街中で散歩をさせていると注目の的となりメディアでも取り上げられるほど圧倒的な存在感を放つゾウガメ。
一度は甲羅に乗ってみたいと思ってしまうほど大型のリクガメですが、その飼育方法は謎に包まれています。そこでこの記事ではゾウガメに関する情報をお届けしていこうと思います。
ゾウガメの特徴とは?
甲長1メートル以上の大型リクガメで大航海時代には食料として捕獲されてしまい多くの種類が絶滅してしまいました。現在は「アルダブラゾウガメ」や「ガラパゴスゾウガメ」を見ることが出来ます。
いずれも100年以上生きる数少ないリクガメで生きた化石と呼ぶ人もいるようです。「鶴は千年亀は万年」という言葉の”亀”はこのゾウガメを指しているのではないでしょうか。
ゾウガメの魅力
ゾウガメは自然界でも天敵がいないため他の動物に恐れることがありません。人馴れもするのでお迎え直後からコミュニケーションを取りたい方にはオススメです。
また小型リクガメと異なり体力があるので温度管理や湿度管理に神経質にならずに済みます。小さなお子様がいる場合は甲羅の上に乗ることもできるようです。
お子様とゾウガメが触れ合った後は必ず石鹸で手洗いうがいをしてサルモネラ菌対策をしましょう。人を怖がらないので専用のリードを作って散歩に出かけることもできます。
その際は動きが鈍いので車や自転車に気をつけて安全な場所で散歩をするようにしてください。
販売価格
残念ながらガラパゴスゾウガメはワシントン条約による規制により個人で飼育することは難しいでしょう。
一方でアルダブラゾウガメは約20~100万円で販売されています。ベビー個体は安価で大きくなるほど高額で販売される傾向にあるようです。
ゾウガメの種類
ガラパゴスゾウガメ
エクアドルの固有種として知られており、最大で130センチにまで成長するリクガメ最大種です。植物食でサボテンやフルーツを食べて生活をしています。
ちなみに体内に食べたものを蓄えることができる構造をしていて約1年ほど断食をしても生きることができるようです。主に草原や岩場、森林に生息しており天敵がいないため人を恐れず食用として乱獲されました。
その結果生息数は激減してしまいペット用としてもあまり流通しなくなってしまったのです。国内では3頭しかおらず、上野動物園とiZooで見ることが出来ます。
アルダブラゾウガメ
出典:ねこさーばーぷれす
国内でペットとして唯一お迎えできるゾウガメです。セーシェルの固有種で甲長120センチ以上とガラパゴスゾウガメに次ぐ大型のリクガメです。
海沿いの草原や低木林、湿原に生息しており直射日光が苦手な種類です。草や枝など植物性の食べ物を主に摂取しますがカニや魚などの死骸も食べるため雑食といえるでしょう。
流通しているのは飼育下で繁殖したアルダブラゾウガメでワイルド個体は厳重に保護されているため正規ルートで入手することはできません。(密輸は法律で禁止されていますので異常に安価で販売されているものは避けたほうが無難です。)
ペットとしてのゾウガメの飼育方法
飼育環境
大型で体力があるため飼育難易度は易しいリクガメです。ただし成体は小学生ぐらい大きくなりますので、一部屋丸ごとアルダブラゾウガメに与えるか屋外に小屋を作る他ありません。
飼育環境は他のリクガメと同様に一年を通して25℃前後を保ち、35~40℃のホットスポットを用意します。
アルダブラゾウガメの主な死因として熱中症が挙げられますので、あまり高温にならないように注意しましょう。部屋や小屋ではメタルハライドランプを設置するといいでしょう。床材は何でも良いのですが部屋で放し飼いの場合は何も敷く必要はないでしょう。
生息地では日陰で水浴びをして過ごすこともありますので、浅めのプールを設置するといいでしょう。新陳代謝が低いので毎日かならず餌を与える必要はありませんが、干し草などの粗飼料を置いておくと必要な時に食べます。
基本的にトイレのしつけができませんので、リクガメから離れる際は大型犬用のケージで過ごさせるとメンテナンスが楽になるのではないでしょうか。水浴びや温浴の際に排泄をするリクガメが多いので、習慣にしているとトイレの管理をし易くなるでしょう。
アルダブラゾウガメも体調を崩すことはありますので、移動させることを考慮してマンションの高層階での飼育はお勧めしません。
動物病院へ自動車に乗せて行く場合もアダルト個体は重すぎて持ち上げられませんので、日頃から車に乗ってもらえるように練習しておくと良いかもしれません。
複数飼育
性格が大人しいので複数飼育は可能ですが、広くはない国内の住宅事情からあまりオススメはしません。
ガラパゴスゾウガメはフィンチに寄生虫を食べてもらいながら暮らしているので、アルダブラゾウガメも他の動物と上手くやっていけるのではないでしょうか。
まとめ
人を怖がらない性格を利用して昔の人々は食用や燃料に使うため乱獲をするなど多くの過ちを犯してしまいました。
現在は飼育下繁殖によって生息数を一定に保つことに成功して国内でもペットとしてお迎えできているのでしっかりとお世話をしてあげましょう。100年以上生きるので子や孫に受け継いで家系の家族として楽しい時を与えてくれることでしょう。