タヌキの種類|生態、性格、どんな動物なの?

日本ではなじみ深い動物のタヌキ。昔の絵に出てきたり、置物のモデルとして使われていたりと、意外と目にする人も多いのではないでしょうか。タヌキの種類や生態についてまとめてみました。

 

タヌキってどんな動物?

タヌキとは?

タヌキとはネコ目イヌ科タヌキ属に属する動物で、日本では昔から親しまれてきた動物です。タヌキを題材とした昔話や音楽もあることから、身近な動物だということが分かります。現在でもジブリアニメの題材に選ばれたりしています。

一般的にタヌキと呼びますが、地方によってはムジナやクサイ、コケなどと呼ぶところもあります。見た目が似ているためか、アナグマやアライグマと間違えられてしまうこともあります。

 

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大きさと特徴

体長は50㎝~70㎝ほどで、体重は4kg~10kgほどです。皆さんがよくイメージするタヌキは丸く太った体格のものだと思います。

確かに11月~5月にかけてタヌキは冬毛になり、ずんぐりとした体形になります。しかし、6月~10月頃のタヌキは毛が短く、痩せているように見えます。夏毛のタヌキを見ると、意外と足が長いことが分かります。

 

他のイヌ科の動物と比べると、耳は丸みを帯びており小さく、尻尾は太くなっているのが特徴です。足の指は5本あるのですが、実際に地面に着くのは4本です。

歩き方は指行性で指先を使って歩きます。また、直線的というよりジグザグに進むのも特徴の一つです。さらに、タヌキは指の間に皮膜があり、泥地や水辺での歩行がしやすくなっています。

 

体毛は薄い灰色から黄褐色が多いですが、稀に白色のタヌキもいます。赤ちゃんは全身がほぼ黒色で、一見するとクマやイヌのように見えます。

タヌキは背中から肩にかけて黒い線が通っており、目の周りが黒くなっています。アライグマは両目の真ん中に黒い線が通っており、アナグマは肩の線がないのでここの違いで見分けられます。

 

 

生息地

タヌキは元々、日本や中国、朝鮮半島といった極東でしか見られない珍しい動物でした。しかし、毛皮目的でロシアに移入されるようになりました。

そこから一部が逃げ出し、今ではドイツやフィンランドなど、ヨーロッパ全域に生息地を広げています。しかし、海外では珍しい動物のようです。

 

日本では北海道・本州・九州と、広く生息しています。主に森林地帯に生息していますが、標高2000m級の亜高山にも生息します。

また、都市郊外だけでなく中心部といった人里にも生息しており、東京でも目撃されています。都市では排水溝を住処にすることもあります。

湿地帯や水辺といった水のある場所にも生息しています。この様に様々な場所で生息でき、環境への適応力に優れていることが分かります。

 

 

生態

タヌキは夜行性で、夜に活動をします。食性は、動物性や植物性の食べ物を食べる雑食性の動物です。動物性では昆虫や魚、ヘビやトカゲといった爬虫類を主に食べます。

植物性では果物や木の皮、植物の茎や根っこなどを食べます。この様に何でも食べますが、その食べる種類は生息地によって変わります。人里ではゴミなどを漁って食べ生活しています。

 

タヌキは視力があまり良くないため、嗅覚を使って獲物を獲ります。群れでの行動というよりも、つがいや家族での行動が多いです。

このつがいは、どちらかが死ぬまで解消されません。子供が成長すると親の元を離れて、単独で行動するようになります。その行動範囲は0.25㎢~20㎢と幅広く行動します。

 

タヌキは、自分の縄張りの中に、糞をする場所を複数持っています。縄張りの中で食べ物を食べた時に、複数持っている中のいくつかで糞をします。

この様に、決まった場所で糞をすることは「ため糞」と呼ばれています。タヌキは行動範囲が他の個体と被ることもあり、ため糞は大きいもので直径50㎝、高さが20㎝になるものもあります。

このため糞は、この辺りにどのくらいのタヌキがいるのかを知るためや、自分の存在を知らせるために使われます。また、縄張りにどんな食べ物があるかを知ることも出来ます。

 

 

繁殖期

タヌキは春から夏頃にかけてが繁殖期です。妊娠期間はおよそ2ヶ月で、一度に5~6匹を産みます。雄雌共に子育てに参加し、オスは餌を運んできたりします。

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性格

タヌキはとても臆病な性格をしています。自分の縄張りに他のタヌキが入ってきても、争うことはほとんどありません。

また、猟師が銃を撃った時の音に驚いて気絶してしまうほど臆病です。この性格から、高速道路に出現しても逃げることがなく、死んでしまうことが多いです。「狸寝入り」という言葉は、タヌキの臆病な性格から来ていると言われています。

 

 

英名

タヌキの英名は「Raccoon dog」と言います。Raccoonはアライグマという意味です。これは、アライグマに見た目が似ているため名付けられました。

 

 

伝承としてのタヌキ

タヌキには様々な伝承があります。昔話で有名なものだと、「かちかち山」や「文福茶釜」などが有名です。

妖怪としての化け狸も有名です。特に有名なものだと、新潟県佐渡市の「団三郎」、兵庫県淡路島の「芝右衛門」、香川県屋島の「屋島太三郎」は日本三名狸とされています。

 

 

タヌキの種類

 

ホンドタヌキ

ホンドタヌキは本州・四国・九州に生息しているタヌキで、日本産の亜種になります。体長は50㎝~60㎝ほどで、体重は4kg~8kgほどです。

繁殖期は春~夏にかけてで、妊娠期間は2ヶ月ほどです。このタヌキは日本に生息しているタヌキの中では、私たちがよく目にする一般的なタヌキです。イヌ科の動物ですが、木に登ります。

 

 

エゾタヌキ

出典:蘭越自然探検隊

このタヌキは主に北海道に生息している日本産の亜種です。奥尻島に生息している個体は、人為的に移入された個体です。このタヌキはホンドタヌキよりも大きく、毛が長いのが特徴です。

冬は冬眠をするのではなく、冬ごもりをして冬を越します。冬ごもりはホンドタヌキはしないので、これらの特徴から見分けることが出来ます。別名として、ニホンタヌキとも呼ばれています。

 

 

ビンエツタヌキ

別名タイリクタヌキというタヌキです。このタヌキは日本ではなく、中国東部やベトナムの南部に生息しています。

このビンエツタヌキはロシアに移入されたタヌキで、野生化して生息地を増やしていきました。

 

この他にも、これらの亜種が確認されています。

  • コウライタヌキ・・・朝鮮半島
  • ウスリータヌキ・・・ロシアのウスリーやアムール
  • ウンナンタヌキ・・・中国雲南省

 

 

ペットとしてのタヌキ

タヌキをペットとして飼うのに、特別な許可などはいりません。現在、タヌキをペットとして取り扱っているお店はありませんので、飼いたい場合は野生のタヌキを捕獲して飼うようになります。

タヌキは鳥獣保護法で保護されていますが、狩猟解禁日に保護して申請を出せば保護が可能のようです。

 

タヌキは臆病な性格から、凶暴で人に懐きにくい動物です。そのため、ペットとして飼うにはあまり向いていません。

どうしても飼いたい人は、小さい時から人に懐かせる必要があります。大人になった野生のタヌキは人に懐くことはありませんので注意しましょう。

 

タヌキをペットとして飼うことが出来た場合、餌はドックフードといった人口の食べ物でも良いようです。タヌキは雑食ですので、他にも肉類や魚類、果物も食べます。

タヌキを飼う時には病気にも気をつけましょう。タヌキの病気で一番気を付けるのは、疥癬という皮膚病です。

 

これはヒゼンダニによって発症する病気で、疥癬症にかかると全身の毛が抜け落ちてしまいます。この病気はイヌやネコにも感染する可能性があります。

タヌキの寿命は野生では6~8年ほどですが、人工飼育された個体は約10年生きます。中には、14年ほど生きた個体もいるようです。

 

 

まとめ

日本ではお馴染みのタヌキですが、海外では珍しい生き物だということが分かりました。害獣としても知られるタヌキですが、ペットとしても飼えなくはないようですね。しかし、その際は十分人に慣れさせことを忘れないようにしましょう。

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