ナンヨウハギのペットとしての飼い方、販売価格、寿命、混泳、餌の与え方、費用、大きさ、飼育環境、水槽、水温について紹介します。。神秘的なほどディープなブルーに黒と明るいイエローカラーがアクセントとなっているマリンアクアリウムのアイドル的な存在のナンヨウハギ。
カクレクマノミ同様に有名なアニメ映画の登場人物として一躍大人気となり、お迎えする人が急増している種類でもあります。ただナンヨウハギは海水棲の熱帯魚なので純淡水のように手探りで飼育するわけにはいきません。
ナンヨウハギの特徴とは?
出典:海水魚の飼育と種類
大きさや生息地
太平洋やインド洋など温暖な地域に幅広く生息する非常にメジャーな熱帯魚です。
野生下では群泳している姿を観察できるように同種間の複数飼育や異なる種類の熱帯魚とも混泳させることができるアクアリストにとって嬉しい特徴を持っています。体長は最大で30cmほどにまで成長しますのである程度大きな水槽で飼育することをお勧めします。
気になるカクレクマノミとの混泳については同時に導入するとナンヨウハギの方は成長が早く気性が荒くなるので、カクレクマノミとイソギンチャクを先にお迎えしてから十分に成長した頃合いでナンヨウハギの稚魚をお迎えすると良いでしょう。
ただし相性はあまり良いとは言えないので様子を見ながら飼育する必要があります。
販売価格
ナンヨウハギの平均的な販売価格は約3000~4000円となります。流通量も比較的多く海水魚を取り扱っているショップで見かけないことは滅多にありませんが、人気のため価格は少し高めに設定されているようです。
寿命
ナンヨウハギの平均的な寿命は約10年です。白点病などの病気に気をつけて上手に飼育していると20年程度生きることもあるようです。
ナンヨウハギ飼い方
飼育環境
飼育水槽は90cm規格以上の大型水槽で管理するようにします。60cm規格水槽で大きく成長させないように給餌量を減らして水温を低めに設定することでも飼育は可能ですが、病気になりやすい個体になるので長生きは期待できないでしょう。
ナンヨウハギは特に白点病になりやすい特徴がありますので、導入時の水合わせと温度合わせを丁寧に行うことはもちろん、水質悪化や急激な温度変化に気をつける必要があります。
管理水温は25℃前後にして冬季はヒーター、夏季はクーラーで調節してください。隠れ家に関しては必要に応じてライブロックや石で作るようにします。
お迎えして初日は環境が変化することでストレスが溜まっている状態にありますので、給餌は控えて翌日から与えるようにします。
本種は植物を好んで摂食するのでクリーナー生体として貝類やヤドカリを導入しても問題ありません。酸欠に弱い面があるのでエアレーションを十分に行うことが大切です。ろ過装置はなるべくオーバーフローなど濾過能力の高いものを使用しましょう。
餌の与え方
出典:ダイブショップ サンライズ
ナンヨウハギの食性は雑食で生餌から植物まで摂食します。飼育下では植物性の配合飼料をメインに与えて冷凍イサザアミや肉食魚用の配合飼料を補助的に与えると調子良く飼育することができます。
給餌頻度は稚魚の頃に毎日食べるだけ与えて成長を促し、成魚になると1~2日に一度程度に減らします。特に魚類は給餌頻度を減らして適度なストレスが加わる環境が最も健康的で長生きすると言われています。
混泳の相性
生息地では群泳する姿が観察されるように複数飼育は可能です。ただし2~3匹で飼育した場合は弱い個体がいじめられてしまうことが多いので、複数飼育する場合は5匹以上にすることをお勧めします。
またニザダイ科に属するキイロハギやニジハギなどの近縁種とは相性が悪いので避けるべきです。大きさが同じくらいの他の熱帯魚とは問題なく飼育することができます。
ナンヨウハギよりも大きな魚との混泳は可能ですが、逆に小柄な魚との混泳はナンヨウハギがストレスを与えてしまうことが多いので避けたほうが無難と言えます。
初期費用と維持費用
初期費用は最低でも3万円程度は必要です。理想的な環境を整えると10万円前後かかることもしばしまあるでしょう。維持費用は月々1000円前後となります。
飼育上で気を付けること
ナンヨウハギの黄色い尾ヒレには毒のあるトゲがありますので、水換え時には十分に気をつけてください。白点病に感染した際は1日1℃程度水温を上昇させて30℃近くにまで上げることで症状が改善されることが多いようです。
薬浴をする際は基本的に飼育水槽に薬を投与するようにしますが、白色のサンゴ砂やライブロックに薬剤の色が付いてしまうので注意しましょう。
生息地ではサンゴ周辺を群泳していることもありリーフタンクで飼育することも可能ですが、ニシキテグリをはじめとするネズッポ科との相性は良くありませんので混泳させる場合は様子を見ながら行いましょう。
まとめ
人気映画の影響で一躍有名になったナンヨウハギ。作品内ではカクレクマノミと仲良く旅をする光景が見られるので一緒にお迎えしたくなる気持ちはわかりますが、混泳させる際はある程度の知識と技術が必要となりますので単独飼育をお勧めします。