オオトカゲの一種で少々気難しいイエローヘッドモニター。首が長く鋭い爪と長い尻尾が特徴的な変わった見た目をしたトカゲです。
ブラウンと黄色の斑模様が美しく観賞用ペットとして高い人気を誇るイエローヘッドモニターですが、飼育方法や餌についてはあまり良く知られていないでしょう。イエローヘッドモニターをお迎えする前に知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。
イエローヘッドモニターの特徴とは?
出典:爬虫類倶楽部仙台店ブログ
別名コガネオオトカゲという本種は東南アジアに生息するオオトカゲの仲間です。高温多湿の熱帯雨林を好み、半水棲かつ地上棲の大型種で知られています。
幼少期に限っては外敵から身を守るために樹上生活を送る個体も多くいます。最大で1メートル以上に成長するためお迎えする際は広い飼育スペースを確保しておく必要があります。
販売価格や寿命
グレードや成長具合により価格は異なりますが約10~15万円で取引されることが多いようです。お迎えする際はCB個体を選ぶと人慣れもし安く配合飼料にも餌付きやすいのでおすすめです。
イエローヘッドモニターの寿命は約10年です。死因の多くが杜撰な温度管理や水質悪化による病気の発症、肥満等が挙げられますので、日頃から注意していると10年以上生きてくれることでしょう。
イエローヘッドモニターの飼い方
出典:爬虫類倶楽部仙台店ブログ
飼育環境
飼育ケージはある程度高さのある150cm規格以上の大きなものを選びます。高温多湿な環境を好むイエローヘッドモニターですが、蒸れるとよくありませんので通気性のあるものを使用してください。
飼育ケージ内は温度勾配を作り全体を26℃に保温してホットスポットを40℃以上に設定してください。床材は保湿性の高いヤシガラやミズゴケなどを使用するといいでしょう。
水入れは必ず全身が浸かることのできる広くて重いものを選んでください。入れる水は必ずカルキを抜いたものを使用して35℃前後に温めてから交換するようにしましょう。
鑑賞性の向上や隠れ家を作る目的でお気に入りの流木や石などをレイアウトしてもいいでしょう。脱皮の際に身体をこする事があるのであまり鋭利なところののない流木や石を選びましょう。
基本的に全身が入る水入れがあるので温浴の必要はありませんが、食欲が落ちたり脱皮不全の可能性がある場合はお風呂場などで実施するといいかもしれません。
多湿環境は長期間維持することが難しいのでカビなどが発生する前に飼育ケージを丸洗いすることをお勧めします。大食漢のイエローヘッドモニターは排泄物の量も多いので発見次第すぐに処理してください。
餌の与え方
出典:サウリナ守口店
ベビー個体は肉体を作るタンパク質を摂取しなければいけないので昆虫類や小型哺乳類などの動物性蛋白質を摂取する傾向にありますが、アダルト個体になると葉っぱやフルーツ等の植物食へと移行します。
飼育下においては幼少期には動物性蛋白質を多く、アダルト期には植物食を多く与えてバランスよく献立を考えるといいでしょう。
基本的にはしっかりと紫外線ライトやバスキングライトで日光浴の代わりとなる環境を整えていると必要はないのですが、念のためにカルシウム剤等のサプリメントを餌にふりかけて与えるとクル病等の病気予防に役立ちます。
冷凍ピンクマウスや冷凍コオロギなどを与える際は必ず35~40℃のお湯で温めてから与えるようにしてください。乾燥・冷凍餌や人工飼料を食べる個体も多いようですがやはり生餌が最も好ましいので、デュビア等の鳴かずに動きの遅い種類をストックしておくと良いでしょう。
初期費用と維持費用
初期費用は約5~10万円は必要です。どのような飼育ケージを使用するかで値段が大きく異なりますがなるべく丈夫な爬虫類用に設計された飼育ケージを使用します。
維持費用は3000~5000円程度ではないでしょうか。植物食が中心になるのでスーパーで安売りしている日にまとめて購入しておくと費用も抑えられてお得です。
イエローヘッドモニターは懐くのか?
出典:サウリナ守口店
爬虫類は懐くというよりも人に慣れる個体が多いようです。イエローヘッドモニターも例外ではなく給餌の際に駆け寄ってくれる姿を見せてくれるのでペットリザードとして優秀な性格をしています。
ただし個体差があるので触れ合うことができる個体もいれば一切ハンドリングを許さない個体もいることに注意してください。
あまり触りすぎるとストレスで短命になりますので、嫌がる場合はそっとしておくことをお勧めします。初めから触れ合おうとはせず、ピンセットで手から給餌をすることから始めてみてはいかがでしょうか。
飼育上で気を付けること
爬虫類の多くはサルモネラ菌等の細菌類に感染していることがあるので、お世話をした後は必ず石鹸で手を洗ってください。水入れに入っていた水はトイレに流すなどして人間の口に入る危険性のある場所で流すことは避けましょう。
発情期になると暴れることがあり、イエローヘッドモニターの鋭い爪で怪我をさせられることもしばしばありますので取り扱いには十分に注意が必要です。