現在日本の一般家庭で飼育されているモモンガはフクロモモンガ、アメリカモモンガ、タイリクモモンガの三種類います。フクロモモンガ、アメリカモモンガはペットショップで入手して飼育可能です。
タイリクモモンガは2006年8月から特定外来種に指定され、飼うのには環境省の許可が必要になりました。販売、繁殖も禁止されていますので新たに入手することはできません。
現在すでに飼われている子が日本で飼育される最後のタイリクモモンガとなりそうです。モモンガ三種類のそれぞれの特徴などをご紹介します。
モモンガの種類
フクロモモンガ
大きさや生息地
有袋目フクロモモンガ科フクロモモンガ属の動物です。カンガルーの仲間になります。体長はオスメス共に12〜15㎝程で、体長と同じくらいの長さの尻尾をもちます。
体重はオスが115〜160g、メスが95〜135g程です。オーストラリアの内陸以外の地域、ニューギニア諸島に生息しています。
寿命
野生での寿命は約7〜8年と言われていますが、適切に飼育すれば12年程生きられるようです。中には17年生きた子もいるようです。
販売価格
一般的なカラーのグレー、ブラウンは15000円〜3万円程です。白い毛に赤目のアルビノは10万〜20万円。白い毛に黒目のリューシスティックという種類は10万〜30万円とかなりの高値です。
大きな目と耳が特徴です。またフクロと名前がつく通り、メスのお腹に袋がありその中で子供を育てます。大人になるとオスの額は臭腺の影響でハゲてきます。
生態
臭いで仲間を識別する習性があるため、オスメス共に独特の臭いがします。オスの方が臭いが強いです。オス一匹にメス数匹の小さな群れで暮らしています。複数飼育したい場合はペアか仲の良いメス同士にしましょう。オス同士だと喧嘩してしまいます。
暑さに強く、寒さに弱いですので冬は保温が必須です。常に25〜28°Cくらいに保ってあげましょう。赤ちゃんの場合30°C以上必要です。夜行性なので日中は寝ていることがほとんどです。
餌の与え方
野生では花の蜜、樹液、果物、昆虫を食べて生活してきます。動物食の強い雑食性の生き物です。飼育下では、フクロモモンガ専用のペレットが販売されているので利用すると栄養バランスがとりやすくおすすめです。
ペレットを中心に、副食として果物、野菜等植物性のものと、ミルワーム、煮干、チーズなど動物性たんぱく質を与えましょう。
甘いものを好むので、昆虫用のゼリーを与えると喜ぶ子が多いです。好き嫌いが激しく、果物など甘いものばかり食べてペレットを食べない子が多い傾向があります。
ペレットに果汁を染み込ませて食べさせたり、ペレットを食べてからでないと果物を与えないようにしつけるなど、バランスよく食べてもらう工夫が必要です。
なつきやすさ
赤ちゃんの頃から人の手でミルクを与えて育てると、とてもよく懐きます。ミルクはシリンジで飲ませるか、無塩のパンに染み込ませて吸わせると良いです。馴らすためには必ず手に乗せて与えましょう。
赤ちゃんの頃は慣れていても、臆病な性格なのでスキンシップを怠るとすぐに警戒されてしまいます。毎日スキンシップをとってあげましょう。
臭いで仲間を識別するので、ケージに飼い主さんの匂いがついたものを入れておくと、馴れてくれやすくなります。良く馴れた子は飼い主さんの服のポケットの中で寝るようにまでなり、その姿はとても可愛いですよ。
アメリカモモンガ
出典:有限会社プラスト
大きさや生息地
齧歯目リス科アメリカモモンガ属の動物です。リスの仲間ですが、リスとは違い皮膜があり滑空することができます。
体長は13〜15㎝、体重45〜113g程です。フクロモモンガと同じくらいの大きさです。カナダ南東部、アメリカ、メキシコなどに生息しています。
寿命
野生での寿命は約5年と言われていますが、適切に飼育すれば10年は生きられるようです。
販売価格
出典:ピュアアニマル
15000円〜3万円程です。ワシントン条約により輸入規制がされているので、国内で繁殖させた個体のみが販売されています。
生態
見た目は一見リスのようですが皮膜を持ちます。他のモモンガと比べると目が小さいのが特徴です。単独生活をする生き物ですので複数飼育は向きません。一匹で飼育しましょう。
完全な夜行性なので、日中はずっと寝ています。神経質な性格なので、ゆっくり休めるように必ず巣箱を用意してあげてください。スキンシップをとるのは必ず夜にしましょう。
体臭も排泄物の臭いもほとんどしないので掃除は楽です。体が丈夫な子が多く、飼いやすい種類です。しかし野性味の強い生き物なので急激な温度変化に注意し、少しずつ暑さ、寒さに慣らしていってください。
餌の与え方
野生では木の実、種子、果物、昆虫などを食べて暮らしています。雑食性の生き物です。飼育下では、リス用やハムスター用のペレットを中心に、ナッツ類、果物、野菜と、ミルワームや煮干やチーズなどの動物性たんぱく質を与えましょう。
フクロモモンガ程動物性たんぱく質や花蜜を必要としないので、フクロモモンガ用のペレットだとバランスが崩れてしまいます。食性はリスやハムスターに近いので、リス用、ハムスター用がおすすめです。
なつきやすさ
とても臆病で神経質な動物なので、人に懐きにくいです。赤ちゃんの頃からミルクを与えて育てると馴れる子もいるようですが、あまり期待しない方が良さそうです。
ストレスを与えないように少しずつ根気強く馴らす必要があります。
タイリクモモンガ
大きさや生息地
齧歯目リス科モモンガ属の生き物です。日本に生息するエゾモモンガもタイリクモモンガと同じモモンガ属なので、ペットとして飼われていたタイリクモモンガを万が一逃してしまうと、エゾモモンガと交配してしまう可能性あります。
そうなるとエゾモモンガの絶滅が考えられるため、タイリクモモンガは特定外来種に指定されたのです。体長は12〜22㎝、体重130g程です。他のモモンガより少し大きめです。ロシア、シベリア、アジア北部に広く生息しています。
寿命
野生での寿命は3〜5年ですが、適切に飼育すれば10年は生きられるようです。
販売価格
販売が禁止されていますので、購入することはできません。譲渡も禁止されています。
生態
出典: – HUMMER ハマ吉とBassetHound 銀次郎と・・・ –
単独生活をしている生き物です。性格は自由奔放で、かまってほしいときにだけ甘えてくる子が多いようです。神経質な性格で、ストレスで死んでしまうこともあるようです。寒さに強い生き物ですが、急な温度変化には注意が必要です。
食べるもの
野生では種子、木の芽、果物、きのこなどを食べて生活しています。植物食の強い雑食性の生き物です。
飼育下ではアメリカモモンガと同じ食事で飼育できますが、アメリカモモンガよりも動物性たんぱく質は必要としません。果物も好まない子が多いようです。
なつきやすさ
神経質な性格なので馴れるまでに時間はかかりますが、驚かせないようにゆっくり少しずつスキンシップをとれば馴らすことは可能です。アメリカモモンガよりは馴れやすいです。しかし馴れても飼い主さんとはある程度の距離を保ちたがる傾向があるようです。
いかがでしたでしょうか?モモンガとスキンシップを取りたい方はフクロモモンガ、掃除や臭い対策が苦手な方にはアメリカモモンガがおすすめです。
どちらのモモンガにしても、今後タイリクモモンガのように飼育が禁止されることのないよう、絶対に逃さないように責任を持って飼育しなければいけませんね。