もっとも人気があり、一般的に飼育されているインコがセキセイインコです。懐きやすさ、飼いやすさ、入手のしやすさが人気の理由でしょう。
しかし、簡単に飼い始めることはできますが、飼い続ける上では注意するべき点もたくさんあります。セキセイの飼い方と注意すべき点をご紹介します。
セキセイインコの飼い方
飼育用品の選び方
小型のインコなので大きなカゴでなくても飼うことが可能です。しかし広ければ広い程インコにとっては快適です。インコのカゴには必ずおもちゃを入れる必要があります。おもちゃを複数個入れても飛び回れるスペースのあるものを選びましょう。
複数羽で飼う場合はさらに大きなカゴが必要です。尾羽が長いので、ある程度の高さのあるカゴを選び、尾羽が床につかない高さに止まり木を設置してください。
インコにとって退屈は大敵です。退屈させないよう、おもちゃを必ず入れてあげましょう。複数個入れる、定期的に違うおもちゃに交換する等飽きさせない工夫が必要です。
どんなおもちゃを好むのかはその子次第ですが、セキセイインコは音の鳴るおもちゃを好む子が多いです。砂漠地帯に暮らす鳥ですが、水浴びを好む子が多いです。カゴに水浴び容器を入れるか、カゴから出して遊ばせるときに水浴びさせてあげてください。
適した温度
健康な成鳥であれば、ある程度の寒さや暑さには耐えられます。しかし幼鳥、老鳥、病気の子、換羽中の子はちょっとした温度変化でも体調を崩しやすいので注意してください。
羽を膨らませていたら寒い証拠です。膨らまなくなるまで暖め、常にその温度に保てるようにしましょう。体が小さいので、一度熱中症になると急激に体調が悪化してしまいます。
応急処置をしても間に合わず、数時間で死亡してしまうこともあります。真夏は30度を超えるようなら注意が必要です。同じ温度でも、風通しの悪いところだと熱中症の危険性が高まりますので注意してください。
複数飼育
セキセイインコは野生では大きな群れで生活をし、外敵から身を守っています。そのため飼育下でも、仲間といることで安心感が得られます。ペットショップで大勢のセキセイインコと一緒に過ごしていた子を、突然一羽だけ離して連れて帰ってくると、とても不安を感じてしまいます。
不安や寂しさから毛引きや食欲不振などに発展することも珍しくありません。しかし複数羽で飼育すると飼い主さんに懐きにくくなってしまいますし、同じカゴに複数羽入れると健康管理がしづらいという問題もあります。
インコのためを思って複数羽同時に飼い始めても、しっかり健康管理ができないのではインコのためになりません。一羽で飼うか複数羽で飼うか、よく考えてからお迎えしてください。
一羽で飼育する場合、寂しくないように人間がいる部屋にカゴを置き、人間を仲間だと思ってもらう努力をしましょう。人間を敵だと思われないように注意して、優しく接してください。
餌の与え方
一般的に売られているミックスシード+青菜+カトルボーンやボレー粉で飼育できます。栄養バランスのよいペレットを使うのもよいでしょう。
ひまわりの種などの脂肪分の多いものは肥満の原因になります。セキセイインコのように穀物を食べて暮らす鳥にそのような脂肪分はあまり必要ありませんので、与える必要はありません。
砂漠に暮らす鳥なので、飲水量は多くありません。7時間程何も飲まなくても平気だと言われています。しかし飼育下では水は切らさないでくださいね。逆に飲水量が多すぎる場合、病気の可能性がありますので注意して見ていてください。
お迎えしたら健康診断を
セキセイインコは温度変化、環境の変化への適応能力は高く、その点では丈夫な鳥と言えます。しかしセキセイインコならではの感染症も多く存在します。
特にマクロラブダスという胃に障害を引き起こす真菌は、ほとんどのセキセイインコが保菌していると言われています。
必ず発症するわけではありませんが、一度発症すると食欲不振で亡くなってしまうこともあります。胃に後遺症が残ることもあります。お迎えしたらなるべく早めに病院に連れて行き、適切な治療を受けてください。
過発情
飼育下は外敵がおらず、餌も豊富で、快適な温度で生活できるので、セキセイインコにとって繁殖に最適な環境です。
さらにセキセイインコはペットとしての大量繁殖を繰り返されているうちに、本来の野生の姿よりも、発情、繁殖しやすい体質に変化しているとも言われています。
春や秋の繁殖シーズンに発情するのは本能なので仕方ありません。しかし飼育下のセキセイインコは、季節に関わらず年中発情している子が多くいます。パートナーがいなくても、飼い主さんやおもちゃなどの身の回りのものが発情の対象になってしまいます。
過発情はオスメス共に生殖器系の病気の原因になり、寿命を大きく縮めてしまいます。発情行動が続くようなら、あえて快適でない温度にする、餌の量を減らしたり低カロリーな餌にする、発情の対象となっているものを取り除くなど、発情を抑える工夫が必要になります。
水浴び
セキセイインコの水浴び方法はダイナミックで、高いところから急降下し水の中に飛び込んできます。
放鳥中、飼い主さんがラーメンなど熱いものを食べていたり、やかんや鍋にお湯が溜まっていたとき、その中に飛び込んできて火傷をするという事故が多く発生しています。
急降下して突然飛び込むので、止める隙がないのです。熱いものを扱うときは絶対にセキセイインコをカゴに戻してください。
言葉を話すことに期待しすぎない
セキセイインコはおしゃべりがとても得意な種類です。おしゃべりする鳥が欲しい!と思ってセキセイインコをお迎えする方も多いと思います。確かにセキセイインコは他の小型のインコよりもおしゃべりの能力が優れてます。
しかし、しゃべるセキセイインコばかりが有名になりますが、全てのセキセイインコがおしゃべりをするわけではありません。何度教えても全くしゃべる気配のない子もたくさんいます。
またおしゃべりをするのはオスのみで、メスはほとんどしゃべりません。無理におしゃべりを教えようとするとストレスになり、毛引きしたり飼い主さんを警戒してしまう可能性もあります。
その子がおしゃべりを覚えようと真剣に飼い主さんの口元を見ながら聞いていたり、モゴモゴと何か言葉を発する練習をしているようであれば、教えてあげてください。しかし覚えようとしていない子に無理に教えるのはやめましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?セキセイインコは手軽、簡単だと言われますが、難しい点もたくさんあります。良い面ばかりでなく、大変な面も頭に入れて適切に飼育してあげてください。