テレビでジャイアントパンダを見ることはよくありますが、実は日本の動物園でジャイアントパンダに会えるのは3箇所だけなんです。知ってました?
世界でも日本でもとても貴重な世界三大珍獣のジャイアントパンダの生態や子育て、誕生秘話などをまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
ジャイアントパンダについて
白と黒のモノトーンカラーが印象的なネコ目クマ科ジャイアントパンダ属の動物です。一般的に日本ではパンダと呼ばれていますが、正式名称は「ジャイアントパンダ」と呼びます。
レッサーパンダと名称が共通しているためジャイアントパンダとレッサーパンダは仲間だと思う方も多いかと思います。
歴史上、類縁関係にあると考えられていたものの、研究によって現在では類縁関係は否定されていて、両者を同じグループとして見做す生物学的な根拠は存在しないと考えられているようです。
つまり、ジャイアントパンダとレッサーパンダは仲間ではないよという事になります。
名前の由来とは?
ではなぜ「パンダ」と呼ぶのかというと、パンダをネパール語で竹を意味する「ポンヤ」に由来していると言われています。また、手のひらを意味する「パンジャ(panja)」に由来するという説もあるそうですよ。
元々は先に発見されたレッサーパンダの事をパンダと呼んでいたようなのですが、後にジャイアントパンダが発見された事により小さいを意味するレッサーがレッサーパンダ、そして大きいを意味するジャイアントがジャイアントパンダと呼ばれるようになりました。
ちなみに、中国語でパンダを熊猫と呼ぶのは有名ですよね。ジャイアントパンダは大熊猫と呼ぶそうです。レッサーパンダは小熊猫だとか。
パンダの誕生秘話
パンダは人間よりも300万年以上も前から存在していたと考えられ、約170万~1万年前の気候変動によって絶滅した何百種類もの動物の生き残りとも言われているそうです。
今から約800万年前に地球上に熊のような動物が出現し、この動物が原始パンダと呼ばれるパンダの始まりです。
その後、中国の中部・南部で進化を続けた一種が現在のパンダの祖先となり、今とは違い活発で太った犬のような体で高速で走ることもできたと考えられています。
しかし、今から約200万年前に地球的に氷河期が出現し、その後パンダは中国の南部へと逃れ生息面積も小さくなり、これ以降パンダは山深い場所でひっそりと暮らすようになりました。
ジャイアントパンダの生息地はどこ?
ジャイアントパンダは中国南西部の四川省や甘粛省や陝西省などの一部の地域に生息しています。
標高2500m~3500mの湿った竹林のある山岳地帯に生息していて、涼しいところを好むため夏になると標高4000m辺りまで登ることもあるそうです。
大きさなどの特徴
ジャイアントパンダの体長は約120cm~150cmでオスの方が少し大きいようで、体重は約70kg~130kgほどです。そして短い尻尾があるのを知っていますか?この尻尾の長さは約10cm~20cmほどで色は「白色」です。
パンダの尻尾を黒だと勘違いする人も多いようですが、尻尾は決まって白なので忘れずに覚えておいてくださいね。
モノトーンカラー
そして一番の特徴はあのお顔ですよね。オス・メス共に目の周りと耳、四肢、そして肩から前脚にかけては黒くなっていて、それ以外の部分は白色をしています。
この白は実は無色透明で光の反射によって白く見えているそうですよ。
目の秘密
ジャイアントパンダの目の周りは黒くなっていますが、この黒い縁がないと実はジャイアントパンダの目はとても小さく鋭い目つきをしています。
目の周りが黒いことで実際の目も大きく見え、タレ目効果があるようですが、黒い縁を外すとホッキョクグマにそっくりになるんですよ。
さすがクマ科といったところでしょうか。
実は手を器用に使っている
他のクマ科の動物は物を掴むことは出来ないのに対し、ジャイアントパンダは器用に笹などを掴むことができます。これは、手首から長く伸びた指状の突起を使って物を掴んでいるためです。
ジャイアントパンダがエサを食べているところをよく見てみると、器用に使っているのが分かりますよ。
生態について
ジャイアントパンダはオカピ、コビトカバと同じく世界三大珍獣として知られています。ですがジャイアントパンダも近年では生息数が激減していて、今では絶滅危惧種として指定されてしまっています。
エサはなに?
ジャイアントパンダのエサは笹のイメージがありますが、笹以外にも竹・タケノコ、果物、昆虫、小型の動物なども食べるようです。
春はタケノコ、夏は笹、冬は茎など、季節によって食べるエサを変えるなどしているそうですよ。また、ジャイアントパンダは消化器が植物に適応していないため消化率は悪く、1日の大半を採食に費やして時間をかけゆっくり消化していきます。
薄明薄暮性
ジャイアントパンダは昼夜共に活動をしますが、特に明け方や夕方になると活発に動き回ります。このように明け方や夕方などに活動をすることを薄明薄暮性と呼び、多くの動物に見られる性質です。
特に野生下で肉食動物に襲われやすいウサギ・ヘラジカ・ネズミ・フェレット・ネコ・イヌ・カピバラなどが挙げられます。
マーキング行為
ジャイアントパンダは基本的に単独で生活をしている動物です。繁殖期以外では群れや家族を作る事があまりなく、オスは鋭い嗅覚で他のオスとの衝突を避けるようにしていると言われています。
ジャイアントパンダのマーキング行為として見られる行動は、肛門線からの臭いや尿、木に爪の引っかき傷を残すなどして縄張りを確保しているようです。野生下では餌のなわばりが重複するような地域は、時間帯をずらすことで無駄な闘争を避けています。
冬眠する?しない?
ジャイアントパンダはクマ科ですが他のクマとは違い冬眠をしません。冬になると標高の低いところに降りてきて生活をしているようです。
繁殖期について
ジャイアントパンダの繁殖は非常に難しいことで有名です。繁殖期は1年に1回で3月~5月頃です。しかし遅延着床があるため妊娠期間は80日~180日とかなり幅があります。
また、メスの発情期が3日~7日しかないためタイミングを合わせる事が難しい事や、交尾の仕方を知らないジャイアントパンダが多いという事もあるそうです。
出産
出産の多くは8月~9月に見られる事が多く、通常1度の出産で産むのは1頭または2頭がほとんどです。
生まれたばかりの赤ちゃんは体重が100g~150g程しかなく、体長は約15cmで全身が薄いピンク色をしています。そして生まれたばかりの時はまだ目が開いていません。
育児放棄の理由は?
ジャイアントパンダが育児放棄をする事も有名な話ですよね。双子の赤ちゃんを出産しても、ジャイアントパンダの母親が育てるのはどちらか1頭のみです。
元々ジャイアントパンダの母親は2頭を育てる気がなく、生まれてきた2匹のうち世話をするのは大きくて元気の良い方だけだそうです。もう1頭の生まれてきた赤ちゃんは大きい方のスペアでしかなく、母親も2頭育てるだけの母乳が出ないため育てるのは1頭だけのようなんです。
そのため、動物園で生まれた双子の赤ちゃんは飼育員さんが人工飼育で育てるなどして、頃合を見て2頭をすり替えながら、母乳をどちらにも飲ませて育てています。
生後2~3ヶ月頃までこれが続けられ、その後2頭同時にお腹に乗せて母親のジャイアントパンダに育てさせるそうです。
成長と寿命
ジャイアントパンダは生後3週間程で目が開くようになり、成長するにつれて、あの特徴的な白黒模様が出るようになります。だいたい1ヶ月程度で親と同じ体色になりますが、生後3ヶ月頃まではハイハイもできないみたいです。
授乳期間は8ヶ月~12ヶ月あり、1年半~2年程度で親離れをします。そしてジャイアントパンダの寿命は野生下では15年~20年程度。飼育下では25年~30年程度のようです。
ペットで飼うのは不可
ジャイアントパンダをペットとして飼うことは、もちろん出来ません。ワシントン条約で規制対象となっているため個人での取引が禁止されているためです。
どうしてもパンダに会いたい!という場合は、日本の動物園で飼育されているパンダに会いに行きましょう。
ジャイアントパンダに会える日本の動物園はどこ?
上野動物園
一番有名なのは、東京都の上野動物園ですね。昭和47年に日本に初めてジャイアントパンダがやってきたのはこの上野動物園です。
2017年にはジャイアントパンダの赤ちゃんも誕生しました。お披露目はまだ出来ないそうですが、すくすくと元気に育っているようですよ。
神戸市立王子動物園
この神戸市立王子動物園にもジャイアントパンダがいます。ジャイアントパンダの旦旦(タンタン)が22歳になり、誕生日会が行われるなど、とてもたくさんの人からお祝いのメッセージも寄せられたそうです。
和歌山アドベンチャーワールド
遊園地・動物園・水族館が一体になった日本でも有名なテーマパークにも、ジャイアントパンダがいますよ。
ジャイアントパンダの永明が25歳になり、誕生日会が行われたそうです。高齢の永明ですがまだまだ元気いっぱいに過ごしているそうですよ。
まとめ
日本国内でもジャイアントパンダが見られる場所は少なく、今はまだ3箇所しかありません。この貴重なジャイアントパンダ、ぜひとも1度は直接見てみたいものですよね。