グッピーの飼育方法と必要な物|水温、水質は?

熱帯魚と言えば、グッピーの名前が思いつく人は多いのではないでしょうか。ホームセンターなど身近な所でも手軽に購入することが出来、またその飼いやすさからアクアリウムを始めようと思っている人は、一度は飼育を検討したことがある種類なのではないでしょうか。

また暖かい地域では用水路の中で見つける事があるほど、水質にもそれ程うるさくはなく飼いやすさにも定評があります。大きく成長しない為30センチ程の小型の水槽から飼うことも出来、何よりもその独特のカラーと模様がキラキラと水の中を漂う様子はまさに宝石のように美しいものです。

一見手軽に飼える熱帯魚=グッピーと思っている人も少なくありません。しかし「熱帯魚はグッピーに始まりグッピーに終わる」と言われるほど、奥の深い魚です。アクアリウムをこれから始めようと思っている人にも、すでに始めている方にも楽しんで読んでいただければと思います。

 

熱帯魚グッピーの特徴とは?

生態や生息地

ラテンアメリカに広く生息する卵胎生メダカとして扱われています。非常に鑑賞性が高く同じ色の親同士を掛け合わせても同じ配色になることは少なく他種よりも品種の固定が難しい種類となっています。

ただ繁殖力が凄まじく1ペアのみで飼育していても半年後には大量のグッピーで覆い尽くされるほど容易に増やすことができるので、似たような配色の個体を作出することは可能です。

 

熱帯魚の繁殖に挑戦する際の入門種としてお勧めできますが、一方で近親交配が進みすぎると奇形のグッピーが大量に孵化するなど多くの問題が発生しますので、餌用に飼育している場合を除いては新しいグッピーを購入するなどの対策が必要です。

意図的に模様や色合いを固定することは難しいと言われていますが、やはり美しい個体から生まれる子どもは美しい事が多いためとても奥が深いペットといえます。

 

 

販売価格

安価な個体だと数十円程度で販売されることが多いのですが、流通する個体の多くは美しい個体を選別しているため数百円~数千円する個体も珍しくはありません。

そのため自宅の水槽で増えすぎてしまったグッピーをショップに持っていっても観賞魚として引き取ってもらうことは難しく多くは餌用に販売されるか断られるでしょう。

観賞用に飼育する場合は残酷と捉えてしまう方は多いかもしれませんが間引くことも大切なことです。仮に間引かずに年々増え続けるグッピーを放置しておくと過密飼育によってアンモニアが大量発生し、水槽内の環境が崩壊してしまいますので注意が必要です。

 

 

グッピーの飼育に必要なもの

  • 水槽
  • ヒーター・冷却ファン・水温計
  • 濾過装置・モーター
  • 底砂
  • 照明
  • 水草

 

水槽

まず用意する水槽についてです。先ほども述べましたように、グッピーは小さい水槽でも十分に飼育する事が出来ます。小さい水槽の方が掃除も水替えもしやすく移動も簡単に出来るため、便利なように思うかもしれません。

しかしここで注意しておきたいのは、水槽が小さいと水替えが楽と一言では言い切れない所です。何故なら水槽が小さいと言う事は、水量も少ないと言う事です。そうなると水質の劣化が早くなりやすく、割と頻繁に水替えを行わなくてはなりません。

 

30センチの水槽でも、水を入れれば結構な重さになります。勿論住宅の都合や、置き場所の都合で小さな水槽にするしかない場合があります。そんな時は出来るだけ早く水質の変化に気づけるように、気を付けてあげてくださいね。私のおススメは60センチからの大きさの物です。

大きい方が水質は安定しやすいのですが、中々90センチや120センチの水槽を余裕でおけるスペースは少ないですし、ここまでのサイズとなると台や床の補強まで考えなくてはなりません。

 

メンテナンスまで考えて、サイズを決めるのが良いかと思います。またサイズとあわせて考えたいのが、グッピーの飼育数です。目安としては1リットルに対して1匹ですので30×30×30センチの水槽でしたら、約25リットルくらいになりますので、25匹が中に入れれる最大量です。

60×30×36センチの水槽でしたら60リットルくらいですので、最大60匹ほどが理想です。しかしグッピーは繁殖力が強く増えやすい為、スタート時から沢山入れずに少しずつ様子を見ながら増やしていくのがいいかと思います。

 

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ヒーター・冷却ファン・水温計

次にヒーターですが、これは必ず必要です。グッピーの適温25度前後です。暑すぎても寒すぎても病気にかかりやすくなります。ですので冬はヒーターで適温を保ち、夏は水温が上がり過ぎないよう注意してやる必要があります。

ヒーターには様々な種類があり、サーモスタットつきのものがおススメです。またサーモスタットは内蔵されている物もあり、見た目もシンプルで使いやすいかと思います。

 

デザインも様々な物がありますので、水槽を置く場所やレイアウト、性能性によって決めてもいいかもしれません。夏の間、あまりにも水温が上がるようでしたら、冷却ファン等を利用して適温に保てるようにしてあげてください。

またサーモスタットも壊れてしまうと言う事がありえますので、水温計は設置しておきましょう。

 

 

濾過装置・モーター

濾過装置は本当に様々な物があります。簡単な物でしたら投げ込み式があります。濾過装置との中で最も良く見かける物ではないでしょうか。メリットは金額とメンテナンスのしやすさです。様々なサイズがある上に、手に入れやすいというのもあります。

メンテナンスも新しいスポンジと交換するだけなのでとても簡単ですが、投げ込み式に限らずフィルターを交換するものは、そのフィルターに住み着いている良いバクテリアまで失ってしまうのがネックです。

 

そこで私は底面ろ過式をおススメします。フィルターを使わず底砂をフィルター代わりにして、エアーリフトで水を循環させます。

この場合底砂を厚めにしなければならず、水槽自体がかなりの重さになるので、我が家の60×45×45センチの水槽は設置して2年半、一度もその場所を動いた事はありません。

 

しかし水質が露骨に劣化したり、立ち上げから始めなければならないような事にはなっていないので、今のところ掃除後にせいぜい水を3分の2程の入れ替えで終わっています。

今まではフィルターが殆どでしたが、交換をこまめにせず立ち上が家らやり直しと言う事が多かったので、私にはこの方法が合っているのかと思います。

モーターのサイズも様々で、大きさにより力が違うので使用する濾過装置に合ったものを選んでください。静音の物やオシャレなものなど種類も豊富にありますので、その中から適切な物を選び、是非ご自身に合った方法を見つけてみて下さいね。

 

 

底砂

水槽の下になにも入れないと言う飼育方法もありますが、砂もカラー等が豊富になりレイアウトの一部として、投入している人も多いのではないでしょうか。

お気に入りの砂を入れたくなる気持ちはわかりますが、投入する砂によって水質が変化してしまします。国産グッピーでしたら弱酸性~中性付近のもの、外国産でしたら弱アルカリ性に傾くものがおススメされています。

どちらにしても、急激な水質の変化はよくありませんので、注意してあげてください。

 

 

照明

水槽の置かれた環境によっては必要のないものかもしれません。しかし折角ですから水槽の中を美しく見せてくれる照明は用意しておきたいものです。

照明の種類は大きく分けて「蛍光灯」「LEDライト」「メタハラ」の三種類です。それぞれに特徴があります。

 

 

蛍光灯

種類が豊富。手軽に入手しやすい。安価である。ついているランプを交換するだけで、様々な色や明るさに変更出来る。デメリットとしては、交換時期が他の物より早いと言う事がいえます。

 

LED

水草に向いている商品が増え始めた。オシャレな物が多い。長持ちする。光の色をスイッチ一つで切り替える事が出来る。デメリットとしては、やはり光量が必要な水草水槽には向いていないと言う所でしょうか。

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メタハラ

最も太陽光に近い。深い水槽にも、下まで光が届きやすい。自然な陰影を作る事が出来る。デメリットとしては高温になりやすい、設置する時全体的に高価になる。

これがすべてではありませんが、どれにも一長一短なところがあります。設置環境やコストパフォーマンス、またはレイアウトによってどのタイプが適しているのか、考えてみる必要があります。

 

水草

水草はあってもなくてもと意見は分かれますが、私は是非入れていただきたいと思います。理由は見た目の美しさもありますが、やはり自然に近い状態の方が、グッピーにとって何より良い環境なのではないかと思うからです。

水草は何より稚魚の隠れ家にもなり、生存率がぐっと上がります。一口に水草と言っても様々な種類があり、近くのお店にあるメジャーな物から、ネットで買える珍しい植物まで様々です。

 

しかし優先しておきたいのは、グッピーの住む水質に合っているか、また柔らかい水草であるか。というのも大切になってきます。柔らかい水草であるかというのは意外と大切で、硬い葉っぱですとグッピーの綺麗な尾ひれを傷つけてしまう事になりかねません。

グッピーは特によく泳ぐ魚ですので、水草に限らず石や枝やオブジェなどを入れる時も同様に気を付けてあげて欲しいと思います。さて、水草のおススメと言えばマツモやウィローモス、ウォータースプライトではないでしょうか。

 

マツモは水面に浮かべるだけでも育ち、稚魚の隠れ家になりやすいです。同じようにウィローモスも底砂に這うように育てれば、産まれたての稚魚が隠れる事が出来ます。

そしてウォータースプライトは昔から「グッピーと言えばウォータースプライト」と呼ばれる程、グッピーとの相性が良い水草です。グッピーが好む弱アルカリ性の水質で育ち、低光量でも育成が可能なので水草初心者の方でも、大変育てやすい水草です。

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グッピーの飼育方法

お迎え

水槽の用意が出来たらすべてを設置し、1週間程から回しをします。その後いよいよ購入等して水槽に魚を入れるわけですが、魚を買う時にはメスを多めに買ってあげて下さい。

オスの方が多いと、メスは四六時中追い回され疲れてしまいます。理想はメス3匹くらいに対し、オス1匹くらいがいいです。

 

そうして家に連れて帰って来たら、まずは水合わせをしなくてはなりません。元々いた場所の水質と温度が急に変わると、流石のグッピーでも星になってしまう確率があがります。

とても大切な水合わせですが簡単な方法としては、水の上に買ってきたままの袋を浮かべ、口を開けて水槽の水を少し入れます。

 

それからまた少ししたら、また水を入れしばらくそのままにします。これを繰り返して徐々に水槽の水質と水温に合わせていき、完全に合わさればグッピーを水槽に入れ、投入完了です。

来たばかりのグッピーはストレスを感じていますので、その日は餌をやらず(気になるようなら少しだけ)にして、そっとしておきます。

 

 

水質や水温

グッピーは水質悪化や水温変化に対する耐性があるので超小型水槽でも問題なく飼育することができます。ヒレが立派な種類なので大きく見えますが、目安としては一匹あたり2~3リットルと考えて飼育水槽の水量から飼育頭数を計算してください。

使用フィルターについては酸素含有量が不足しがちなためエアレーションを接続する投げ込み式やスポンジフィルターがオススメです。

 

本来であれば熱帯魚をお迎えする前に1ヶ月ほどバクテリア定着のための立ち上げ期間を設けるものですが、本種はパイロットフィッシュにも使われるので、ショップで生体と同時に水槽を購入してしまっても問題が起こることは少ないでしょう。

グッピーは熱帯魚に分類されているほど耐寒性が弱く多くの個体は10℃を下回ると落ちてしまうので冬場はヒーターを稼働させてください。一方で暑さに対しては強い面があるので夏場は40℃を超えなければ落ちることはないでしょう。

 

ただし過密飼育している場合は飼育水が痛みやすく水温ではなく水質悪化によって落ちる個体は見受けられるため注意が必要です。本種はヒレが長い個体もいますが、メダカのようにスリムな体型の個体もいるので飛び出し事故の対策として必ずフタをするようにしておきましょう。

水草水槽との相性はよく食害の心配もあまりありませんし、積極的に繁殖をさせたい場合は水草が隠れ家となり親魚に食べられる可能性が減りますので、水草導入のメリットは多くあります。

ただし水草を植えるためにソイルを使用してしまうと水質を弱酸性に傾けてしまいますので底床は水質に影響を与えないものを使用することをお勧めします。

 

 

餌の与え方

餌は1日に2回、少量ずつあげましょう。目安は数分で食べきってしまう程度です。1度に沢山あげ過ぎると残った餌が水質を悪化させますので、食べきれる量か残ったものはすぐに捨ててしましましょう。

このような時にスポイトがあれば、水替えをせずに汚れだけを取り出せるので、とても便利です。

 

グッピーは環境さえ整えば、どんどん出産して増えていきます。産まれたばかりの稚魚が隠れる所もないようでしたら、別の水槽に分けてやるなりしてキチンと管理してあげましょう。

別の水槽が用意出来ないようでしたら、産卵箱と言うものも売っていますので利用してみるのもいいかもしれません。

 

 

混泳の相性

グッピーは多くの小型魚との混泳が可能なのでカラシンやコイと同居させても問題ありません。しかしベタに関してはヒレが長いグッピーを同種と勘違いして喧嘩を吹きかけることが多いのでお勧めしません。

またエンゼルフィッシュほどの大型魚になると捕食される可能性が高いので観賞魚としてグッピーを泳がせる場合は混泳させないほうが無難です。シュリンプ類との混泳は問題なく行えますが稚エビは捕食されてしまう可能性があります。

 

 

なりやすい病気

グッピーは導入時や水質悪化が進むと病気が蔓延し易い種類です。主な病気としては白点病や尾ぐされ病、水カビ病などが挙げられます。

いずれもメチレンブルーや塩浴などで対処できますが、グッピーエイズと呼ばれる本種にしか感染しない病気に罹ると混泳している個体全てに蔓延して致死率も高く対策することができません。

あえて対策するとすれば購入してきた新規個体をすぐに飼育水槽に導入するのではなく、一週間ほどメチレンブルーなどを入れた別水槽でトリートメントしてから導入することである程度効果が期待できます。

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まとめ

必要な道具に関しましては、上記のものが最低限必要になり、これ以外にも水槽の下に引くマットや掃除道具、水草があれば管理する為の鋏やピンセット、水槽の背面に付けるためのバックスクリーン、苔を取る為の道具、水をくみ出す為のプロホース、水質の調整剤等々・・・状況により様々な道具が必要になります。

とはいえ上記の物で十分飼育は可能ですので、とりあえず揃えて必要な物はその都度買い足すのがいいかもしれません。自分好みの水槽に、是非挑戦してみてください。

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