ペンギンの特徴と種類について

ペンギンといえば、歩く姿が可愛らしく動物園や水族館でも人気のある動物です。ペンギンを好きな人も多くいるでしょう。そんなペンギンですが、生態やどんな種類がいるのか知っていますか。今回はペンギンの生態や、種類について調べてみました。

 

ペンギンの特徴について

ペンギンとは

ペンギンは鳥類ペンギン目に属している動物の総称です。大きく分けて6種類に分類されており、全てがペンギン科に属しています。ペンギンは海鳥と呼ばれる鳥なので泳ぎはとても得意です。しかし、空を飛ぶことが出来ない鳥となっています。

 

生息地

ペンギンの生息地といって思い浮かべるのは、南極といった寒い場所でしょう。しかし、ペンギンは南極だけでなく南半球の広い範囲に生息しています。

南極大陸で生息しているペンギンは2種類ほどしかおらず、南アメリカやニュージーランド、オーストラリアなどの比較的暖かい地域にも生息しています。中には、赤道直下の島に生息しているペンギンもいます。

 

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特徴

1番の特徴といえば、空を飛ぶことができないという点です。ペンギンの羽は他の鳥類の羽と異なっており、飛ぶことができません。ペンギンは氷上を腹ばいになって滑ったり、海を泳いだりして移動します。

通常は空を飛ぶために、羽毛が左右非対称になっています。しかし、ペンギンは小さい羽毛が、左右対称で隙間なく生えています。また、羽の先端には小さなカギ状の突起があります。この突起は水に濡れる・圧がかかることで絡まり合い、1枚の布のような形になるのです。

 

この他にペンギンは他の鳥類と比べて、陸地では胴体を垂直に立った状態で歩きます。体格も全体的に太く、脚や首も短くなっています。この体形は寒い地域で暮らすために、皮下脂肪を溜めているからです。

体形や飛べないこと以外には、体色が挙げられます。白黒の体色は、外敵から見つからないためです。黒は水深のある場所での保護色、白は水に太陽が差し込んだときの保護色という働きがあります。これにより、空や海から見つかりにくくなります。

また、ペンギンには塩涙腺と呼ばれる器官があります。これは余分な塩分を体外に排出するのに使われます。ペンギンは海水で水分を補うこともあり、必要な器官なのです。

 

生態

ペンギンは魚類や甲殻類、頭足類を食べる肉食動物です。狩りは水中で行われ、共にものすごいスピードで泳ぎます。このスピードによって獲物を追い詰め捕食するのです。

ペンギンは主に群れを作って行動します。群れを作る理由は、少しでも多くの個体が生き延びるためです。ペンギンの天敵にはアザラシやシャチが挙げられ、潜っているときに襲われてしまいます。

 

襲われるとペンギンは死んでしまうため、群れを作って1匹のペンギンがまず海に入るのです。それにより被害を最小に抑えるだけでなく、狩りの成功率も高くなります。

ペンギンの繁殖期はほとんどが春~夏です。この時期になるとコロニーと呼ばれる場所に戻り巣を作ります。そこで繁殖と子育てを行います。このコロニーは天敵の来ない陸地の奥に作られます。

ペンギンの寿命はまだ詳しく分かっていません。しかし、大体15年~20年で、長くて25年以上生きる個体もいるようです。

 

 

ペンギンの種類

 

コウテイペンギン

コウテイペンギン属に属するペンギンで、繁殖は南極大陸で行われます。ペンギンの中では最大の種で、130㎝になる個体もいます。体重はおよそ40kgあります。

南極大陸で生活をしているため、その寒さに耐えるべく基本的に群れで行動しています。群れで身を寄せ合うことで体を温め、生存率を高めています。

 

繁殖は冬に行われます。卵を地面に置いておくと凍ってしまうため、オスが足の上に置きます。コウテイペンギンには托卵嚢という卵を包む皮膚があります。ここで卵を温め、オスは孵化まで絶食します。メスは、生まれてくるヒナのために食料を集めてきます。

成鳥の体には黒・白以外に、首から胸辺りに黄色の模様があります。また、くちばしの一部がピンク、羽は灰色に近い体色となっています。ヒナは灰色で、成長するにつれ段々と成鳥の色になってきます。有名キャラクターであるピングーは、コウテイペンギンに分類されています。

 

アデリーペンギン

アデリーペンギンは、アデリーペンギン属に属するペンギンです。コウテイペンギン同様に、南極大陸で繁殖をします。しかし冬ではなく、春~夏にかけて繁殖と子育てを行います。

体色は黒と白で、目の周りが白くなっているのが特徴的です。このペンギンはSuicaのキャラクターモデルになっています。ヒナは濃い灰色で、目の周りは白くなっていません。

アデリーペンギンは攻撃的な性格で、近づいてきたものに対して威嚇や攻撃を行います。卵やヒナを狙うオオトウゾクカモメに対しても、果敢に攻撃していきます。

 

コガタペンギン

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%AC%E3%82%BF%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3

コガタペンギンは、比較的暖かなオーストラリア南岸やニュージーランド沿岸周辺に生息しています。ペンギンの中では最も小さく、体長は約40㎝しかありません。そのため、リトルペンギンやフェアリーペンギンとも呼ばれています。

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このペンギンは独特な容姿をしており、お腹側は白で背中や羽は青みがかった灰色をしています。また、多くのペンギンが直立の状態で歩くのに対し、コガタペンギンは前傾姿勢で歩きます。

フェアリーペンギンと呼ばれてはいますが、攻撃的な性格をしています。巣を藪の中や岩の下、民家の軒先に作ります。そこへ近づくものに対しては、威嚇だけでなく直接攻撃します。

 

 

キガシラペンギン

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%83%A1%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3

キガシラペンギン属に属しており、キンメペンギンやグランドペンギンとも呼ばれています。キガシラペンギン属はこの1種類だけで、一番数が少ないペンギンとなっています。絶滅が危惧されているペンギンでもあります。

生息地は、ニュージーランド南島やオークランド諸島などです。ペンギンは群れを作ることが多いですが、群れずに単独で生活を行います。また、このペンギンは1年を通して繁殖地で暮らします。

 

キガシラペンギンは頭が黄色くなっており、目の周りから頭の後ろにかけて黄色の線が走っています。また、目も金色をしており、これらの特徴が名前の由来です。ヒナには黄色の模様がなく、全体的に薄茶色となっています。

性格としては、かなり用心深い性格をしています。危険が迫ると、ペンギンによく見られる腹ばいになって滑るように移動するのではなく、前傾姿勢で走って逃げます。

 

フンボルトペンギン

フンボルトペンギン属のこのペンギンは、南アメリカの太平洋沿岸地域に生息しています。別名ペルーペンギンとも呼ばれ、生息地にある海流フンボルト海流(ペルー海流)が由来となっています。

亜種のケープペンギンやマゼランペンギンとよく似ていますが、見分けることが出来ます。色で見分ける場合、フンボルトペンギンのくちばしの付け根はピンク、ケープやマゼランは全体が黒色です。また、胸の黒の帯模様が1本の場合はフンボルト、2本はマゼランと見分けられます。

フンボルトペンギンはとても臆病な性格をしているため、ほとんどが飼育されている個体となっています。そのため、生息地によっては絶滅の危機にあるものもいます。

 

マカロニペンギン

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3

マカロニペンギン属のこのペンギンは、南極周辺の島やニュージーランド周辺に生息しています。繁殖のさいに形成されるコロニーはかなりの数のペンギンが集まり、数十万羽にも及ぶことがあります。

マカロニペンギンは、冠羽という頭の長い羽が黄色やオレンジ色をしています。マカロニペンギンには亜種が多く存在しますが、冠羽や模様で見分けることが出来ます。分かりやすいものでは、顔が全体的に白い場合はロイヤルペンギンで、冠羽が黄色のものがイワトビペンギン種です。

マカロニペンギンという名前の由来はイタリアにあると言われています。昔イタリアではオシャレな人のことを「マカロニ」と呼んでおり、当時発見されたこのペンギンの見た目がオシャレだったことからマカロニと名付けられたという説があります。

 

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人とペンギン

飼育

ペンギンは多くの水族館や動物園で飼育されています。特に、日本では繁殖技術の発展によりかなりの数が飼育されています。その数は、世界中で飼育されているペンギンのおよそ1/4と言われるほどです。

飼育されている種類は11種類にもなります。世界に生息しているペンギンの種類は18種類なので、半分以上は日本で見ることができるのです。中でも多いのが、フンボルトペンギンです。日本で飼育されているペンギンの数は2500羽ほどにもなります。その約半分が、フンボルトペンギンとなっています。

 

乱獲

世界で初めてペンギンと名付けられたのは、オオウミガラスという種類の海鳥です。オオウミガラスは北大西洋に広く分布していました。オオウミガラスは、食用やランプの油として捕獲されていました。当時はかなりの数が生息していたため、保護などもされていませんでした。

その後、冒険家により一度で1000羽以上のオオウミガラスが乱獲され、これにより多くの人々がオオウミガラスを狩るようになりました。その結果、絶滅の危機に瀕するまで数が減っていったのです。

数が減ったことで価値が上がり、コレクターや博物館が高値で買い取るようになりました。それにより、その後も狩られ続け1844年にオオウミガラスは姿を消してしまったのです。

マゼランペンギンはペットで飼える?販売価格は?

 

まとめ

ペンギンは様々なキャラクターのモデルにもなっており、親しみのある動物です。動物園や水族館で繁殖に成功し、多くのペンギンが誕生しています。しかし、過去には人間の身勝手な理由から、乱獲され絶滅してしまったペンギンがいることも忘れてはいけませんね。

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