ほっぺの部分が風船のように大きく膨らんでいることから鑑賞性が高く人気のスイホウガン。観賞用の金魚のなかでも需要が高く一般的な総合ペットショップにも在庫があることの多い金魚です。
特殊な見た目をしていることから飼育が難しそうなイメージのあるスイホウガンですが、しっかりとした知識を身につけることで長期間の飼育が可能となります。スイホウガンをお迎えする前に知っておくべきことをまとめてご紹介していきたいと思います。
スイホウガンとは?
出典:横浜の熱帯魚屋さん
眼球が上向きにデザインされ、ほっぺは風船のような大きく膨らんだ袋状になっている珍しい容姿をした金魚です。
背ビレはなく全身を左右に揺さぶりながら泳ぐ姿はとても愛嬌があり、鑑賞性に優れていることから流通量も多く手軽な価格で入手することができます。
海外では背ビレのある種類も流通しているようですが、国内ではあまり流通していないのでかなり高額になると予想できます。
色の種類
メジャーなカラーとしては赤色と白色のものが存在し、両者が混色したデザインの個体も多く流通しています。
希少性のあるカラーとしては茶色や黒色のものも流通しており、やや値段が高く設定されていることが多いようです。
混泳
出典:横浜の熱帯魚屋さん
特殊な身体の構造上動きが遅く和金やコメットなどの素早い金魚や他種の魚との混泳には向いていません。
主な理由としては餌を先に食べられてしまい飢餓に陥る可能性があることや突かれたり威嚇されるなどいじめられてストレスを溜め込んでしまうことが挙げられます。
また、ぶつかった時にほっぺの風船が破裂してしまうことがあり、一度破裂してしまうと元には戻らないため基本的には単独飼育するものです。
販売価格
色合いによって大きく価格がことなってくることに注意が必要です。赤色や白色などのメジャーな色合いの個体は500~2000円程度と安価で取引されていますが、黒色や茶色のような珍しい色合いの個体は5000円~数万円という高値で取引されています。
また、身体のバランスが整った個体はより高値で取引されることがあります。一般的な総合ペットショップや熱帯魚を取り扱うショップでも販売されていますが、珍しい色合いの個体はなかなか在庫がありません。
通販サイトでも入手することができますが、トラックで長距離移動するためその間に壁に強くぶつかってほっぺの風船が破裂してしまうことも考えられるのであまりオススメはしません。
寿命
スイホウガンの寿命は5年程度です。和金など40年近く生きる種類もいることは確かですが、スイホウガンは特殊な構造上それほど長生きはしません。
ただし、中には10年以上生存している個体もいるため病気に気をつけて飼育してあげてください。
スイホウガンの飼育方法
出典:That Day is Done
スイホウガンは基本的に単独飼育を心掛けてください。ただしアカヒレなどの小さな小魚や石巻貝などの貝類との混泳は問題なく行えます。
水槽の大きさは60cm規格水槽であれば終生飼育が可能です。レイアウトはなるべくシンプルにするようにして、排泄物処理や止水域ができることを考えてベアタンクで飼育することをお勧めします。
購入したままの水槽は底がガラス張りになっており照明の照り返しがキツイので、黒塗りするか元々黒い底の水槽を選ぶようにしてください。
フィルターに関しては泳ぎが得意でないスイホウガンは水流が強いと都合が悪いので、なるべく水流を強くしない工夫が必要です。
投げ込み式フィルターでも問題なく飼育できることが多いようですが、稀に袋が破裂するきっかけとなるため外部フィルターや上部フィルターを使用したほうが安心です。
よく熱帯魚や日淡などの魚類を飼育する際は必ず蓋を閉めるように言われますが、本種はジャンプ力が弱く滅多なことでは飛び出し事故に繋がらないので蓋を使用しなくてもいいでしょう。
餌の種類はなるべく浮遊性のものを選ぶようにしないと、沈下性の餌は風船状のほっぺが邪魔で上手く食べられないので注意しましょう。
よく金魚鉢で飼育される方を見かけますが、金魚鉢はフィルターを入れる隙間がなく止水で飼育しなければならないため水質悪化がひどく頻繁な水換えによって皮膚にダメージを与えてしまうので長生きはしないでしょう。
クリーナー生体としてシュリンプ類を導入されることがありますが、和金などの素早い種類は捕食してしまう一方でスイホウガンは捕食できるほど俊敏にうごけないので上手く共存できることが多いようです。
ちなみに非常に稀ですが破裂した袋がもとに戻る個体も存在するそうです。
なりやすい病気
導入時や急激な水質・水温変化によって白点病を罹患することが多いため、注意が必要です。もし白点病が見られた場合はすぐにメチレンブルーで薬浴をさせて様子を見るようにしてください。
またカラムナリス等の細菌類に感染することでヒレがボロボロになったり呼吸困難に陥ることもあるため、特に水質悪化には注意しましょう。
治療方法としては塩浴やグリーンFのような細菌類に有効な治療薬を使用します。