ペットとして流通する水棲亀の中では最も小さい種類のミシシッピニオイガメ。小柄で陸地を必要としない習性から熱帯魚や淡水魚と混泳されるアクアリストもたくさんいます。飼育方法など知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。
ミシシッピニオイガメの特徴とは？
出典：http://pet-takatsuki.jugem.jp/
ミシシッピニオイガメ１３cm前後で成長が止まる最も小柄な亀の一種類です。主に北米の緩やかな河川や湿地等に生息しており、夜間に活動します。そのため日光浴の必要はなく陸地のないアクアリウムで飼育することができることから人気が高まりました。
繁殖もし易い種類のため、流通個体は輸入個体と繁殖個体の両方が流通しています。ニオイガメは悪臭を放つイメージですが、あくまでも野生下で見られる習性なので人慣れした飼育下個体が悪臭を放つことは少ないでしょう。
販売価格や寿命
ミシシッピニオイガメは流通量も多く約３０００円で取引されています。購入する際はなるべくＣＢ個体（飼育下繁殖個体）を選びましょう。
WC個体（野生採集個体）はサルモネラ菌等あらゆる病原菌を保有している可能性があり、日本の水質に適応出来ない可能性も否定できないので、避けたほうがいいでしょう。
ペットとして人気の種類なので一般的なペットショップやホームセンター等で簡単に入手できます。より多くの個体を見てお迎えしたい方は爬虫類イベントや専門店へ行くことをお勧めします。
ミシシッピニオイガメの平均寿命は約３０年です。飼育下ですと５０年以上生きる個体もいるようなので、日頃の体調管理と餌が大切なのでしょう。
ミシシッピニオイガメの飼い方
出典：Wikipedia
飼育環境
環境が整っている場合は陸地を作る必要はありませんが、弱っていたり水温が低いときには陸地と保温球を用意しましょう。水温は２６℃前後を保ちましょう。
生息地では水深60cm以下の緩やかな河川に生息していることが多いので水槽も水深が60cm以下のものを選びます。飼育頭数によって大きな水槽を選ばなければなりませんが、単独飼育だと３０センチキューブ水槽で終生飼育が可能です。
本種は夜行性のためバスキングライトや紫外線ランプは適宜使用して、熱帯魚飼育に使用されるヒーターで保温します。日光浴ができる場合はたまにさせた方がビタミン類が生成されるので体調を整えられます。ろ過器に関してはお好みで問題ありません。
水が汚れやすいので濾過能力の高い外部フィルターや上部フィルターとスポンジフィルターを併用すると水換え頻度が抑えられてオススメです。鑑賞を目的とするので必ずしも必要ではありませんが、隠れ家を用意するとストレスを軽減できます。酸欠防止にエアレーションは必ず行いましょう。
餌の与え方
CB個体は基本的に何でもよく食べます。メインに水棲亀専用の配合飼料を与えて時々クリルや煮干しなどを与えると良いでしょう。水棲亀の配合飼料や煮干し等は水質が悪化しやすい食べ物なので最低でも週に一度は水換えをしてあげたほうが良いです。
小型のコイやカラシンと混泳させているとミシシッピニオイガメが食べてしまう可能性があるので混泳をさせる際は大きめの魚やエビにします。給餌頻度は週に３回ほど与えましょう。幼体のときは毎日１回給餌する必要がありますが、成体は２~３日に一度で問題ありません。
初期費用と維持費用
出典：アクアフォレスト
初期費用は５０００円で十分足りるでしょう。維持費も食費と電気代だけなので１０００円以下です。
ミシシッピニオイガメは懐くのか？
温和な性格のミシシッピニオイガメは複数飼育が可能で協調性のある亀と言えます。また長期間飼育していると飼い主に餌を求める行動が観察できるので人慣れしやすい種類です。
ただし飼い主の顔を見分けることができるとは言い難いでしょう。餌くれダンスを見て癒やされることは間違いなさそうです。
ミシシッピニオイガメは夜行性の種類ですが、昼に給餌をすることで昼行性へ変えることができるので、自分のライフスタイルに合った飼育ができます。
飼育上で気を付けること
出典：爬虫類倶楽部仙台店ブログ
爬虫類や両生類の多くはサルモネラ菌等の細菌を保有していますので、触った後は必ず石鹸で手を洗ってください。ミシシッピニオイガメは外来種なので絶対に逃さないでください。
家庭の事情で飼育できなくなった場合は里親募集をするかペットショップで引き取ってもらいましょう。本種は複数飼育できますが、あまりに過密な環境だとストレスで弱ってしまうので詰めすぎないことが大切です。
水質が悪化してくると皮膚に異常が見られたり餌を食べなくなりますので必ず水換えをしてください。
水換えをする際は台所や洗面所など人が水を口に入れる場所で飼育水を流すことは避けましょう。陸地を設ける場合は水カビが発生する可能性があります。カビが発生したときは木酢液を塗ると改善します。
まとめ
大きくなって川へ放流されてしまうことの多い水棲亀。ミシシッピニオイガメは成長してもあまり大きくならない特徴から人気が高まり、メジャーなペットとして認知されるまでになりました。初心者の方にも気軽にお迎えできるので是非飼育してみてください。
