長い手脚が特徴的なハワイアンケーブシュリンプ。その名の通りハワイ諸島に生息するシュリンプの一種で一昔前は流通量が多かったのですが近年はかなり少なくなりました。
そこでこの記事では希少性のあるハワイアンケーブシュリンプをお迎えする前に知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。
ハワイアンケーブシュリンプとは?
ハワイ諸島をはじめ沖縄周辺の海にも生息するオトヒメエビの最大種です。野生下ではペアで協力しながら生息することで知られており飼育下においてもペアで飼育するアクアリストが多くいます。
身体の倍近く長い手脚が最大の特徴で小型の魚を捕食する姿が確認されています。
近年ではあまりお店で見かけることはなく、入荷しても1~2匹程度と少ないため早くに売り切れてしまいます。体長は約6cmまで成長します。
販売価格
ハワイアンケーブシュリンプの販売価格は約4000~6000円です。こまめに入荷情報をチェックしていないと気がつけば売り切れ状態となるので注意しましょう。
ペアで生息していることで有名ですが、希少性が高く同時にお迎えすることは難しいでしょう。
寿命
飼育下においては野生下採集個体をお迎えすることになるので運次第といえますが、2年ほど飼育することができるでしょう。
急激な水温変化や水質変化、酸欠に弱いため導入時はじっくり時間をかけて水合わせをする必要があります。水合わせのときは必ずエアレーションをするようにしましょう。
ハワイアンケーブシュリンプの飼い方
出典:ティアラ横浜店
飼育環境
一般的な海水水槽で終生飼育が可能ですが、大型に成長するため小型水槽での飼育は難易度が高い傾向にあります。
大きさが同程度の観賞魚やシュリンプとの混泳は可能なので自宅に海水水槽を立ち上げ済みの場合はそこへ導入してもいいでしょう。
水温は約25℃前後に保ち、弱アルカリ性の水質になるように管理します。底床はサンゴ砂やアラゴナイトサンドを使用すると水質をコントロールしやすくオススメです。
本種はリーフタンクでの飼育が可能なのでサンゴと混泳させるとより一層華やかになります。水換え頻度は飼育水槽の水量によって異なりますが1~2週間に一度の頻度が多いでしょう。
餌の与え方
出典:ペットバルーンネットショップ
ハワイアンケーブシュリンプは淡水棲シュリンプ用の人工飼料を与えます。特にシュリンプ用でなくても沈下性の配合飼料であれば何でも良く食べてくれます。
小型のシュリンプや観賞魚を捕食する場合があるので基本的にハワイアンケープシュリンプのみで飼育します。
タツノオトシゴやヤッコ飼育に使用される海洋性のイサザアミと呼ばれる生餌を好んで捕食するので、与えて観察してみてはいかがでしょうか。
イサザアミの管理は水槽に海水を注いで植物プランクトンを適量入れておきます。
初期費用と維持費用
初期費用はハワイアンケーブシュリンプのみの中型水槽で約3~4万円は必要です。リーフタンクや大型水槽になると20万円以上必要となります。
維持費用は前者の場合が月々2000円、後者の場合は1万円以上必要です。
リーフタンクとは?
海水水槽でサンゴを飼育する水槽のことをリーフタンクと呼びます。純淡水水槽では水草を育成しますが、海水水槽の場合はサンゴを育成することになります。
サンゴ飼育には多くの知識が必要で相応の立ち上げ費用と維持費用がかかります。
一般的にサンゴ飼育には殺菌灯や専用の照明を使用することが多く、いずれも高額な商品なので初心者の方にはかなりハードルの高い水槽になるでしょう。
水質悪化にも弱いので濾過面積の大きなオーバーフロー水槽で飼育する場合がほとんどでしょう。
初心者の方はケヤリやイソギンチャクなど少し難易度の高い生体を飼育してコツを掴むとスムーズにサンゴ飼育ができるのではないでしょうか。
水族館でも展示されるほどインテリア性に優れた水槽なので、誰しも一度は立ち上げてみたい水槽です。
海水水槽で可能なレイアウト用品
出典:リミックス
純淡水水槽では流木や石などをレイアウトすることが多いですが、海水水槽の場合は水質に影響を与えないか弱アルカリ性に傾けるものしか導入することが出来ません。
主にレイアウトされるものとしては化石サンゴや天然・人工ライブロック、フジツボなどがあります。
甲殻類等カルシウムが必要な生体は稀に化石サンゴや貝殻などを割って食べることがあるので、非常食としても役立つ場合があります。
ときどきフィギュアやキーホルダー等を配置する方がいますが、塗料が水に溶け出したり銅が生体に悪影響を及ぼす危険性を考慮すると避けるべきでしょう。
飼育上の注意点
ハワイアンケーブシュリンプは薬剤に敏感なのでお世話をする際は手に石鹸やアルコール等が付着していないか注意してください。
観賞魚のトリートメントに使用する薬剤に関してもシュリンプにとって有害なので薬浴は別の水槽で行うようにしてください。
頻繁に水面に飛び出すことがありますのでしっかりと隙間の出来ないように蓋をしてください。
まとめ
海水棲シュリンプの中では比較的高額な種類ですが、リーフタンクでの飼育が可能なので汎用性に優れている生体といえるのではないでしょうか。
気になった方は是非お迎えを検討してみてはいかがでしょうか。