トノサマバッタの飼い方|餌・繁殖・寿命は?

脚力が強く飛翔能力に優れたトノサマバッタを一度は採集したことがあるのではないでしょうか?雑草の覆い茂る空き地や公園などどこにでも生息するトノサマバッタですが、活発に動き回ることから飼育し辛い印象を受けます。

しかし他の昆虫と同じように簡単な道具で終生飼育が可能なので、トノサマバッタの気になる飼育方法や特徴などを余す所なくご紹介していきたいと思います。

 

トノサマバッタとは?

出典:Wikipedia

別名「ダイミョウバッタ」とも呼ばれる日本やアフリカに生息するバッタの一種です。長方形のシルエットが特徴的でズッシリとした大きな身体はまさにトノサマの名にふさわしい容姿をしています。

体長は5cm前後でメスの方が大型になることが多い種類です。

緑色や茶色などナチュラルな色合いをした個体が多いのですが、突然変異で黄色っぽい個体やピンク色をした個体も存在するようです。トノサマバッタはコオロギのように脚をこすり合わせることで音をだすことができます。

 

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寿命

出典:廿日市市の自然観察

トノサマバッタの寿命は約3ヶ月です。半年近く生きる個体もいるようですが、飼育下でも飼育スペースが狭いことでストレスがかかりますのでそれほど長生きはしないでしょう。

累代飼育に挑戦する場合はアクアリウム飼育に使用するキメの細かい砂を若干湿らせて厚めに敷いておくと産卵することがあります。

夏の終わり頃に採集したトノサマバッタのメスは交尾を済ませていることも多いので産卵する可能性は高いでしょう。

 

 

トノサマバッタの飼い方

出典:Yahoo!きっず図鑑

飼育環境

トノサマバッタは脚力が凄まじく飛翔能力にも優れているので小さなプラケースで飼育することは若干ムリがあります。

可能ならベランダや庭などに広くネットで囲ったスペースで飼育することをお勧めしますが、20cm程度のプラケースでも飼育することはできます。

 

観賞用として飼育する場合は基本的に餌と飲水を含ませたスポンジ以外は入れないようにします。ただ水分の多いスポンジを床に置いてしまうとケース全体が濡れてしまうのでペットボトルのキャップなどに入れて置くことをお勧めします。

餌は3日に一度程度交換したほうが良いですが、1週間程度なら食べられる状態のまま維持できると思います。

トノサマバッタは外敵が近づくと飛翔する傾向にあるので突然人影が現れると飼育ケースに勢い良く頭をぶつけて体の一部が損傷してしまうかもしれませんので注意が必要です。

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繁殖

出典:廿日市市の自然観察

繁殖に挑戦する場合はオスとメスを数日間だけ同居させて交尾が確認できたら別の容器に移し替えます。ずっと同居させていると延々と交尾をし続けることが多いので、余計な体力を使ってしまい短命に終わる傾向にあります。

幼虫を飼育する際に過密気味に育成すると色が黒っぽく飛翔能力に優れた成体へと成長して単独や2~3匹程度の少数で飼育すると緑が際立った美しい個体に成長します。

なかには中間的な色合いの成体も存在するようなので、どのようなトノサマバッタを作出したいかによって幼虫の育成方法を変えてみるといいのではないでしょうか。

 

ただ集団で育成する事によって生まれる群生相と呼ばれるタイプのトノサマバッタは肉食性が強いため攻撃的な性格になり共食いをする可能性が高くなります。

ただ様々な雑草を食べるようになるので単独で飼育した場合よりも管理しやすくなるメリットもあります。

 

また累代飼育を目的とするなら単独で飼育したトノサマバッタの方が一度の産卵数が多いので上手く行きやすくなります。

トノサマバッタは一年の間に2代進むと言われていて、最初に孵化したトノサマバッタの卵は一月ほどで発生してその夏の間に成体へと育ちますが、二代目に孵化した個体たちが産卵した卵は翌年まで孵化することはありません。

 

これは温度が一定以上高いと孵化することを指しており、屋内飼育だと加温すれば一年中トノサマバッタの飼育を楽しむことができます。

冬季に加温する場合はパネルヒーターを使用してプラケースの底を温めるようにします。

底床を敷き詰めていると上手く温度が上昇しない場合があるのであまりに低温になる場合は側面にも設置すると良いでしょう。

 

 

餌の与え方

出典:倉敷昆虫同好会

トノサマバッタはイネ科の植物を好んで摂食するようです。公園や空き地に生えているイネ科の雑草を与えるだけで問題ありませんが、なかには農薬の影響を受けた雑草もあるため注意が必要です。

水分は植物から摂取するため与える必要はありませんが、念のために湿らせたスポンジやワタなどを入れておくと安心です。

新鮮な葉っぱを好んで食べるので枯れてしまったものは与えないようにします。時期的にイネ科の植物が手に入らない場合はレタスを与えると良いと言われています。

 

 

その他の虫と一緒に飼えるのか

トノサマバッタは草食性が強い種類ではありますが、餌が枯渇した環境だと昆虫を食べることもあるので他種との同居はあまりお勧めできません。

ただ大量の餌を用意できる環境だと問題が起こらないことが多いので様子を見ながら同居させてみても良いでしょう。

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