速度50kmにも達するほど強靭な脚力を持ち人よりも巨大な身体は迫力満点で多くの動物園で飼育されているエミュー。
飼育のしやすさや特徴的な容姿から人気を集めており、手軽な価格で販売されていることから個人宅で飼育されている方もいるほどペットとして注目されています。
しかし大きな身体ですばしっこいエミューは扱いづらそうな印象を抱いてしまう方も多いでしょう。エミューをお迎えする前に知っておくべきことやその特徴などをご紹介していきたいと思います。
出典:Dream Factory
エミューとは?
出典:動物園放浪記
オーストラリアに生息する200cm近い体高を持つ大型の鳥類です。体重は50kg前後と一般的な女性の体重程度ですが、ガタイが良く、小動物を見たり雷が鳴るなどの外的な刺激を受けるとパニックになり勢い良く走り出す傾向があるため注意が必要です。
しかし、人に対しては温厚で馴れやすく大声を出したり叩いたりしない限り攻撃的になることはありません。そのため牧場や動物園、公園などあらゆる観光地で飼育されており時々脱走したと報道されることもあります。
ちなみにエミューの卵は100mm前後とダチョウの卵と比較すると小さめのサイズとなっています。産卵時期は秋頃から翌年の春先であることが多く、1日1個ずつ数日掛けて産卵することになります。
産まれた卵はオスが2ヶ月近く世話を行い、孵化後は両親で外敵から守る姿が観察できます。
寿命
出典:秋田市大森山動物園ミルヴェ
飼育下では30年以上生きる個体もいるほど長寿な生き物です。
日本では犬や猫などのメジャーなペットに対する医療は発達していますが、エミューをはじめとするエキゾチックアニマルへの医療は進んでおらず診てくれる医師も少ないため、予めエミューを診てくれる動物病院を探しておくことをお勧めします。
販売価格
出典:Wikipédia
エミューのベビー個体は10~20万円で取引されています。アダルト個体となるともう少し値は張りますが、それでも安い方でしょう。
里親募集については特殊なペットのためか中々見当たらないため、募集されていたら相当運が良いのではないでしょうか。
エミューの飼育方法
出典:ダチョウ王国
エミューは文鳥やオウムのように室内で飼育するにはややハードルが高く、日本の住宅事情から現実的ではありません。そのため多くは屋外飼育となり、夜に休む大型の鳥小屋を作る必要があります。
鳥小屋はなるべく風通しがよくなるように設計して雨季に蒸れてカビが生えないようにしてください。また雨宿りできるように広めの屋根を作るようにします。
床材は柔らかい土や牧草を敷いておき、排泄物は毎日確認次第取り除くようにしましょう。体が大きいため排泄量も相応に多くなるため、掃除を怠ると異臭を放つようになりエミューにストレスが罹り病気になる可能性があります。
エミューは飛翔能力がないためケージで囲う必要はありませんが、体高よりも高い壁を設置しましょう。また力が強く勢い良く体当たりしても壊れないように頑丈な作りのものを使用するようにしてください。
エミューを飼育している家庭は少ないようですが、特に自治体や団体に許可を得る必要はなく、お迎えしてそのまま飼育することができます。給餌頻度は毎日1~2回程度与えますが、特に1~2日絶食しても身体に影響はほとんどないでしょう。
ただ飲水はいつでも飲めるようにしてあげないと特に夏季は脱水症状に陥りますので注意が必要です。そのまま水道水を与えてもいいのですが、食事の際に与えるものはカルキを抜いたものを与えたほうが、肌荒れなどのトラブルになりにくいでしょう。
餌の与え方
出典:マザー牧場の動物たち
エミューの食性は雑食で野菜や果物・雑草などをメインに昆虫などの小動物を捕食することもあります。生命力が強く飢餓に強い傾向にありますが、飼育下の特に幼少期には多くの餌を給餌して成長を促してあげることが大切となります。
手から給餌することも可能ですが、肌寒くなる秋頃は繁殖期に入るため気性が荒く攻撃する可能性もあるため、念のために軍手などで怪我への対策をして給餌しましょう。
手から給餌した後は人間に有害な細菌類が付着している可能性があるため、必ず石鹸で手を洗うように心掛けてください。
家禽に与える餌を使用すると維持費が安くなりますが、やはり新鮮な野菜や肉を食べるほうがエミューにとって幸せでしょう。
飼育上の注意点
エミューの成鳥は生命力が強く、日本の環境にも適応することができると言われていますが幼体は病気になりやすく一年を通して保温してあげる必要があります。
設定温度は30℃前後にまで上げてやや乾燥気味にすると調子良く飼育することができるでしょう。
エミューは地面をついばむ姿が観察されますが、消化するために必要な小石を飲み込んでいるため大きな問題になることはないでしょう。
変なものを食べないように小石を取り除いて柔らかい砂だけで飼育すると消化不良に陥る可能性があるため、そのままの環境で飼育することをお勧めします。
ただ割れたガラスや鉄球など明らかに身体に悪そうなものが落ちている場合は必ず取り除くようにしてください。