リクガメの中でガラパゴスゾウガメやアルダブラゾウガメに続いて大きくなる種のケヅメリクガメ。一生懸命歩く姿が愛らしく感じるケヅメリクガメの飼い方、必要な飼育用品、繁殖方法など紹介。
ケヅメリクガメの特徴とは?
出典:岡崎市ホームページ
大きさや生息地
ケヅメリクガメは、後ろ足のあたりの甲羅の裾にトゲ状の『蹴爪』ができるところからこの名前が付けられました。飼育下では体長が50~70cm位、体重が30~60kgが多いようですが、まれに80cmを超える個体もいます。
生息地はサハラ砂漠やサバンナなどの乾燥地帯に多く分布しています。色は黄褐色に暗褐色の線が入るものが多く見られますが、色が白く、線が入りにくい種類もいるようです。
購入方法や販売価格
大型のペットショップや、爬虫類専門ショップで購入できます。近くにそういうお店がない場合は通信販売もありますが、生体なので途中で体調不良になったりすることも考えられます。
極力、目で見て、手に取って、元気であるか・ずっしりとした感じがあるかなど健康状態を確認して購入されるのがいいと思います。
価格は、6~8cmほどのベビーと言われる個体を2~3万円から販売しているところもありますが、金額に惑わされず、少しでも大きな個体を購入した方が安心感はあります。
ケヅメリクガメの飼育に必要なもの
出典:ワールド牧場
ケヅメリクガメを購入する前に、まずは環境を整えておきましょう。ここでは生後1年くらい(15cmくらい)までの飼育用品とお考えください。
爬虫類専用ケージ
水槽でも問題はないのですが、床材を換えたり掃除をする時などは、前開きができる爬虫類専用のものが簡単です。
大きさは、ケヅメリクガメが小さい時は60cm幅のものでも大丈夫ですが、成長が速いので、初めから90cmサイズのものがいいかもしれません。高さは、ライトの照射なども考えるとあまり深型でないほうがいいようです。
床材
出典:爬虫類ショップ 良心堂
ケヅメリクガメの飼育は乾燥気味にするということで、湿気をとる赤玉土がよく安く手に入ります。しかし、この赤玉土はリクガメが汚れやすく、掃除の時も粉じんが舞いやすいという欠点があります。
他にはヤシガラが安価で手に入り、掃除の時なども楽に交換できます。
ほかには、爬虫類専用のデザートブレンド(クルミの殻を砕いたもの)やコーンクリーンベッド(とうもろこしの穂軸を粉にしたもの)がおすすめですが、価格が高いのが難点です。
紫外線ライト
太陽光の代わりです。20W以上のものを選びましょう。
保温球
寒さには弱いので保温球が必要です。夏場は50Wくらいでもいいかもしれませんが、冬場は100Wあったほうがいいです。球が切れると大変なので、予備を買っておきます。
バスキングライト(スポットライト)
照射角度が狭く、ホットスポットが作れます。
シートヒーター
下からも保温したほうがいいです。水がこぼれても大丈夫なもの(爬虫類専用のもの)がいいです。
水受け皿
大きさは体がすっぽり入るくらいで深くないもの。水浴びで入ったときにおぼれないように浅めがいいです。
温湿度計
温度・湿度の管理が重要になりますので必要です。
爬虫類用サーモスタット
1年を通して適温にするにはサーモスタットがないと温度の維持が難しいです。
シェルター
隠れてゆっくり寝たい時など入っていきます。
エサ入れ
リクガメフードを与える時は、水でふやかしたりするので浅めでどっしりしているもの。
ケヅメリクガメの飼育方法
飼育環境
まずはベビー(6~8cm)といわれる子ガメの飼育法から見ていきます。ベビーの時は保温球などで28~30度を保ち、湿度は40~50%になるようにします。極力、日光浴をさせるのがベストですが、太陽光での紫外線が足りない場合は紫外線ライトを使います。
バスキングライト(スポットライト)で温度の高い部分を作り、食後に体温を上げて消化を促すことが出来る場所を作ってあげます。上からの温度で足りない場合はシートヒーターで下からも温めます。床材やケージの湿度は基本乾燥気味にしますが、湿った場所も作りましょう。
餌の与え方
出典:動物図鑑
野菜(小松菜、大根の葉、ニンジン、サツマイモ)・野草(タンポポ、オオバコ、クローバー)などを中心に与えます。食いつきが悪い時などはリクガメフードを使ってみると食欲が出てくる場合があります。
12機材ではありませんが、リクガメを診てくれる獣医さんを見つけておくことが大事です。いざとなった時に探してもなかなかみつからないことがあります。
エサは野菜や野草中心で与えます。ベビーの時は1日1~2回、大きくなれば1~2日に1回位で大丈夫です。(野生の場合は食事にありつけない日が続くこともありますから…)
量は適量(食べるだけ)。大人になると1日にキャベツ1玉を食べるくらいまでになります。
8cm前後で購入した個体でも、1年で15cm前後、2年経つと30cm前後に成長するので、ケージ飼いをするのは生後1年ほどと考えられた方がいいでしょう。
2年以上経つとケージ飼いは難しいので、部屋を開放したり、庭に放し飼いにして暖を取る場所として小屋を建てたり、犬小屋に保温球などをつけるなどの策を考えなければいけなくなります。
繁殖
出典:動物図鑑
ケヅメリクガメを買い始めて愛らしさが募ると、ベビーの顔が見たい!という親心が芽生えてくるものです。一般家庭でも産卵後孵化しているケースもありますので、ペアで飼っていれば可能ではあります。
飼育下では5年もすると交尾~産卵が可能ですが、オスメスの相性が合わなければもちろん交尾もしませんし、気温の変化などケヅメリクガメが発情する環境を作る必要もあります。
うまくいけば、1回に10個ほどの卵を産むようなので、そんな楽しみを持ってケヅメリクガメの飼育をされるのもいいかもしれません。
まとめ
とにかく大きくなるケヅメリクガメ。毎日の食費や世話が大変になり、飼育放棄して捨てられてしまうケースも少なくありません。よっぽどの覚悟がないと、終生飼うのは難しいかもしれません。
大きくなったらどこで飼育するのか、毎日の食事はしっかり与えることが出来るのかなど、先のことも見据えて飼育を始めていただきたいリクガメです。