人と犬との交流は長く、３万年以上も前からと言われています。この長い時を経て次々と新しい犬種のワンちゃんが登場しました。
猟犬や番犬、牧羊犬だったワンちゃん達は今や盲導犬、聴導犬、警察犬、災害救助犬、介助犬など人のすぐそばで役割を担うようになり、または愛玩犬やセラピードッグとして癒しや希望を与えています。
様々な垣根を越えて、色々な種類のワンちゃんを紹介したいと思います。
珍しい犬の種類
ブービエ・デ・フランダース
- 原産国：ベルギー/フランス
- 体重：２７㎏～４０㎏
- 価格：２０万円～
ブービエとは「牛追い」と言う意味を持つ、大型のワンコ。一時は軍用犬としても働き、その数が大分減ってしまった事も。被毛は硬く、羊毛状や巻き毛とは違う光沢がないくせ毛。
色はグレーが一般的で、その他にグレーブリンドルやブラックもある。筋肉質で手足もそれぞれが太く、シッポは産まれつき短いか断尾するが、現在は動物愛護の観点から行われなくなってきている。
運動が大好きで忠実、穏やかな性格だが頑固でマイペースな所もあるため、子犬の時から訓練はしっかりと必要。多頭飼いや、集合住宅には向かないので注意。
ドゴ・アルヘンティーノ
- 原産国：アルゼンチン
- 体重：４０㎏～４５㎏
- 価格：４５万～
真っ白な短毛のワンコで、アルゼンチンの医師により作り出された経歴の持ち主。マスティフ、ブルドック、ブル・テリアなどの血を持っているため闘犬と考えられていた。
実際は陽気で控えめで友好的。しかし嗅覚の鋭さや粘り強さから、ピューマなどを狩る犬として注目を集めた。プライドが高く攻撃的になる事もあるので、それをうまくコントロールしながら躾はしっかりと。
日本でのお迎えは難しいかもしれないので、どうしてもお迎えしたい方は海外のブリーダーさんに問い合わせしてみた方がいいかもしれません。
ブラジリアン・ガードドッグ
- 原産国：ブラジル
- 体重：４０㎏以上
- 価格：日本にはあまりいないため、ブリーダーさんに要お問い合わせ
短毛で密度の高い滑らかな毛を持つ大型のワンコ。マスティフやブルドッグの血を引く、珍しく南米大陸出身。熱帯雨林に逃げ込んだ犯人の追跡や家畜の護衛犬として活躍していた。
並外れて勇敢だが飼い主の傍にいるのは好きな普段は穏やかなワンコ。色は単色で、耳は大きく中が見える形で垂れている。シッポは長く、踵の位置から急に細くなり、背中に乗っておらず、耳と同じく垂れたシッポをしている。
しかし危険であるとして飼育を禁止している国もあるので、要注意。
アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア
- 原産国：アイルランド
- 体重：１８㎏～２０．５㎏
- 価格：輸入になるため、ブリーダーさんに要お問い合わせを
アレルギーなど人間に対する刺激が少ない犬ではないかと考えられ、注目を集めている中型サイズのワンコ。元々家の見張りや害獣の駆除などで農場で繁殖されていた為、他のテリアと違い攻撃的ではないと言われている。
子供の遊び相手にもなれ、とても利口なので躾も比較的しやすい。顔全体が絹の様な柔らかい毛で覆われている。毛色は鮮明なウィートン。
トイ・マンチェスター・テリア
- 原産国：イギリス
- 体重：２．７㎏～３．７㎏までが理想
- 価格：１５万円～２５万円前後
マンチェスター・テリアを小型化させて誕生したワンコ。小型化されたが、ネズミを駆る能力は高くその後は愛玩犬として親しまれている。
ブームが起きた時に行われた、乱繁殖と極端な改良により健康に被害が出始めそれに伴い人気は落ちていき、ついには絶滅の危機に晒された。今は愛好家により安定した体質を維持出来るようになり、再び人気を得るようになる。
テリア独特の特徴を持ち用心深いが、神経質過ぎる事はなく、明るく好奇心旺盛で遊ぶのが大好き。
イビザン・ハウンド
- 原産国：スペイン（バレアレス諸島）
- 体重：２３㎏前後
- 価格：輸入になる為、ブリーダーさんにお問い合わせを
ファラオハウンドを祖先に持ち顔は細長く、ピンと尖った耳が特徴の大型ワンコです。嗅覚と聴覚に優れていて、兎狩りの犬として活躍してきました。
被毛はワイヤー、スムース、ロングと様々。運動能力が高く運動するのも大好き。とても従順で温厚な性格ですが、警戒心が強い為注意が必要。多頭飼いや集合住宅での飼育には向いていません。
ぺルービアン・ヘアレス・ドッグ
- 原産国：ペルー
- 体重：小型は４㎏～８㎏・中型が８㎏～１２㎏・大型が１２㎏～２５㎏。
- 価格：輸入になる為、ブリーダーさんにお問い合わせを
元々は食用として飼育されていたワンコ。名前の通り被毛がなく、頭部や尾の先、背中などに少しだけ毛の名残がある。食用だけでなく戦争の時には頭で作った笛が吹かれ高貴な死者と共に生贄として共に葬られる事もあり、この時代の人たちには欠かせない存在でした。
その後ペットとして飼育されるようになり改良をされた。耳は長く大きいが、断耳はされない。大きさも小型から大型まで様々。性格は静かで明るく頭も良いが、他人に対しては警戒心が強く、番犬に向いている。
ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ
- 原産国：ハンガリー
- 体重：２０㎏～３０㎏
- 価格：３０万円～
短毛で密生した被毛を持つ中型犬。とても有能なワンコで、ポインターとしてだけではなく主人が撃ち落とした鳥を回収する、レトリーバーとしての仕事もこなす。
寒さに弱い為、冬は寒さに強いワイアーヘアード・ヴィズラとバトンタッチし、家族と共に過ごす。穏やかで友好的、飼い主と仕事をするのが大好きで、ヨーロッパでは大人気となっている。
スモール・ミュンスターレンダー
- 原産国：ドイツ
- 体重：１４．５㎏～１５．５㎏
- 価格：輸入になる為、海外のブリーダーさんにお問い合わせを
一時は絶滅したかと思われていた優秀な鳥猟犬のワンコ。中型で、大型の「ラージ・ミュンスター・レンダー」から様々な過程を経て誕生した。
現在はペットやショードッグとして人気が高い。ポインターとスパニエルの中間のような見た目で、耳は垂れ耳、シッポや体はフサフサの柔らかい被毛に包まれている。
知能が高く人が好きでよく遊ぶ。犬だけでなく他の動物とも仲良くなれるので、非常に飼いやすくおススメ。
ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- 原産地：ポルトガル
- 体重：１６㎏～２５㎏
- 価格：日本にはいるものの非常に珍しい為ブリーダーさんにお問い合わせを
ウェーブのかかった長い毛と、短い巻き毛の持ち主のワンコ。大きさは中型サイズで、主に漁用犬として活躍していた。
並外れてお利口なワンコで、仕事をしていた時は船から船へ泳いでメッセージを伝えたり、悪天候の際には吠えて他の船との衝突を回避したり、海に潜って魚を網に追い込むなど、漁師にはいなくてはならない存在だった。
しかし仕事の減少と共に一時は絶滅も危惧されたが、勇敢だが控え目と性格がよく見た目も変わっているためペットやショードッグとして活躍することになり、絶滅は免れた。
被毛はお仕事の関係で、下半身の被毛はシッポの先以外ツルっと刈ってしまうのがスタンダード。
フィールド・スパニエル
- 原産国：イギリス
- 体重：１８㎏～２５㎏
- 価格：日本にはいるものの非常に珍しいためブリーダーさんにお問い合わせを
「フラッシング」と呼ばれる仕事をこなし、鳥猟犬として活躍していたワンコ。
特に鳥猟の最後である撃ち落とされた鳥を回収してくるレトリーブと言われる仕事は種類によっては行われないが、この犬種は確実にこなすことが出来、とても優秀で人気があった。
しかしショードッグとしての改良や世界大戦により、数は４頭だけになってしまった事も。いまでは愛好家達により頭数も増えては来ているが、世界的に見ても貴重なワンコである。
容姿はショータイプと実猟タイプで異なっている。性格も攻撃的ではなく控え目で、他の動物や子供と遊ぶ事が出来とても友好的である。
ローシェン
- 原産国：フランス
- 体重：４㎏～８㎏
- 価格：おもに輸入になる為、ブリーダーさんにお問い合わせを
ドイツ語で「小さなライオン」の意味をもつ小型のワンコ。滑らかで柔らかい被毛は「ライオンカット」と呼ばれる、伝統的なプードルスタイルに顔の毛は残したものに刈られ、貴婦人の抱き犬として人気を誇った。
巻き毛ではなく軽くウエーブした長毛で、耳は垂れている。陽気で理解力があるが、そのためか自尊心が強いので、子犬の時から主従関係はキチンとつけておく必要がある。
プチ・ブラバンソン
- 原産国：ベルギー
- 体重：２．５㎏～５．５㎏
- 価格：日本にもいるものの珍しい為、ブリーダーさんにお問い合わせを
ブリュッセル・グリフォンの短毛種。元々はネズミを狩る愛玩犬として飼われていた。パグのような顔の皺があり、被毛は滑らかな短毛。
耳はボタン耳で、シッポは断尾することがある。胴体は短く足は細め。頭も良く活発で友好的だが、他人には注意深く警戒する。良く吠えるので注意が必要。
チベタン・テリア
- 原産国：チベット
- 体重：８㎏～１４㎏
- 価格：日本にもいるものの珍しい為、ブリーダーさんにお問い合わせを
チベットの寺院では「幸福を招く犬」と呼ばれ、神の使いとして大切に育てられていた小型の高貴なワンコ。しかし中国政府の命令により、多くが殺され絶滅の危機にあったが、隠されて飼われていたワンコ達がいたため、絶滅の危機は免れた。
体系がテリアに似ているだけで、テリアの気質は持っていない。手足や鼻は長く、耳は垂れ耳。性格は活発で誠実。頭がよく勇敢だが、控え目で喧嘩をあまりしない。
スルーギ
- 原産国：モロッコ
- 体重：２０㎏～２７㎏
- 価格：主に輸入になる為、ブリーダーさんにお問い合わせを
元々はウサギやガゼル、ダチョウの狩りに使われていた大型のワンコ。イスラム教にでは犬は不浄のものとされ、軽蔑されるがスルーギは例外で家族として扱われ、オスの犬は人間の女性よりも地位が高い時代さえあった。
他の多くの犬種と同じく二度の世界大戦で絶滅の危機にさらされたが、僅かに残ったスルーギを集めて犬種を存続させることが出来た。細身でエレガントな見た目。短毛で細く密生していて、手触りは滑らか。
サルーキの兄弟犬だが、サルーキのように耳に飾り毛はない。家族にはとても深い愛情を示し、すました様な印象があるが、必要な時は主人を防衛する勇敢さもある。
ブリアード
- 原産国：フランス
- 体重：２３㎏～４１㎏
- 価格：主に輸入になる為、ブリーダーさんにお問い合わせを
長い間特に犬種名がなく、他の短毛犬と共に「草原の犬」と呼ばれていた。のちにブリアードと呼ばれるようになり、狼や盗賊から家畜を守る犬として、とても優秀な仕事をするようになる。
第二次世界大戦時は軍用犬として活躍し、他の犬種のように絶滅の危機にさらされる事はなかったワンコ。大戦後はその容姿と温和な性格から人気の犬種となり、ペットやショードッグとして活躍するようになった。
耳のタイプは垂れ耳と立ち耳があり、地域によって好みのタイプに分かれる。長くしなやかな被毛に覆われ、目まで覆っているスタイルが印象的。家族だけでなく家族以外の人とも仲良くする事ができ、子供や他の犬と遊ぶのも好き。
サルプラ二ナック
- 原産国：旧ユーゴスラビア
- 体重：５５㎏前後
- 価格：主に輸入になる為、ブリーダーさんにお問い合わせを
被毛は１０センチ以上の長さがあり、分厚くフサフサしている大型のワンコ。ユーゴスラビアにあるサルプラ二ナックで産まれ、熊や狼、ヤマネコから人や家畜を守る、護衛犬として活躍していた。
飼い主に対しては愛情深く忠誠心があるが、一度敵とみなすと最後まで戦う勇敢さもある。力も強いので、散歩の時は対応できる人が望ましい。
サールロース・ウルフハウンド
- 原産国：オランダ
- 体重：３６㎏～４１㎏
- 価格：輸入になる為、海外のブリーダーさんにお問い合わせを
狼と犬の中間の見た目の大型ワンコ。ジャーマンシェパードと狼を交配することで誕生した。原産国のオランダ以外では殆ど見ることはない。色んな犬種が担っている仕事の中で、何がこの犬に合っているか調べた結果、総合的な能力はとても高い事が分かった。
その一方でウルフドッグ特有の内向性や用心深さ、訓練の難しさを持っていた為、牧羊犬や牧畜犬に向いていないのがわかった。しかし小さいうちからきちんと躾をすれば、忠実で優しい優秀な家庭犬になることも出来る。
スハペンドゥス
- 原産国：オランダ
- 体重：１５㎏前後
- 価格：主に輸入になる為、ブリーダーさんにお問い合わせを
牧羊犬や護畜犬としてオランダの農場で活躍していた中型のワンコ。長いウェーブのかかった被毛は寒さや防御に強くなっている。
耳は垂れ耳で、顔の周りも毛に覆われている。性格は活発で人懐っこい。子供や他の犬と遊ぶのも大好きで、躾の飲み込みも早いので家庭にとても向いている犬ではあるが、運動量が沢山必要なので狭い室内で飼うには向いていない。
アメリカン・アキタ
- 原産国：日本
- 体重：４０㎏～４５㎏
- 価格：主に輸入になる為、ブリーダーさんにお問い合わせを
世界大戦後、日本の秋田犬はアメリカ兵の中で人気となり、母国へ連れ帰った。その後アメリカ国内でも人気となりその数は増えていき、アメリカのAKCにアメリカン・アキタの名前で登録されることになった、グローバルなワンコ。
頭がよく勇敢でかつ忠実という日本犬の名残もある。
まとめ
２０匹の珍しいワンちゃん、いかがだったでしょうか。中にはその国でしか見られないワンちゃんや、日本には数頭しか登録されていないワンちゃんもいます。
どの子にもそれぞれの歴史があり、どれもが人間と密接に関係していて調べていても、ここに書き切れなかった事は沢山あります。この中の一匹にでも是非一度は出会ってみたいですね！！
