ヨロイモグラゴキブリの飼い方|価格や生態は?

日本では「ゴキブリ」と聞くだけで悲鳴をあげる方も多いですが、意外にも海外では愛好家が多く、日本におけるカブトムシのようにペットとして飼われています。

そんなゴキブリの仲間の中でも最重量を誇る、ヨロイモグラゴキブリの生態、魅力、飼育方法を詳しくご説明します。(虫が嫌いな方は見ない方が良いかも)

 

ヨロイモグラゴキブリとは?

出典:ありんこ日記

 

大きさ

オーストラリアの熱帯地域に生息するゴキブリで、その名が示す通り、鎧を身にまとったような重量感のある姿をしています。体長は最大で80mmで、これは世界最長のカブトムシ、ヘラクレスオオカブトのメスとほほ同じです。

さらに体重はゴキブリの仲間の中で最も重く、35gにもなります。これは哺乳類のジャンガリアンハムスターとほぼ同じ重さです。

 

生態

ヨロイモグラゴキブリはやはりその名が示す通り、モグラのように土中をゆるやかな螺旋状の坑道を掘りながら進み、地下40cmから1mほどの場所に巣を作ります。

また坑道の壁には、崩れないようにしっかりと手入れをします。巣には主にユーカリの落ち葉などを溜め込み、それを食べて暮らしています。

 

巣から外に出るのは溜め込んだ食べ物が無くなったときだけで、そのため生息地には多数のヨロイモグラゴキブリが暮らしていながら、人の目に触れることはめったにありません。

ヨロイモグラゴキブリは巣の中で、1匹の雄と1匹の雌の夫婦、その子供たちと暮らしています。

 

そこへ天敵であるムカデなどの侵入を察知すると、雄が自らの体で巣に蓋をし、侵入を防ぐことも知られています。成虫のヨロイモグラゴキブリの体はまさに鎧のごとく頑丈なので、牙を持つムカデであっても何もできません。

子供たちは10回以上脱皮を繰り返し、成長していきます。

やがて巣離れの時期を迎えると地上に上がり、揃って同じ方向に進むヨロイモグラゴキブリの大群ができます。そして雌雄が出会い、夫婦になって、また地中で生活を始めます。

 

 

販売価格

出典:SAURIAブログ

オーストラリア原産のヨロイモグラゴキブリは日本では希少な存在で、値段にはかなりの幅があります。

昆虫に力を入れているエキゾチックアニマル専門店では稀に12,000円ほどで売られていますが、30,000円から50,000円ほどの値段がつけられていることもあります。

 

 

寿命

長寿な昆虫で、平均8年ほど生きるといわれています。10年以上生きたという記録もあります。

 

 

ヨロイモグラゴキブリの魅力

やはりその大きさ、重量感は昆虫好きにはたまらないものがあります。また昆虫でありながらまるで人間のように一つの家族で暮らすところ、家族愛溢れる習性も、ヨロイモグラゴキブリの魅力です。

日本では「ゴキブリ」というと、どうしても台所などに突如姿を現しては人を驚かせ、その素早い動きから「気持ち悪い」と忌避されがちです。

 

本来ゴキブリの仲間はそのほとんどが森林に暮らしており、落ち葉などを食べる分解者として植物の繁栄に貢献しています。

ヨロイモグラゴキブリもそうした益虫であり、また土を掘ることに特化した体は素早く動くこともなく、ゴキブリという昆虫に対する見方を変えてくれることでしょう。

 

 

ヨロイモゴキブリの飼い方

出典:ありんこ日記

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プラケース

地中で暮らす昆虫なので深さのあるプラケースが適しています。

ヨロイモグラゴキブリには翅がなく、飛ぶことも壁面を登ることもありませんが、害虫の混入を防ぐためにも、やはりしっかりと蓋のしまる物がよいでしょう。

 

昆虫用品メーカーから、幅50cm、奥行き36cm、高さ30cmの大型プラケースや、幅29cm、奥行き18cm、高さ32.5cmの横幅よりも縦に長いプラケースが販売されています。

薄型である後者のほうが、ヨロイモグラゴキブリが壁面に沿って巣を作る可能性が高いのでおすすめです。

 

プラケースに詰め込む土はカブトムシ飼育用に販売されているマットが使用できます。

ただし、カブトムシ用のマットには広葉樹から作られた物と、ダニ除け用にあえて針葉樹から作られた物があり、ヨロイモグラゴキブリの飼育に適しているのは広葉樹から作られたマットです。

土はできる限りたくさん詰め込んであげましょう。

 

パネルヒーター

ヨロイモグラゴキブリはオーストラリアの熱帯地域に生息していますが、巣を作っている地中の温度はそれほど高くありません。

好む温度は20~25℃といわれています。

 

飼育する際は、夏は涼しい場所にプラケースを置き、冬はパネルヒーターで加温するようにします。パネルヒーターはプラケースの下に敷くのではなく、背面または側面に貼り付けて使用します。

こうすることによって、土の中にいながらヨロイモグラゴキブリが好きな温度の場所に移動することができます。

土が乾き過ぎないように適度に霧吹きをします。給餌は、乾燥ユーカリの葉を水で戻し、土の上に置くだけで大丈夫です。環境さえ整えてあげれば、あとはとくにすることはありません。

 

餌の与え方

小鳥用の餌としてユーカリの葉を乾燥させたものが販売されています。またヨロイモグラゴキブリはユーカリの葉しか食べないわけではなく、クヌギなど広葉樹の落ち葉であれば餌になります。

ですがやはり本来の生息地で最も多く食べているユーカリをメインに与えたいところです。

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まとめ

「ゴキブリ」という名こそついているものの、カブトムシのような重量感ある外見とやはりカブトムシのようなのんびりした動きは、「ゴキブリ」の名が感じさせる不快なイメージを払拭してくれます。

人間のように夫婦を作り、子供たちを育て上げる習性にも親しみを覚えます。

さらに飼育は簡単で長寿であるなど、ヨロイモグラゴキブリはペットとしての資質を十分に持ち合わせている昆虫といえるでしょう。

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