オウムガイの飼育方法|販売価格、寿命は?

生きた化石として有名なオウムガイ。水族館や教育機関など専門的な知識を必要とするイメージの強いオウムガイですが、実は自宅でもマリンアクアリウムで飼育することができます。

今回は古代生物のオウムガイについて飼育方法や餌などをご紹介したいと思います。

 

オウムガイの特徴とは?

オウムガイは5億年前より姿を変えず子孫を残し続けてきた軟体動物です。先祖は「チョッカクガイ」と呼ばれる生物ですが、現在のオウムガイと大きく変わったところはありません。

本種はタコやイカ、アンモナイトなどと同じ頭足類に分類されており大きな貝殻を持っているのが特徴的です。

オウムガイはそれほど珍しい生き物ではなく国内でも多く流通しており安価で販売されています。動きはゆっくりとしていて視力はあまり良くありません。

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生息地

太平洋~インド洋にかけて生息しています。

深海に棲んでいるイメージがありますが、水深100~600mに生息しているためショップで販売されている一般的な水槽で飼育することができるのです。

 

種類

出典:Life is step

オウムガイの貝殻は身体を格納する部分と空洞部分に分けられています。空洞部分にはガスと液体が入っていて容積を調節することで浮き沈みをする仕組みとなっています。

この殻は強い水圧に耐えることが出来ないため水深600m以上の水圧で壊れてしまいます。また、殻には浮力があるため遠くの岸辺まで漂流し、日本沿岸で見つけることもできます。

 

オウムガイは5種類存在しており、

  • ヒロベソオウムガイ
  • パラオオムガイ
  • オウムガイ
  • コベソオウムガイ
  • オオベソオウムガイ

が生息しています。この中のオオベソオウムガイは鳥羽水族館で繁殖に成功したことで有名です。

 

販売価格と入手方法

価格は1~2万円程度で購入することが出来ます。また、海水魚やサンゴなどを取り扱っているマリンアクアショップや大手通販サイトで販売されているようです。

オウムガイは生体価格よりも飼育機材に十数万円ほどの投資が必要です。

 

寿命

出典:ダイブショップ サンライズ

飼育下でも3~4年以上生きると言われています。自然環境下だと20年以上生きるので飼育機材にこだわると飼育下での寿命も延ばすことができるでしょう。

長生きさせるためには適度な水圧と低水温で飼育する必要があるそうですが、自宅でオウムガイにとって最適な環境を用意することは現実的ではありません。

ちなみにオウムガイは殻の成長速度が遅く成熟するまでに長い時間を要します。

 

性格

オウムガイは夜行性で明るい昼間は水槽の側面に張り付いて休んでいます。しかし、人慣れし易い性格をしていて水槽に近づくとオウムガイから寄ってくるようになります。

給餌の際は鋭いクチバシで怪我をする恐れがありますので箸やピンセットで餌を与えるようにしましょう。観賞用ペットではありますが、愛嬌があり懐いているような感覚を味わえますのでペット向きの生き物といえるのではないでしょうか。

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ペットとしてのオウムガイの飼い方

出典:Wikipedia

飼育環境

体長20cmにまで成長するため1匹で60cm規格以上の水槽を用意してください。水をよく汚すのでベアタンクで飼育するとメンテナンスが楽になるでしょう。

水温は20℃前後を保つように配慮して殺菌灯やクーラーの設置をしてください。冬季は温度調節のできるヒーターを利用してください。

 

ろ過システムについては底面・上部・外部式など様々な機材が販売されていますが、水質悪化に弱いオウムガイにはオーバーフロー式ろ過システムが最もオススメです。

オーバーフロー式とは水槽の下に大きな濾過槽を設置してポンプにより水を循環させます。とても高額なろ過装置ですが濾過能力やメンテナンス性は抜群です。またポンプ以外の装置は水槽の下に隠すことができるのでインテリア性も期待できます。

 

餌の与え方

オウムガイは肉食性が強くエビや魚の切り身を与えましょう。特に魚介類でなくても問題はなく、鶏肉や豚肉の切り身を与えても食いつきます。

給餌の際は動きが遅いためピンセットを活用して触手に近づけると食べ残し対策にもなります。

 

複数飼育

オウムガイは鋭いクチバシを持っており混泳すると他の生体が捕食されてしまいます。オウムガイ同士は混泳可能なようですが、水質悪化に弱く相当量の水量を確保できる大型水槽が必要になります。

ペアで飼育すると繁殖した例もあるため挑戦してみると面白いかもしれません。

 

 

お迎えする前に

オウムガイは海水生物を取り扱っているショップで販売されていますが、必ず在庫があるわけではありません。飼育環境を勉強するためにも水族館で一度実物を観察することをお勧めします。

オウムガイは飼育環境を整えることが難しいため展示している水族館は多くありませんが、鳥羽水族館は繁殖にも成功しているため飼育環境のお手本といえるのではないでしょうか。

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まとめ

図鑑やテレビでしか見たことがない人も多いオウムガイ。手軽ではありませんが、実は自宅で十分に飼育可能なペットだったのです。

お子様のいるご家庭では勉強にもなりますし、慣れやすい生き物なのでペットとしてとてもオススメできます。

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