動物園で見かけるプレーリードッグは、ペットとして飼えるということはあまり知られていません。プレーリードッグ自体が18万円〜50万円と高額なせいかもしれません。
これは2003年以降アメリカからの輸入を禁止され、それまでに国内で飼われていた子孫のみの繁殖となっているせいです。しかし、SNSなどで時々里親探しに出ていることもあるようです。
日本では茶色の体毛に尻尾が黒い、オグロプレーリードッグが多いので、このオグロプレーリードッグをペットとしてお迎えすることに焦点をあてて紹介していきます。
プレーリードッグについて
性格
プレーリードッグは短い手で器用に餌を持って食べたり、ずんぐりとした体型でどっしりと座っている姿がコミカルで何とも言えず可愛らしい生き物です。
性格は寂しがりやで、かまってあげないとストレスを溜めてしまいます。
ゲージから出して遊んであげないと、鬱になったり病気になったりするところは、何だか人間のようで放っておけません。
野生では地中に穴を掘って数十頭の仲間と暮らしていますが、すれ違う時には挨拶のキスをしたり何らかのコミュニケーションをとります。
仲間を大切にする健気な生き物なんです。基本は活動的でよく動き回り元気で撫でられるのが大好きなんです。 抱っこも大好きなので自分から膝の上に登ってきたりします。
良く見ていると表情が豊かで、嬉しい時には目を細めたり、怒っている時は尻尾がブラシのように膨らんだりします。プレーリードッグは土が大好きなので、ハーネスを付けて外に散歩に行く飼い主さんもおられるようです。
一緒に外に出られるのも、ペットとしてのプレーリードッグの魅力と言えるでしょう。散歩の際は犬などの危険が無いかよく確認して、静かな公園などを選んであげてくださいね。
リチャードソンジリスという動物はプレーリードッグを少し小さくしたような子です。きになる方はこちらを。
販売価格・飼育費用
まず、プレーリードッグ自体が約20万円前後の生体が比較的多いようです。
プレーリードッグ自体の数が少ないので、ペットショップでは出会えないことも多く、大体のケースはインターネットで繁殖家さんから購入するという方法がほとんどです。
1月から4月が繁殖期で、春先にベビーに出会えるチャンスがあります。生後1ヶ月は母乳で育つため、お迎えするのはそれ以降になるようです。準備するものは、
- ゲージ6,000円〜
- 木製の巣箱3,000円〜
- スノコ2,000円〜
- 床材900円~
- 陶器製の重さのある餌箱300円~
- ボトル式の給水器800円~
- 砂浴び容器2,000円~
- 砂400円~
- トイレ700円~
- 主食のペレットや牧草などの餌代4,000円~
ゲージ選びは重要で、立ち上がる高さと動き回るための広さを兼ね備えたものが理想です。プレーリードッグ専用飼育ケースというものもありますが、約90,000円と高額です。
広めの犬用ゲージでも代用できますが、床が網だと怪我をするのでスノコを敷かなればいけません。その上に牧草や巣材を敷き詰めます。生体が高いため、初期費用は安めに揃えても、合計で22万円はかかります。
毎月の飼育費用は餌代の2,000円ほどですが、温度変化に弱いため季節によっては空調代がかかります。
寿命・生態
体長は28〜33センチで、寿命は7〜8年とされていますが、環境によりもっと長生きするプレーリードッグもいるそうです。昼に活動する為、日中はしっかり運動させて、1日に数十分の日光浴が必要です。
紫外線を当てることで体内にビタミンDを生成でき健康に過ごせます。ゲージにひとりぼっちで暮らすことにストレスを感じます。1日一回はゲージの外に出して遊ばせてあげてください。
二頭で飼育することもできますが、赤ちゃんの時からメス同士で飼育している場合に限ります。オスは繁殖期になると凶暴化して縄張り争いをするので一頭飼いにしなければいけません。
オスでもメスでも冬の間の繁殖期はいつもよりも神経質になっており、飼い主さんが指を噛まれることも良くあります。過剰なスキンシップは避けて、ゲージ外で遊ぶ時もそっと見守りましょう。
掃除などのお世話をする時には軍手やゴム手袋をつけた方が安全です。
砂浴びが大好きなので、綺麗な砂をゲージに用意してあげてください。基本的には水が苦手なのでお風呂には入りません。砂浴びで体毛を健康に保ちます。
プレーリードッグの飼い方
餌の種類と頻度
ラビットフードが主食です。ほうれん草、しょうが、ねぎ、にんにく、ジャガイモ以外の野菜なら食べられますが、糞の状態が水っぽいなら控えた方が良いです。
小松菜、とうもろこし、にんじん、きゃべつなどは少量なら問題ありません。果物、木の実も食べますが、プレーリードッグは太りやすいので与えすぎに注意です。
朝一回の餌やりで、前日の残しは捨てて衛生状態に気を付けて下さいね。水は小動物用のボトル式のもので、毎日替えてあげてください。
寒いと仮死状態になる
オグロプレーリードッグは暑さ寒さに弱いので、温度管理が必須です。クーラーやペットヒーターを使って20〜28度を保たなくてはいけません。
特に冬場は、15度を下回ると仮死状態になるので気を付けて下さい。オグロプレーリードッグは冬眠しないので、眠ってばかりの仮死状態になると危険です。
すぐに温めてあげてください。お風呂が苦手でないならお湯につけてあげるのも有効です。
震えて動かない姿を見るのは飼い主にとってとても心配ですが、すぐに気がついたなら、大事には至りません。体が温まると何事もなかったかのように動き回ります。
かかりやすい病気
プレーリードッグを診察できる動物病院は現在、あまり多くありません。買う前にインターネットで調べておく事をお勧めします。
健康な時に、定期的に健康診断に訪れておく事も大事です。その際には伸びやすい爪を切ってもらいましょう。
げっ歯類なので歯が伸びます。伸びすぎると不正咬合となり、食欲が無くなってしまうので注意が必要です。齧り木をゲージの中に入れて歯の伸びすぎを防ぎましょう。金属製のゲージを齧りすぎて歯茎の病気になることもあるようです。ゲージの内側にバリケードを作るのも手です。
食中毒やストレス、寄生虫、細菌感染で下痢になることもあります。ゲージの中は掃除で清潔に保って下さい。尿路結石、細菌が原因の膀胱炎も注意です。ピンク色の血尿が出たら、急いで病院へ連れて行って下さい。
鼻水、目やに、くしゃみなどの風邪の症状も出ることがあります。
夏、冬に毛が生え変わるためブラッシングして皮膚も健康に保ってあげてください。コミュニケーションにもなって気持ち良さそうな表情も見せてくれるでしょう。
プレーリードッグをお迎えしたばかりの頃は、環境の変化に驚いて懐いてくれませんが、1週間くらい経つと少しづつ遊ぶことができます。
家族と認めてくれると甘えてきたり、撫でるとウットリした表情をしたり、手から餌を食べてくれたりととても可愛らしい仕草で癒されます。生態と特徴をしっかりと理解して、プレーリードッグとの生活を楽しんで下さい。