鮮やかなオレンジ色の頭部と深い緑色の胴体が美しいカイマントカゲ。
鑑賞性に優れていて大きく成長することからペットとしてのポテンシャルは高い反面、非常に珍しく国内ではほとんど流通しておらず高額で取引されているので憧れのトカゲとされています。
飼育事例が少ないことからその飼育方法や習性などは謎に包まれています。カイマントカゲをお迎えする前に知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。
カイマントカゲの特徴とは?
出典:woodbell
ブラジルやペルー等の南米に生息する大型のトカゲです。高温多湿の森林に流れる川で泳いだり潜水することができる半水棲の種類で名前の通りワニに似た見た目が特徴的です。
タニシやヒラマキガイ等の巻き貝類を中心に乾季は小型哺乳類や爬虫類を食べています。生態については不明な点が多く、飼育事例や繁殖事例も少なく試行錯誤で飼育していくことになるでしょう。
販売価格
カイマントカゲは約1~3万円で取引されていることが多いようです。流通量が少なくめったにお目にかかれないのですが、近年はウェブサイトで入荷情報を確認できるショップが増えたため見つけるのにそれほど苦労はしないでしょう。
爬虫類は対面販売が義務化されているので、是非その機会に飼育のコツや餌について訪ねてみましょう。
カイマントカゲの飼い方
出典:サウリナ守口店
飼育環境
成長すると1メートル以上にもなるカイマントカゲを終生飼育するには150cm以上の水槽や爬虫類用ケージを用意しましょう。半水棲なので底に水を入れられるタイプのものを使用してください。
飼育ケース内は温度勾配ができるように保温器具をセットします。ホットスポットは35~40℃に設定してそれ以外の場所を27~30℃程度に保温します。
強い紫外線が必要となりますのでバスキングライトと紫外線ランプは必ずセットして、夏季の晴れた日には日光浴をさせてください。底床にはミズゴケやヤシガラなどの保湿性のあるものを選びましょう。
また潜れるぐらいの水場も用意してください。アクアテラリウムの環境を作るといいでしょう。飼育ケージには必ず隠れることができる場所を作ってストレス緩和に配慮してください。
高温多湿環境だと水が腐りやすいので定期的に水換えを行い、水カビが発生したときは木酢液などで対処します。エアレーションを行うと水流ができて腐りにくくなります。
水入れに入れる水は必ずカルキを抜いてから入れてあげないと肌荒れの原因になります。2~3ヶ月に一度は飼育ケージごと丸洗いをすると清潔に保つことができますが、お迎えしたばかりの頃はしばらく様子を伺いましょう。
餌の与え方
出典:woodbell
飼育下ではタニシをメインに与えます。ときどきウズラやピンクマウス等の小型哺乳類を与えても良いでしょう。
巻き貝の管理が難しい場合は食用に販売されている冷凍エスカルゴやワニ専用の配合飼料を与えてみましょう。稀にフルーツを食べる個体もいるようですので与えてみてはいかがでしょうか。
お迎えして間もない頃は人前で餌を食べないことが多いので、給餌後は食べてくれることを信じてそっとしておきます。給餌頻度の目安は2~3日に1~2回程度です。
初期費用と維持費用
飼育ケースは8~15万円ほど必要となりますので初期費用は最低でも20万円は必要となります。ただ食費は巻き貝を主に食べるので抑えられるでしょう。
冬季は電気代が非常に高額となりますが、温度管理をきちんと行わないと消化不良に陥り最悪の場合死に至ります。
繁殖
出典:サウリナ守口店
流通しているカイマントカゲは恐らく野外採集個体でしょう。繁殖方法が確立されていないので詳細は不明ですが、普段より乾燥した環境で産卵するケースがあるようです。
一度の産卵で5~6個の卵を産みます。雌雄の判別は尻尾の付け根に注目します。他の部分と色の異なる鱗があるので、その形が縦に連なっているとオス、円形に並んでいるとメスとなります。幼少期には判別が難しいので成長すると判明します。
飼育上の注意点
高温多湿の環境を作らなければなりませんが、蒸れすぎるのもよくありませんのである程度風通しの良い飼育ケースを選びます。カイマントカゲは非常に臆病な性格でお迎えしたばかりの頃だと威嚇してくることが多いようです。
ピンクマウスやウズラ等の小型哺乳類はあまり与えすぎないようにして貝類を中心に与えてください。水場から陸地へ登りやすいように流木などを置いておくと良いでしょう。
慣れるには時間がかかるので他のトカゲと同様にピンセットで給餌することから始めてください。バスキングライトや紫外線ライトは使用時間が長いと効果が弱くなるので頃合いを見て新しいものへ交換する必要があります。
まとめ
ワニのようなたくましい容姿に美しい色合いをした珍しいカイマントカゲ。ほとんど販売されていないことから憧れのトカゲとして多くのファンが存在します。
現在は情報化社会なのでじっくり調べてみると爬虫類専門店やイベントに出品されているのを発見できるかもしれません。