半透明の体色を基調に赤色のタテシマ模様が入った鑑賞性の高いスカシモエビ。日本にも限定的に生息していることもありダイバーにとってスカシモエビを観察することが一つの目的となるほど人気があります。
もちろんその美しい容姿からマリンアクアリストからも絶大な支持を受けていて需要の高いシュリンプの一種と言えるでしょう。スカシモエビをお迎えする前に知っておくべきことを余す所なくご紹介したいと思います。
スカシモエビの特徴とは？
西側の太平洋に生息する全長3cm前後の小型シュリンプです。観賞魚水槽ではスカシモエビが小さすぎて捕食されてしまう可能性が高いので単種飼育か貝類、同サイズの別種シュリンプとの混泳に適しています。
水流が穏やかな場所を好み野生下では岩の隙間や藻類に隠れて過ごしています。導入時にしっかりと水合わせができれば丈夫な種類なので初心者の方にも安心してお迎えしてもらえる生体となります。
販売価格
スカシモエビの価格は約1500~2000円です。同時購入個体数が多いほど割引率が大きくなる傾向にあるのでお迎えするときは数匹購入するとお得です。
海水生物を取り扱うアクアショップでは展示されていることが多く、ネット通販でも購入できるので比較的入手しやすいでしょう。ただ実際に足を運んでも在庫がない場合があるので店舗のホームページで入荷情報を確認してみることをお勧めします。
寿命
スカシモエビの寿命は飼育下で約1年です。
環境が整っていれば2~3年程度は生きてくれますが小柄な体型のため一度体調を崩してしまうと回復が望めないため普段のお世話が大切となります。
スカシモエビの飼い方
飼育環境
基本的に隠れ家さえ準備できれば一般的な海水水槽で終生飼育することができます。隠れ家は脱皮時に身体が柔らかくなるため他の生体に襲われないように身を潜める場所となります。
殺菌灯などはスカシモエビの餌となるコケや微生物が死滅してしまうので導入しないほうが良いのではないでしょうか。フィルターは生物ろ過中心のものを使用するとメンテナンスしやすく管理が楽なのでオススメです。
スカシモエビは体力がないので病気になったり怪我をしたときは脱皮時に回復するように見守るくらいしかできません。メチレンブルー等の薬浴に使用される薬は甲殻類にとって非常に有害なので使用は控えましょう。
基本的に丈夫な種類ですが極度の低温と高温に弱いので冬季はヒーター、夏季はクーラーを使用してください。
外気温と水温との差が大きいと水の蒸発量が多くなりますので塩分濃度に注意して足し水をしてください。
水換え頻度は水槽が小型になるほど頻繁に行う必要があるので、目安として30cmキューブ水槽で週に1度、60cm規格で2~3週間に一度3分の１程度換水します。
餌の与え方と頻度
ライブロックや底床についたコケや微生物などを食べてくれますが、週に1~2回ほど人工飼料を与えておくと飢え対策になります。あまり高頻度に人工飼料を与えていると水槽内を掃除してくれなくなるので様子を見ながら与えます。
市販のシュリンプタブレットは一粒が大きいので一度の給餌は4分の1程度で問題ありません。あまり与えすぎるのは水質が悪化しやすくなるので注意してください。
初期費用と維持費用
初期費用は約5000~20000円です。どのような水槽で飼育するかで価格が異なりますのでお財布と相談しながら選びましょう。維持費用は小型水槽なら月々数百円、大型水槽なら1000円程度です。
複数飼育
シュリンプは観賞魚よりも水を汚しにくいので多少の過密水槽にも耐えうることができますが、長期飼育する場合はなるべく飼育個体数を少なめにしましょう。
スカシモエビが口に入るサイズの観賞魚との混泳は不可能なので大きさが同程度の生体を選んでください。
人工海水の作り方とは？
スカシモエビは海水に生息するシュリンプなので当然人工海水を作らなければなりません。一般的な海水の比重は1.021~1.024程度ですが、購入先で管理されていた比重に合わせるほうが安全です。
比重計はボーメー式とポインタ式がありますがスカシモエビの飼育ではお好みで選びましょう。ただしポインタ式の比重計の方が正確なので安全に水換えができます。
海水は必ず人工海水の素を使用して食塩は絶対に使用しないようにしてください。ミネラルが不足すると体調を崩し水槽内の環境崩壊につながるので注意しましょう。
また自宅近くに海がある場合でも海水を汲んで使用せずに人工海水を作るようにしてください。天然海水には雑菌が多く生息していたり油膜が混ざっていて病気の原因となります。
最も適した飼育水といえばRO水に人工海水の素を混ぜて作る海水ですがランニングコストも高くなるのでカルキを抜いた水道水で使用するのが現実的です。
海水の素はカルキ抜きも含まれていることが多いので注意書きを良く読み用量を守ってお使いください。
まとめ
小型なスカシモエビは省スペースから飼育を始められるので初心者の方でも是非お迎えを検討してみてはいかがでしょうか。
