皆さんがイメージをするカマキリと言えばきっと緑色をしたあのカマキリではないでしょうか?ですが、世界にはとっても美しくてカッコイイ種類のカマキリがいるんですよ。
弱肉強食の世界で生き抜くために進化したカマキリたちの美しくカッコイイ姿をご覧ください。
カマキリについて
カマキリといえば6本脚で前脚の2本が鎌状になっており、逆三角形の頭と飛び出しているように見える目が特徴的ですね。そして多くのカマキリは飛ぶ事が苦手なため、せいぜい短距離を直線的に飛ぶのがやっとです。
オスの身体はメスに比べると細く軽いため飛んで移動する事もありますが、メスの場合はオスよりも体重も重くよほどの事がない限り飛ぶことはありません。
ですがカマキリにも翅はあります。この翅は主に威嚇などに使われることが多く、翅を広げ体を大きく見せたり、両手の鎌を振りかざしたり、踊っているように見えるなど・・・。
これらの行動もカマキリの魅力の1つといえるでしょう。
肉食で有名
カマキリは昆虫や小動物を食べるなど肉食性で有名です。自分の身体の何倍もの大きさの動物や昆虫を捕まる事もあり、スズメ・クモ・ヘビ・カエルなども捕食する事があります。
そしてカマキリは共食いをする生き物としても知られています。
身体の小さなオスが身体の大きなメスに近づくと食べられてしまう事があり、自然環境下では交尾の最中であっても食べられてしまう事があるためオスにとっては非常に命がけといえます。
なぜ共食いをしてしまうかについては未だ研究中ではあるものの、飼育環境下において高密度に固体が存在し餌が不足している場合が多く交尾の際の共食いについてはメスが自分より小さくて動く物を餌を思い捕食する習性に従っているにすぎないと見られています。
世界に生息するカマキリの種類
では、カマキリは一体何種類ぐらい存在するのでしょうか?現在では世界で約2000種類ほど生息していると言われています。
その中で日本に生息するのは約10種類ほどです。国内外問わず人気のカマキリをいくつかご紹介していきましょう。
オオカマキリ
出典:Wikipedia
日本最大のカマキリといえばオオカマキリです。全体的に緑色をした固体が多いですが、茶色系統の固体も存在します。
オオカマキリは日本産のカマキリで北は北海道から南は対馬まで生息しています。
チョウセンカマキリとよく似ているため間違えられやすいですが後ろの翅の付け根を中心とした大部分が暗紫褐色なので区別する場合はこの部分を見て区別しましょう。
ハナカマキリ
出典:Yahoo!きっず図鑑
東南アジアに生息する見た目が美しいカマキリです。名前を聞いた事ある方も少なくないのではないでしょうか。ハナカマキリはランカマキリとも呼ばれています。これは特定のランの花に擬似するためそう呼ばれています。
ハナカマキリの擬似はとても見事で、擬似をしている時は一見どこにハナカマキリがいるのか分からない程です。
幼虫の頃は赤と黒の混ざった色をしておりカメムシに擬態して身を守っていますが、脱皮を重ねていくと段々とランの花びらのような姿になり身体の色も薄ピンク色が混ざった色へと変貌します。
そして他の大型のカマキリとは異なりオスメス共に飛ぶ事ができます。
ニセハナマオウカマキリ
出典:有限会社プラスト
エチオピアやケニアなどアフリカに生息する最大種に分類されるカマキリです。さすが名前に「マオウ」と付くだけあって、大きさといい見た目といいとても迫力のある姿をしています。
カマキリが好きじゃない方でもこの見た目に魅了される人も多いかもしれません。
ニセハナマオウカマキリは幼虫の頃は褐色ですが成虫になるにつれて鮮やかな緑と白の迷彩模様に変わります。
また、カマキリの寿命は約1年程なので飼育するのであれば幼虫の段階から育てるのが良いでしょう。
ゴーストマンティス
アフリカやマダガスカル島などに生息するカマキリです。ゴーストマンティスは朽ちた枯葉のような姿をしており、その見た目から日本では亡霊カマキリや幽霊カマキリとも呼ばれることもあります。
身体の色は黒に近い色から緑がかった灰色まで様々です。ゴーストマンティスのサイズは5cmほどと小さく、カマキリの種類の中では小型種に分類されます。
そして海外でもとても人気が高く、日本ではオスとメスのセットで1万円前後で販売されるなど非常に高価になっています。
ペットとして飼育する上での不安点である共食いですが、ゴーストマンティスは他のカマキリに比べると共食いが少なく複数での飼育も可能のようです。
カマキリの飼育に必要なもの
飼育ケース
使用するのは昆虫用のケースで十分です。明らかに小さいものや狭すぎるものはやめましょう。
脱走しないようにフタは必ず閉めるようにしてください。また、1日数時間程度カマキリに日光浴をさせてあげるのも良いでしょう。
土と止まり木
カマキリのストレスを減らすために生息している環境に近づけるため土や草、葉っぱなどを入れます。
そしてカマキリが休めるように枝や葉の付いた止まり木を用意します。公園に落ちている枝などでも良いです。カマキリは止まり木で脱皮をするので必ずケースに入れてあげてください。
お水
カマキリも水分を摂ります。小さく平たい容器に脱脂綿を水に含ませた物を置きます。脱脂綿の交換はなるべく毎日行ってください。
もしくは、霧吹きなどでケースの内側や葉っぱなどに水を吹きかけてもいいです。
カマキリのペットとしての飼い方
これだけ美しくてカッコいいカマキリがいるのならペットとして飼育をしてみたいと思う方もいるはずです。また、子供の夏休みの自由研究などにもぜひお役立てください。
餌の与え方
カマキリは肉食なので生きた餌しか食べません。コオロギ・餌用ゴキブリ・バッタ・ハエなどがありますが、毎日用意出来ない場合は肉や魚などを小さく食べやすい大きさに切りピンセットで細かく動かし生きているように見せて与えます。
餌の回数は1日~3日に1回、カマキリが挟めるサイズの餌を1匹~3匹程度で十分です。ただし、餌の与えすぎには注意しましょう。
飼育する上での注意点
何度もご説明したように、カマキリは共食いを行う生き物です。複数のカマキリを同じケースに入れて飼う事はしないように気をつけてください。
もし繁殖をさせたい場合はオスとメスを同じケースに入れてペアリングを行います。ただし、ペアリングを確認したあとは必ず引き離さなければいけません。
そのままにしておくとメスがオスを食べてしまいます。また、繁殖を控えたメスには少し餌を多めに与えてあげると良いでしょう。ペアリングの時期は8月終わり~9月頃です。産卵は9月~10月頃に生みます。
産卵について
カマキリは卵嚢を止まり木などに産み付けます。1度に何個もの卵嚢を産み、卵嚢の中には何百個もの卵が入っています。
そのまま放置しておくと卵から孵った赤ちゃんたちがケースに充満してしまうので卵嚢を取り外し他のケースに移すなどしましょう。
また、冬の暖房が入った部屋に置いておくと早めに孵化してしまうので屋外もしくは暖房の入らない場所で保管するのがベストです。
そして卵から孵った赤ちゃんカマキリはとても小さいです。ケースの小さな隙間や空気口から逃げ出してしまう可能性がありますので、注意してください。
まとめ
繁殖をしなければ飼育はとても簡単なカマキリです。寿命は1年ほどと短命ではありますが、子供でも簡単に飼育が出来る昆虫なので虫捕りをして飼育をして、命の大切さを学ぶためにもいかがでしょうか。
ペットショップではあまり販売はされていませんが通販で購入する事もできるので、様々な種類を集めて飼育したり幼虫から美しくカッコイイ成虫へと成長する過程もぜひ楽しんでください。