この名前を聞いてピンと来ない方も多いのではないでしょうか?「ヨウム」とは大型インコの一種で、実はインコの種類の中でもズバ抜けてとても知能が高い鳥なのです。
そんなヨウムの飼い方や知られざる一面をご紹介致しましょう。
ヨウムについて
ヨウムはいくつかの種類が存在するインコの中でも大型の部類に属しています。体長は約30cm、体重は約300g~500gほどの大きさで、その見た目などからオウムの仲間と思われがちですが、オウム目インコ科の正真正銘のインコの仲間なのです。
ヨウムはアフリカ西海岸の森林地帯などに分布されており、体の大半が灰色で目の周りには羽毛が生えておらず白くなっています。また、風切り羽根は黒で赤い尾羽が特徴です。
知能が高い鳥で有名
ヨウムはオウム同様に人間の言葉を覚えるのが特徴で、コミュニケーションをとることが可能のようです。
知能が高い個体だと、なんと人間の5歳並みの知能まであるようでとても知能が高い事が言えます。
そしてインコ科やオウム科の中では断トツの知能数とも言われています。
単に言葉を覚えるのではなく、覚えた言葉を理解して話しているのではないかとの意見もあり、その証拠に海外では殺人事件を解決に導いたヨウムまで存在するほどです。
ペットとして飼える動物の中で、一番コミュニケーションが取れるのはヨウムと言っても過言ではないでしょう。
実は反抗期が存在する
そんなヨウムですが、なんと反抗期が存在するそうです。1羽につき生涯で2度の反抗期を迎えるそうで人間の反抗期と似ている部分もあり、自己主張が激しくなり攻撃的になる事もあります。
時期は個体差がありますが、だいたい1歳半~2歳の間に反抗期になる事が多いようです。反抗期が訪れてもしっかりと愛してあげてくださいね。
オスとメスの見分け方
ヨウムは単一形の鳥類のため性別を見分けるのは難しい鳥です。ですが、メスはオスに比べ体が少し小さく1歳半を超えると肛門に近い方の尾羽の先端に灰色の縁取りが出来ることがやや多く見られます。
また、目の形がメスの方がアーモンド形をしているという説もありますがこれだけでは性別を判断することは非常に難しいため、専門家の方に判別してもらうのが良いでしょう。
オスとメスの性格の違い
ヨウムのオスとメスの性別による性格の違いはほぼありません。多少、オスの方が攻撃的な個体が多く存在しますがメスの場合でも攻撃的になる個体もいます。
性別による性格の違いというよりも、個体による性格の違いという認識の方が良いでしょう。ヨウムの性格は大きく2種類に分かれます。陽気で明るい性格と、神経質で大人しい性格です。
ペットショップに通いつめたり、ショップの方に話を細かく聞くなどして性格を知った上で暮らしましょう。
寿命について
寿命は約50年ほどといわれています。知能も人間並み、そして寿命まで人間並みと知り驚く方も多いでしょう。
こんなにも長生きをするヨウムと暮らすには、適切な環境の下で飼育をしてきちんとしたお世話があってこそです。
そして寿命が約50年と長いため、飼い主の方が先に亡くなってしまう可能性もあります。その事も踏まえ上で、もしそうなってしまったらという事も頭に入れながら一緒に暮らしてくださいね。
販売価格
ヨウムの販売価格は約20万円~50万円ほどです。元々アフリカなどに生息しているヨウムですが今ではその生息数が大幅に減少しています。
そのためヨウムが生息する国に対して取引を前面禁止にする流れが出来ています。ですので今後日本で取引されるヨウムの価格が高騰するのが予測されるでしょう。
ヨウムの飼い方
まずはケージを用意しましょう。ケージがヨウムのお部屋になります。大きさは羽根を広げた時の1.5倍ほどが良いでしょう。この時、きちんと高さもあるケージを選んでくださいね。
また、出入り口などの開け方も知能の高いヨウムならすぐに覚えてしまうので脱走防止のためにも対策が必要です。
餌の与え方と危険な食べ物
ヨウムのエサは基本的にはインコ用のペレットを与えますが、それと同時に野菜や果物も与えてあげます。
ミカン・バナナ・リンゴ・茹でた野菜などをペレットに混ぜて一緒にあげましょう。そして青菜を1~2枚ほど菜差しに差しておくと食欲も増しビタミンの補給にもなるようです。
また、ヨウムにとって危険な食べ物もあります。チョコレート・アボカド・カフェイン・アルコール・リンゴの種・一部のキノコ・タマネドなど。
これらの食べ物はヨウムにとって害がありますので絶対に食べさせないように気をつけましょう。
1日に最低1時間以上は放鳥させる
飛ぶことによってストレスを解消させる鳥にとって、放鳥はとても大事な時間です。
放鳥といっても外に放すという事ではなく、部屋の中で自由にさせてあげるという意味です。
窓から脱走しないように注意をした上で放鳥をしてください。
ヨウムはイタズラなども好きなので壊されて困る物は出しっぱなしにしないように気をつけましょう。そして日光浴も欠かせません。
日光浴でビタミンDを生成するためケージの置き場所なども考えてあげましょう。また、ヨウムはアフリカに生息しているため適温が20度~30度となります。真冬や真夏の室内の温度にも注意をしましょう。
水浴びも必要
ヨウムは脂粉が多いため水浴びが必要になります。洗面器やタライなどに水を張りそこで水浴びをさせるか、嫌がるようなら霧り吹きで体に水を吹き付けてあげても良いです。
冬でもお湯ではなく水を使うのがポイントです。お湯を使ってしまうと水を弾くための脂分まで落としてしまい体調を崩してしまうため水で問題ありません。
飼育をする上での注意点
まずはしつけについてです。神経質である鳥に対して厳しいしつけは好ましくありません。基本的には褒めて伸ばすのが良いでしょう。
知能が高く賢いため大きな声で叱られた事で怖い思いをすると信頼関係が築けなくなってしまいます。
もし飼い主を噛んだ場合は、噛まれた指や腕をそのまま後ろへ押し込むことでヨウムにとって噛むと嫌な事が起きると覚えさせる事で噛み癖をやめさせることができます。
また、ヨウム自身が自分の方が立場が上だと認識してしまっている場合があります。
信頼関係が出来る3歳ごろまでは飼い主と同じ目線の場所に置いたり、肩や頭などに乗せないようにした方が良いでしょう。
雄叫びについて
ヨウムは雄叫びこそしませんが、絶叫などの鳴き声が凄まじいとも言われています。
この鳴き声によるご近所トラブルで泣く泣くヨウムを手放してしまう人もいるそうです。お迎えをする前に防音対策も必要になるでしょう。
脂分対策について
脂分により精密機械(パソコンや空気清浄機)などが使い物にならなくなってしまう事があります。
また脂分を人が毎日吸い続ける事でアレルギーなどを発症して体調を崩してしまう事もあります。
ですので脂分対策も必要です。脂分が溜まらないように毎日掃除をする、水浴びをさせる、ケージを覆うアクリルケースを設置するなどの方法があります。
まとめ
知能が人間並みであることや何十年も長生きすることなどからペットとして飼うというよりも、パートナーや家族として生涯大事に出来る自信と覚悟がある人でないとヨウムは飼育できないかもしれません。
ヨウムと会話をしたりする事でペット以上の感覚になり、きっとヨウムに対する愛おしさは倍増するでしょう。