ウデムシの飼い方|販売価格、寿命、餌の与え方は?

クモのようでもあり、サソリのようでもあり、タガメのようでもゲジゲジのようでもあり……しかしそのどれでもない異様な生き物、ウデムシ。そんなウデムシの生態、飼育方法、魅力を詳しくご説明します。

 

ウデムシの特徴とは?

出典:熱帯倶楽部

節足動物鋏角亜門クモ網ウデムシ目に分類される生き物の総称です。

「節足動物(体が頭部、胸部、腹部、または頭胸部、腹部からなっており、複数の対となる脚を持つ)」という巨大グループのなかの、「鋏角亜門(主として頭部と胸部が一体になっており、頭部に触角は無く、口部分には上下に動く顎の代わりに「鋏角」という左右に動くハサミのようなものを持つ)」という大グループにおいて、「クモ網(頭部に一対の触肢を持ち、胸部に四対の歩脚を備えた生き物)」という中グループに属し、さらに「ウデムシ目」という小グループに分類される生き物ということになります。

 

ウデムシは70種以上いるといわれており、体長は小型の種で5mm、大型の種では4cmほどです。触肢が異常に発達しており、これが名前の由来となっています。

左右に張り出した触肢は通常は折りたたんでおり、そのため巨大なハサミのようにも見えます。胸部から生えた四対の細い針金のような歩脚は体長の3~5倍ほどの長さがあり、そのためウデムシを本来の体長以上に大きく見せています。

 

また、一番手前の一対は歩脚でありながら触角の役割も兼ねていて、ウデムシの大きな特徴となっています。

ウデムシはその奇怪な姿から、ヒヨケムシ、サソリモドキとともに「世界三大奇虫」のひとつに数えられています。生息地は熱帯地域の森林や洞窟などで、昆虫などを捕らえて生活しています。

 

ウデムシの魅力

出典:フクロウは ささやくように飛ぶ

これほど好き嫌いが真っ二つに分かれる生き物はいないのではないでしょうか。嫌いな人なら見ただけで全身に鳥肌をたててしまうほどインパクトのあるその姿は、反対に好きな人からすると非常に興味をそそられます。

入手、飼育ともとくに困難ではないものの、平均寿命などよくわからない点があることも、マニアの研究心をくすぐります。

「なぜこのような姿に進化したのか」、また「長期飼育を成功させる秘訣は何か」、そういうことを考えながら飼育する人にとって、この異様な生き物はたまらなく魅力的な存在なのです。

 

販売価格

最も入手しやすいタンザニアバンデッドウデムシの場合、平均5,000円ほどで売られています。オスとメスのペアで売られていることもあります。

 

寿命

「ウデムシの平均寿命は何年」といった報告はまだないのが現状です。他の節足動物を参考に推測すると、小さな種類で3年ほど、タンザニアバンデッドウデムシのような大きな種類では5年から8年ほどではないかといわれています。

 

 

ウデムシの飼い方と必要なもの

出典:アトエクサ

プラケース

幅はウデムシの体長の6~7倍以上、そしてある程度の高さのある物を使用します。ウデムシは朽ち木などに張り付いたまま逆さになって脱皮をするので、流木などを立て掛けられる高さのあるプラケースを用意しましょう。

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ウデムシのなかでも最大種、且つ最もポピュラーで入手も容易なタンザニアバンデッドウデムシ(全長約4cm)の場合、幅30cm、高さ25cmほどのプラケースがあれば飼育可能ですが、最近ではもっと高さのあるプラケースも販売されているので、入手できるのであればそちらのほうがよいでしょう。

 

床材

樹上凄の生き物なので、床材はとくに重要ではありません。腐葉土やヤシガラなど手軽なもので大丈夫です。

 

流木、コルクバークなど

野性下では朽ち木の隙間などに張り付き、隠れて暮らしているので、流木やコルクバーク(コルク樫の樹皮)などで立体的なレイアウトをしてあげると、その隙間に隠れて落ち着くことができます。

また、ウデムシはプラスチック面を登ることができません。プラケースの正面を除いた三面に、コルクバークや園芸用の鉢底ネットなどをぴったり張り付けてあげると、ウデムシがプラケース内の空間を広く使うことができます。

 

水入れ

水をたくさん飲む生き物なので水入れが必要です。しかしウデムシは頭部と胸部が一体になっているので、水を飲むことが下手な生き物でもあります。

爬虫類用の浅い餌皿に水を薄く入れて設置するという方法もありますが、ウデムシは地上に下りることをあまり好まない性格なので、ベストであるとはいえません。

 

おすすめなのは、小鉢のようなやや深さのある器にキッチンペーパーを盛り上がるように詰め込み、それをたっぷり湿らせて、流木の根元に設置する方法です。

こうするとウデムシは流木に張り付いたままキッチンペーパーから水分を摂ることができます。

 

パネルヒーター

フィルム状の加温器具です。ウデムシの飼育に適した温度は25~28℃ほどです。

夏は温めてあげる必要はありませんが、冬はパネルヒーターをプラケースの側面または背面に貼り付けて加温してあげるとよいでしょう。

 

餌の与え方

生きたコオロギ、デュビア(ゴキブリ)などを与えます。ペットショップ、熱帯魚店、インターネットで購入できます。

環境させ整えてあげれば、あとは給餌と、水分摂取のためのキッチンペーパーを常に湿らせておくだけで飼育できます。湿度に関しては、霧吹きを行い70%ほどに保ってあげるとよいでしょう。

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まとめ

たとえ写真であっても、初めてウデムシの姿を目にして驚かない人はいないでしょう。その奇怪な姿を買われて、ゲーム『バイオハザード リベレーションズ2』にクリーチャーとして登場し、映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にも出演(?)したウデムシ。

爬虫類店や昆虫を扱うショップで売られているので、一度足を運び、本物をご覧になってみてはいかがでしょうか。

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