ハサミムシの飼育方法|寿命・販売価格・餌は?

公園や道路など様々な場所で見かけた厳つい容姿をしたハサミムシ。その名の通りクワガタの大アゴのような巨大なハサミを尾部に持っていることから取り扱いには充分な注意が必要です。

その一方で他の昆虫にはない特有のシルエットは鑑賞甲斐があり、ペットとして飼育している方も多くいらっしゃいます。ハサミムシの気になる飼育方法や特徴・生態などをご紹介したいと思います。

 

ハサミムシとは?

国内では石の裏や植物の隙間など物陰に潜んでいることの多いハサミムシ目の昆虫を指します。開閉する大きなハサミは天敵から身を守る他に同種間の争いに使用されることもあり、気性はやや強いと言えるでしょう。

活動時期は春先から秋頃で北海道を除く広い地域に生息しています。大きさは3cm前後と小柄ですが、挟む力がやや強い個体もいるため油断すると指を怪我することもしばしばあります。

 

挟まれた後に赤く腫れ上がることがあるため、毒を持っていると勘違いされることがありますがハサミムシに毒はなく傷口に細菌が入って炎症を起こしていると思われます。

ハサミムシの多くは飛翔能力がなく地面を歩いて移動することになりますが、ヨーロッパクヌギハサミムシなどのように飛翔出来る種類も存在します。

ただ飼育する際は飛翔能力の有無に関わらず脱走防止に蓋を閉めることをお勧めします。

 

スポンサーリンク

 

寿命

ハサミムシの多くの種類は1年未満で成虫寿命を迎えます。特に日本国内に生息するハサミムシは暖かくなる4月頃から秋から冬へと切り替わる10月頃まで成虫を観察することができます。

基本的にハサミムシは温暖な地域に生息しているため、15℃を下回るような環境下では活動が鈍り生命維持ができなくなる個体が多いでしょう。

 

飼育下ではパネルヒーターや保温球によって一年中一定温度に保つことができるので、野生下における寿命よりも長生きする傾向にあります。

しかし、飼育下においても越冬させることは難しく、年を越しても飼育できていれば相当運が良いと言えるのではないでしょうか。

 

 

販売価格

ハサミムシは身近な生き物のためか総合ペットショップや昆虫専門店においても販売されることは少ないでしょう。しかし、ネットオークションサイトでは500~1000円程度で単品又は複数匹出品されていることがあります。

また外国産のハサミムシも出品されていることもあり、5000円以上で取引されることも珍しくありません。

スポンサーリンク

 

海外産の珍しいハサミムシをお迎えしたい場合はネットオークションサイトを活用することをお勧めしますが、国内産のハサミムシをお迎えする場合で北海道など寒冷地以外にお住いの方は近隣の公園や空き地へ採取したほうが良いでしょう。

ただし野外採集個体で特に都心部で捕獲したものについては除草剤などの影響から長生きしないことが多く、一匹を長く飼育したい方にはお勧めできません。

 

 

ハサミムシの飼育方法

ハサミムシはそれほど活発に動き回る昆虫ではなく、食事以外では物陰に潜んで休んでいることが多い種類です。そのため、それほど大きなプラケースを準備する必要はなく10cm以上あるものなら何でも使用することができます。

プラケースには腐葉土や砂を敷き詰めて手で握って軽く固まりが作れるくらいに湿らせた上に落ち葉や流木、石など隠れ家と成り得るものをレイアウトします。

観察を目的とする場合は特に底床を敷き詰める必要はなく、足場と鳴る木の皮や落ち葉だけ入れた環境で飼育すると良く動きを見ることができます。

 

ハサミムシは高温多湿環境で生息しているイメージが強い種類ですが、あまり高温な環境で蒸れすぎると弱ってしまうかそのまま落ちてしまうことが多いので、なるべく蓋は風通しの良いものを選ぶようにしてください。

さらに、プラケースは直射日光を避けて薄暗い玄関のような風通しも良い場所に設置することをお勧めします。霧吹きは毎日する必要はなく、底床が乾燥してきたと感じた時に2~3回霧吹きをするだけで問題ありません。

動物性の餌を与えなければいけませんが、ホームセンターやペットショップへ買いに行くことは面倒に思う方には都心部でも捕獲できるダンゴムシやゴミムシのような小さな昆虫をプラケースに入れておきましょう。

 

 

餌の与え方

出典:自然公園財団

ハサミムシの多くは雑食性で雑草をはじめとする植物から小型昆虫まであらゆるものを口にします。

昆虫にとって生息し辛いような都心部においても姿を観察できるのは、食べ物を選り好みなく食べることも一つの要因として挙げられるでしょう。

 

ただし健康を保つためには適度なタンパク質を摂取する必要があるため、飼育下においてはゴキブリやコオロギの幼虫を飼育ケースに入れておくことをお勧めします。

腐葉土や落ち葉、流木などを飼育ケースに入れておくと非常食にも成り得るのでなるべく置いておくようにします。水分は餌から補給する他に水滴などからも摂取するため、ある程度湿度の高い環境を準備してあげたほうが安心です。

スポンサーリンク