百獣の王と呼ばれるほど弱肉強食の世界で最も強い生き物としてアフリカ大陸をはじめとする各生息地域に君臨するライオン。
動物園や専門の施設で飼育されていることは多々ありますが、自治体の許可さえ取ることができれば個人でも飼育することは可能となっています。ライオンをお迎えする前に知っておくべきことをご紹介したいと思います。
ライオンとは?
獅子とも呼ばれるライオンはアフリカ大陸やインド北西部に生息するネコの仲間です。多くの個体はサバンナや草原など開けた地域で過ごしており、スイギュウやシマウマなど大型動物を狩りながら生活をしている。
ライオン一頭のみで狩りをすることは少なく集団で上手く連携を取りながら大型動物を仕留めるスタイルが一般的です。
子どものライオンは生後1~2年頃まで狩りを実践することは少なく、集団に加わりながらやり方を学んでいくことが多いようです。
ペットとしての飼育は可能?
一方で飼育下におけるライオンは人間が給餌することを覚えるため野生下ほど気性が荒くなることはないでしょう。
しっかりと躾を行えば猫のようにじゃれ合うことも可能ですが、飼育員が襲われる事件が定期的に発生しているので注意は必要です。
ライオンと遊ぶときは必ず空腹時や機嫌の悪いときは避けるようにしましょう。上記のことからライオン飼育に必要な「猛獣飼育許可」を取得する条件はかなり厳しいものとなります。
具体的には安全対策が施された十分な飼育設備や飼育に必要な専門的知識が必要とされる上に近隣住民からの許可も必要となります。
特に飼育設備については脱走した事例が後を絶たないことから数十億円近い頑丈な設備を用意しなければいけません。
また近隣住民から許しを貰うことは難しく気軽に飼育できるようなペットではありませんが、お金さえあれば人の少ない地域で飼育することは不可能ではありません。
寿命
野生下のライオンは天敵が存在しないため、長生きするイメージが強いようですが実際は同種間の争いで死んでしまうことが多いようです。多くは10年以上生存することは少なく生息地では年々生息数が減少しています。
飼育下では怪我をすることも少なくしっかりとした医療を受けることができるため20年以上生存する個体も多くいます。
ただ個人宅では200kgを超える巨体を動物病院まで運搬することは現実的ではないため、多額の料金を支払って獣医の方に来てもらうことになります。
またネコ科と言えども猫の数十倍も大きな身体をしているので医療器具が対応していないことも多く診察してもらえないこともあるでしょう。お迎え前には必ず病気や怪我になったときのことを考えておくようにしてください。
管理費用
ライオンは国内で販売されていることはほとんどありませんので、海外で流通しているものを購入して輸入することになります。
ライオン自体は数百万円で取引されていますが、巨体かつ獰猛なライオンを輸送するために必要な費用は高額になり飼育環境を整える費用も含めると数億円は必要となります。
また餌代だけでも毎月10万円近く必要となりますのでお金が沢山必要なペットであることは間違いありません。
ライオンの飼育方法
ライオンは力が強くジャンプ力も相当あるので飼育環境を整えるのに多額の費用を要します。またアダルト個体は一日に6kg前後の食事を必要とするため1~2回に分けて与えるようにします。
3食に分ける必要はなく一度に多量の餌を摂取するよりも分割したほうが吸収率が高いので肥満につながりやすくオススメはしません。
一般的に集団行動する生き物として認識されていますが、飼育下では単独飼育かペア飼育がオススメです。オスを2匹以上同居させてしまうと喧嘩が発生して怪我をする原因となるので必ず分けるようにしてください。
風呂に入れる必要はなく嫌がるライオンが多いので寧ろ洗わない方がいいでしょう。
必ず風通しの良い雨風のしのげる飼育環境を用意して排泄物は確認次第掃除するようにしてください。飲水は水道水でも問題ありませんが、肌の弱い個体や病弱な個体はなるべくカルキが抜けた飲水を与えるようにすることをおすすめします。
繁殖
一日に複数回交尾を行い妊娠したメスは100日前後で出産します。産み落とされた子ライオンは1~2kgほどで10ヶ月近くの授乳期間を終えて狩りを行うようになりますが、生後3ヶ月ほど経過すれば肉を摂取することはできます。
野生下での生存率は非常に低く天敵に襲われることや他所から来たオスに襲われるなど厳しいものとなります。
一方で天敵のいない飼育下での生存率は高く生後間もない頃から人に馴れさせていると成体になったときの飼育が楽になるので積極的にコミュニケーションを取ることをお勧めします。
飼育上の注意点
ライオンは犬や猫のようにリードを付けて散歩をさせることは絶対にできません。
普段から気性の穏やかなライオンでも少し気に入らないことがあれば襲われる可能性は十分に高いため油断することなく安全対策を怠らないようにしましょう。