国内のヤスデは小柄で可愛らしい見た目が特徴的ですが、アフリカや東南アジアに生息するヤスデは非常に立派な体型をしていてペットとして人気を博しています。
ヤスデの飼育方法や特徴などお迎えするまえに知っておくべきことをご紹介したいと思います。
マレーオオヤスデの特徴とは?
出典:熱帯倶楽部
その名の通りマレーシアをはじめ東南アジアやアフリカ各地に生息するオオヤスデの一種です。体長は最大で20センチ以上にまで成長するため、飼育にはそれなりに大きいケージが必要となります。
カラーバリエーションも豊富で黒色やオレンジ色、赤色などが販売されています。いずれも4000円前後で販売されています。
意外と知らない驚きの生態とは?
実はヤスデには毒がなく、ムカデのような強靭なアゴもないため非常に安全な生き物です。テントウムシのように悪臭を放つ液体を放出して身体を丸くし身を守ります。
食性は雑食性で野菜のクズやフルーツを食べて植物の栄養となる排泄をするためどちらかと言えば益虫といえるのではないでしょうか。見た目が気に入らない人が多く不快害虫として駆除されてしまう可哀想なヤスデです。
寿命
オオヤスデの多くは2~3年ほどしか生きることができません。しかし簡単に繁殖が狙えるので長期に渡って飼育を楽しめます。
アフリカオオヤスデ
出典:Wikipedia
本種もマレーオオヤスデ同様に大人気のオオヤスデです。世界最大種で30センチ以上の個体も多く大迫力です。
全身が深いブラックカラーに包まれており、ワインレッドの脚がアクセントとなり美しい容姿で人々を魅了しています。飼育も簡単で3000円前後で流通しています。
オオヤスデの飼い方
出典:リミックス
飼育環境
オオヤスデは森林に生息しているので腐葉土を厚めに敷いて十分に潜れる環境を作ります。土から栄養を補給する訳ではないので、虫対策として熱湯殺菌してから腐葉土を乾燥させて入れると清潔に保てます。
乾燥には極度に弱い面があり腐葉土を握って形が崩れない程度に湿らせてください。ヤスデの脚は沢山あり、木を登ることもできるので昆虫用の登り木をレイアウトすると活発に動きまわるオオヤスデを観察できるでしょう。
オオヤスデは人に対して無害なのは事実ですが、多くの人は怖がるので脱走されないようにしっかりと蓋を閉めてください。冬季にはパネルヒーターを設置して温度を25℃前後に保つようにしてください。
効果の程は不明ですが、ケージ半分を暖かくして温度勾配を作ってあげると良いと思います。湿度の高い場所に餌を設置するので、特に夏季はすぐ腐りますし毎日交換してあげてください。
床材は飼育頭数にもよりますが2~3ヶ月に一度は全て交換して、ケージもその際に丸洗いしましょう。
餌の与え方
自然下では落ち葉や朽木、キノコなどを食べています。飼育下ではきゅうりや人参などの野菜を与えて、たまにピンクマウスやミルワームを与えるといいでしょう。
昆虫用ゼリーは栄養価も高いので管理が簡単でオススメです。一度の摂食量はかなり多いので、少し多めに与えて余った分を取り除くようにすると健康的に育てられます。
複数飼育
出典:リミックス
オオヤスデはとても優しい性格をしていて共食いの心配はまずありませんので、複数匹飼育しても問題ありません。
同じケージで飼育していると仲良く丸くなって寝ている微笑ましい姿を観察できて癒やされます。ペアで飼育しているといつの間にか繁殖に成功していたりもするので、複数飼育をお勧めします。
飼育上で気を付けること
オオヤスデは女性からも人気のペットです。特に女性の方はお部屋でアロマオイルやネイルを使用することが多いと思いますが、化学薬品や精油は多くの動物にとって有害なので違う部屋で施術する必要があります。
クワガタやカブトムシの成体管理にヒノキなどの針葉樹チップが使用されていますが、ヤスデにとっては非常に有毒で苦しむことになるので控えましょう。
どうしても腐葉土が不衛生で嫌だと感じる方はクヌギマットやキッチンペーパーを湿らせて代用してもいいでしょう。夏季になると蚊やハエが家に入り込むことがありますが、殺虫スプレーや蚊取り線香の使用も控えましょう。
お世話をした後はしっかりと石鹸で手を洗ってください。稀にサルモネラ菌などの細菌が付着している個体がいます。
そもそも懐くの?
オオヤスデに限らず昆虫類は懐きません。ケージ近くに人の姿を見かけると丸くなっていたのが触っても気にしなくなった程度に人慣れすることはあると思います。
犬や猫のように触れ合いながらコミュニケーションを取るペットではありませんので、あくまで観賞用としてお迎えください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。人々の勘違いにより害虫扱いを受けていて非常に可哀想なヤスデですが、ペットとしての人気も高まってきている注目の生き物です。
最近では「昆虫女子」といってクワガタやサソリをはじめ、ヤスデやムカデをお迎えする女性が増えていることからその誤解も解け始めています。気になった方はぜひお迎えしてみてはいかがでしょうか。