメの飼い方
飼育環境
かなり大型化するので最終的には2メートル以上のケージ又は専用部屋でのケージ・放し飼いが必要です。部屋飼いの場合は大型のメタルハライドランプを部屋に設置すると良いでしょう。
その際はホットスポットを35~40℃程度に設定して、部屋全体を25℃前後に保つようにしてください。水槽飼育の場合はパネルヒーターで保温できますが、部屋の場合はエアコンで温度調節をするのがベストです。
床材はサンド系やヤシガラなどお好みで問題ありませんが、部屋全体に床材を敷くわけにはいきませんので部屋の一角に犬猫用のケージを用意してその中に床材を敷くといいでしょう。
水分補給
野菜や果物から水分を補給しているのですが、不足分は水を飲んで補給します。水分補給を十分にさせることによって身体の老廃物の排出や尿路結石対策に繋がります。
水入れはひっくり返らないような重さのあるものがオススメです。水道水の水はカルキを除去してから与えるといいでしょう。ベストは飲料水ですが、予算の関係上難しいこともあります。
温浴
出典:tortoise-style
多湿な環境を好むリクガメたちは温浴が効果的だったりしますが、乾燥を好むリクガメたちに効果があるのかは不明です。しかし、排便を促したり身体を綺麗にする意味では健康に良い習慣なのかもしれません。
必ずしなければいけないワケではないので、様子を見ながら行ってください。温浴の際は息ができるくらい浅めに35~40℃のお湯を張ります。
水温が低くなったらお湯を追加してください。また、部屋の温度と水温の差が大きすぎると体調を崩しますので可能な限り部屋の温度も上げるように心がけてください。
餌の与え方
ヒョウモンリクガメだけでなくリクガメ科の食性は植物食です。小松菜やチンゲンサイ、りんごなどの野菜・果物を与えます。また夏季に庭で放し飼いをしているとタンポポなどの雑草類も食べますので、消毒剤や農薬には気をつけましょう。
シュウ酸を多く含む、ほうれん草やヨウ素欠乏症の原因となる物質が含まれるキャベツを主食として与えるのはよくありません。近所のスーパーや八百屋さんで販売されている新鮮なものを与えましょう。
飼育上で気を付けること
出典:ワイルドモンスター
リクガメは基本的にトイレを覚えません。稀にケージ内の同じ場所でトイレをする個体はいますが、ほとんどは思うがままにトイレをします。大きさの割に量が多いため初めはびっくりするかもしれません。
ヒョウモンガメの多くはサルモネラ菌に感染していますので、触れ合った後は必ず石鹸で手を洗うようにしてください。排泄してからUターン。お腹がフンだらけになってしまいます。綺麗に洗ってあげてください。亀は意外と手がかかります。
複数飼育の可否
自然界では単独行動をしていますが、ヒョウモンガメ同士であれば複数飼育ができます。しかし大型のリクガメなので日本では飼育場所の確保が難しいでしょう。
あまりに狭い環境に複数匹同居させてしまうと喧嘩が絶えず衰弱してしまう危険性があるので注意が必要です。
まとめ
発色が良く鮮やかな豹模様の美しいヒョウモンガメはいかがでしたか?ヘルマンリクガメやギリシャリクガメほど飼育難易度は低くありませんが、決して飼育が難しいペットではないのでぜひ飼育に挑戦してみてください。