珍しい昆虫|ペットとして飼えるの?

「80~100万種!」 世界中に生息している昆虫たちの種類です。未発見の種を含めれば、より膨大な数になるでしょう。多種多様な彼らは自然界で、そして我々人間の生活に常に密着して生きてきました。

私たちが、認識している昆虫はその中のほんの一部でしょう。昔はよく見かけた虫たちや奇虫など、成虫や幼虫から飼育可能な昆虫たちをご紹介していきます。

 

ペットとして飼育できる珍しい昆虫

 

ミズカマキリ

出典:沖縄自然ツーリスト

5月から10月に、北海道から南西諸島までの各地でみられる、水生のカメムシの仲間です。体長が40~45mmと大型で、カマキリに似た腕が特徴の、呼吸管を含めると国内では最長の水生昆虫です。

飼育には、水槽かプラケースを用意し、適度な水深の水を入れます。飛び出しますので、ふたは必需品です。必要であれば、水草や枝を足場にしてあげましょう。

 

水質や水温の変化にも適応力があるので、室内で飼いやすい昆虫ですね。エサは小魚やオタマジャクシ、アメンボなどで、自然死したメダカをあげても良いようです。

5~8月に湿った土中で産卵しますので、環境を整えてあげれば10個ほど産んで、1週間くらいで孵化します。幼虫期間は2週間ほどですが、共食いしやすいので個体で飼育しましょう。価格は昆虫専門店で、800円前後で販売され、寿命は約1年です。

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タイコウチ

太鼓を打つように泳ぐ姿が名前の由来となった、水生カメムシの一種です。30~38mmと大型で、本州以南の各地に生息し、5月から10月に現れます。

昆虫専門店で700~1,000円で販売され、水質汚染や飢えに強いので、飼育しやすいですね。ふた付きの水槽を用意し、エサは生餌でオタマジャクシや小魚、小さい昆虫を与えましょう。

5月から8月に、陸上のコケや水上の流木などに10~15個産卵します。幼虫は共食いを避けるため個別飼育し、約2か月後に羽化します。

 

エゾゲンゴロウモドキ

出典:青森の蝶たち

北海道から東北地方に生息する、体長31~36mmの大型ゲンゴロウで、オスは前脚が吸盤のような形状のものもいます。昆虫専門店で4,000円前後で購入できますが、寿命は2年前後と短く、現在絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

飼育には、ふた付きの水槽を用意して、甲羅干し用の陸地や足場もつくってあげて下さい。水温を25℃以下に保つことが重要なので、夏はエアコンの利用をおすすめします。

産卵床はセリが良いようで、3~6月に多数産卵します。幼虫期間は約3ヶ月ですが、共食いが激しいので、個別に飼育しましょう。エサはオタマジャクシやミズムシ、アカムシなどを与えて下さいね。

 

タガメ

体長58mm前後と大型の水生昆虫で、鎌のような腕で小魚やカエル、ザリガニなどを捕食します。生息にきれいな水質が必要なために激減し、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。現在は、ペアで4,800円前後で購入でき、寿命は2~3年で比較的飼育しやすい昆虫です。

ふた付きの容器に砂利を3㎝ほど敷き、くみ置きした水を10㎝入れます。タガメは臆病な性格なので、隠れ家になる水草や杭などの足場は必ず用意しましょう。

 

エサは金魚やメダカ、オタマジャクシを与えますが、長い間不足すると共食いしてしまいますので、特に5~12月は給餌量に気を付けてください。出来るだけ頻繁に水を換えてやり、高温にとても弱いので水温は30℃以下に保つように注意しましょう。

水面から突き出た杭に80~120個産卵し、約1週間で孵化しますので、幼虫には小魚やオタマジャクシを与えます。5回ほど脱皮を繰り返した後、約1週間で成虫になりますよ。

 

オオクワガタ

昆虫専門店やペットショップ、ホームセンターなどで販売されており、価格は雌雄やサイズ、産地によって大きく違ってきます。

ショップによって差がありますが、純国産でおおよそ2,000~20,000円で流通しており、まれに天然ものが数万円から数十万円で取引されることもあります。

 

冬眠をするオオクワガタの寿命は3~4年ほどですが、飼育用品や飼育法も確立されてますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。成虫の飼育には、1匹に1つのケースと中に敷く昆虫マットを用意しましょう。

適当な大きさのとまり木を入れて、30℃以下の涼しい室内に直射日光を避けて設置します。エサは昆虫ゼリーがおすすめで、冬眠中でも真冬以外は入れてあげてください。

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幼虫の飼育には、菌糸クリアボトルや昆虫マットを敷いた飼育ケースを準備します。22~23℃くらいの暗い場所に設置し、時々霧吹きで水分を補いましょう。6週間くらいで、サナギから羽化して成虫になります。

タランドゥスオオツヤクワガタの飼育方法

 

トンボオニヤンマ

日本各地に生息し初夏から初秋に、山や林で見られますが、住宅街に飛来することもあります。私も子供の時、自宅に迷い込んだオニヤンマを捕獲し大喜びした記憶がありますが、最近はかなり減少しているようです。

最大の特徴は、何といっても100mm程ある体長ですね。大きな体で羽音をたて、高速で飛び回る姿は圧巻です。黒字に黄色縞の模様も凛々しく、大きい顎と緑色の目も魅力ある特徴です。

捕獲には、網を優しく被せるようにしてください。噛まれるととても痛いので、気を付けて胸部をつかむようにします。

 

エサは蛾や蝶ですが、成虫は捕獲後すぐに死んでしまいますので、飼育は困難ですね。ヤゴから飼育するには、水槽を用意しましょう。砂か砂利を敷き、水を5㎝くらい入れて、水草を植えて下さい。

羽化した時に止まる木もお忘れ無く。エサはアカムシなどの生餌がよいでしょう。世界三大奇虫は、昆虫ではなく節足動物ですが、飼育できるムシとしてご紹介します

 

サソリモドキ(ビネガロン)

出典:Monsters Pro Shop

体長5cmほどで、大きく太いハサミを持ち、肛門腺から蟻酸酢酸を護身のため噴出します。多湿を好みますので、飼育ケース内に保湿シートを利用したり、霧吹きで適度な湿度を保つよう頻繁に噴霧しましょう。

低温が苦手なので、20℃以下にならないように気を付けでください。エサは生餌のダンゴムシやコオロギ、ムカデなどを2日に1回くらい与えると良いでしょう。湿度と温度に注意すれば、飼育や繁殖は容易なようです。

ダイオウサソリの飼い方|寿命、販売価格、餌は?

 

ウデムシ

体長が5~40mmで、熱帯地域に70種ほど生息しています。折りたたんだ触肢が大きなカマのように発達し、触覚の働きをする歩脚を持ちます。

飼育には流木を入れた、背が高めのプラケースを用意します。エサは生餌のコオロギやデュビアを与え、給水にはよく湿らせたキッチンペーパーを利用しましょう。

 

価格は5,000円前後で、寿命は3~8年と言われています。ヒヨケムシは熱帯・亜熱帯に生息し、巨大な鋏角を持ち、昆虫の他に小動物も襲い捕食します。

飼育には水槽かプラケースを用意し、床材を5cm入れます。湿度が苦手なので噴霧は不要で、温度は昼間30℃以上、夜間20℃前半が良いようです。エサは2日に1回、コオロギやデュビアを与えます。飼育は困難のようですが、上手くいけば、1年くらい生きるそうです。

ウデムシの飼い方|販売価格、寿命、餌の与え方は?

 

誰も持っていないものを手に入れる喜びと優越感は、様々なコレクターに共通のものでしょうし、昆虫を飼育する楽しみはまた格別です。ただ外来種も多いので、飼育の際は絶対逃がさないようにご注意くださいね。

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