残念ながら十数年前にCITES付属書Ⅰに掲載されたことで国際取引がされなくなったロゼッタカメレオンですが、一応は商取引を目的とした繁殖個体は取引可能なようです。
そこで今回は幻のペットのロゼッタカメレオンをお迎えする前に知っておくべきことをご紹介したいと思います。
ロゼッタカメレオンの特徴とは?
出典:http://www.hiropark.com/Lizard/rozetachameleon.htm
生態や生息地
ヒメカメレオン属の最大種として知られるロゼッタカメレオンは全身にかけてトゲが並んだ特徴的な容姿をもつカメレオンです。マダガスカルの森林に生息しており昼夜の温度差が激しい環境に適応できる強い生命力があります。
森林は基本的に湿度の高い空間なので、温度差が激しいと変温動物のカメレオンの体表に結露が生じます。それを利用してロゼッタカメレオンは水分補給をしているそうです。
落ち葉や樹木など茶色いものに擬態することが多く、トゲの並んだ身体でより一層自然の中に溶けこみます。
ロゼッタカメレオンの魅力
今となっては国際取引が禁止されてしまいお目にかかることがなくなりましたが、カメレオンの中でも変わった見た目が魅力的です。トゲトゲとした身体は本種特有の特徴で人気の理由の一つだったようです。
ただデカリーヒメカメレオンというロゼッタカメレオンと同じくヒメカメレオン属の一種は小さなトゲトゲを持ち、ショップで販売もされているようです。
どうしてもロゼッタカメレオンを飼育してみたい方は、デカリーヒメカメレオンもチェックしてみてはいかがでしょうか。
販売価格
出典:あいラボ
現在は取引しているショップを確認できないため価格は不明です。飼育下繁殖により個体数が増加すれば輸出入が許可されるかもしれませんが、基本的にお目にかかれることはありません。
仮に販売されていても密輸個体か別の種類なので購入するべきではありません。
初期費用と維持費用
仮にお迎えするとすれば通常のカメレオン飼育と同様に20万円近くは必要です。ただ寿命が5年前後と短いため生涯飼育費用はそこまで高くはありません。
湿度・温度管理で電気代がそれなりに必要なので、あらかじめ30万円ほど準備してからお迎えすると良いでしょう。
ロゼッタカメレオンの飼い方
出典:http://www.hiropark.com/Lizard/rozetachameleon.htm
飼育環境
木の上で生活するため高さのある風通しの良いケージを選びましょう。登りやすいように枝状の複雑に入り組んだ登り木をレイアウトして立体的に移動できるようにします。
水は基本的に動いている状態しか認識できないので水入れにエアレーションをするか滝や川などポンプで水を循環させる必要があります。
水量が少ないと雑菌が繁殖しやすいので2日に一度はカルキを抜いた新しい水と交換します。
観察していて水分補給しない場合はスポイトで強制的に給水する必要がありますので、日頃からよく観察しておきましょう。湿度調節のために毎日3回ほど霧吹きを行います。
密閉された環境では湿度管理が楽なのですが、カメレオンは蒸されると体調を崩してしまう個体が多いので通気性の高いケージを選ぶべきです。エアコンで温度調節をすることが多くなりますので、念の為に加湿器を使用しておくことをお勧めします。
飼育をしているとケージ内にカビが発生したり糞尿によりかなり汚れてきますので、月に一度はケージをすべて丸洗いするといいでしょう。カビが発生してしまうと胞子が飛んでしまいお部屋にも影響を及ぼしかねませんので注意しましょう。
カメレオン飼育は頻繁にお世話をする必要がありますので、根気よく続けられるかがポイントとなります。紫外線ライトはそれほど強いものでなくても良いので設置しましょう。
温度は昼夜で異なり、昼は28℃前後にまで温めて夜は20℃以下にまで下げます。床材に関しては保湿性のあるヤシガラやミズゴケ、新聞紙などを活用するといいでしょう。
餌の与え方
餌は基本的に他のカメレオンと同じくコオロギやミルワームなど昆虫類を中心に与えるといいでしょう。樹上棲なのでピンセットで活餌を挟んで与えるといいでしょう。
ケージの近くにコオロギやデュビアの飼育ケースなどチョロチョロと動くものを置いておくとストレスになって弱ってしまうので、餌の管理はケージから見えないところで行います。
同じ活餌ばかり与えると飽きて食べなくなりますので定期的に違う餌を与えるといいでしょう。夏季や秋季などは自宅の近くでバッタやコオロギを捕獲できますが、農薬や除草剤が含まれている可能性があるため念のために与えるのは避けましょう。
まとめ
ワシントン条約締約国会議の結果、CITESⅠに掲載されてしまい流通することがなくなってしまった幻のロゼッタカメレオン。
僅かながら飼育下繁殖個体に限っては商取引可能なようですので、個体数が増加することを祈るばかりですが、カメレオンは繁殖が難しいことで有名なので望み薄でしょう。
しかし、デカリーヒメカメレオンをはじめ魅力的なカメレオンがまだまだ沢山流通していますので、きっと自分にマッチした種類がいるはずです。