淡水に生息するシュリンプの種類はそう多くはありませんでしたが、人間の手によって品種改良が繰り返されて今では多様な観賞用シュリンプが市場を賑わしています。
特にレッドビーシュリンプは人気が高く、高いグレードの個体ともなると数万円~数十万円の値がつくほどになります。
また、アクアリストの中ではレッドビーシュリンプだけではなく、シャドーシュリンプと命名された近縁種も人気があります。
近年人気を集めているシャドーシュリンプの詳しい飼育方法や注意点などをご紹介していこうと思います。
シャドーシュリンプとは?
もともとはビーシュリンプであったものを品種改良して作出された観賞用のシュリンプです。
種類
一口にシャドーシュリンプといっても
- ファンシービーシュリンプ
- レッドシャドーシュリンプ
- ターコイズシャドーシュリンプ
- ブラックシャドーシュリンプ
など様々なバリエーションが流通しています。
レッドビーシュリンプとの違いとしては、白色をベースに赤色や黒色のバンドが入っているものはビーシュリンプ、黒色や赤色をベースに白色のバンドが入っているものがシャドーシュリンプと呼ばれることが多い印象を受けますが明確な違いはないようです。
ただ、レッドビーシュリンプのような如実にランク付けされるものは色濃い個体を作出するのに苦労する一方で、シャドーシュリンプはそれほど神経質にならなくても色の濃い綺麗な個体を作出しやすい点が挙げられるでしょう。
また、シャドーシュリンプは個体差が少ないため価格差がそれほど大きくなく、安定して500~3000円程度で流通している点が特徴と言えるのではないでしょうか。
ちなみに、◯◯シャドーシュリンプと命名されている種類は台湾で作出されたものが多く、ピントシュリンプと命名されているものはドイツで作出されたものが多いようです。
ピントシュリンプは、シャドーシュリンプに近い品種ではありますが、配色がゼブラ模様のようなハッキリとしたものではなく、マダラに配色されている点が特徴です。
販売価格
出典:アクア日和 By爆えび
シャドーシュリンプの販売価格は約1500円とチェリーシュリンプと比較すると高価な印象を受けますが、レッドビーシュリンプと比較すると安価な印象を受けます。
専門店では明確にビーシュリンプとシャドーシュリンプを分けて販売されていることが多いようですが、一般的な総合ペットショップではまとめて「ビーシュリンプ」として販売されていることもあり、自己判断で識別する必要が出てきます。
また、それほど高価なシュリンプではないにしても数千円ほど支払うため、通販サイトやオークションで購入することはあまりお勧めできないでしょう。
寿命
シャドーシュリンプは原種と比較すると近縁な遺伝子を組み合わせている分、免疫力などが弱くなっていることもあるせいか、それほど長生きはしません。
長くても2年で多くは1年以内に寿命が尽きてしまいます。そのため、シャドーシュリンプは雌雄を混泳させて累代飼育を楽しむペットであると言えます。
稚エビはフィルターに吸い込まれたり混泳させている魚の餌となることがあるため、特に注意しないと全滅してしまうこともあります。
シャドーシュリンプの飼育方法
出典:水草工房メイキング
水質・水温
基本的に弱酸性の水質で高水温に気をつけていれば問題なく飼育することができます。あまり水質悪化に耐性がないため、水量は余裕があるくらいが良いでしょう。
底床は弱酸性に傾ける作用のあるソイルを使用することが多く、添加剤を使用しなくても良いためメンテナンス性にも優れているのでオススメです。
PHは6~7程度を目安に水槽を立ち上げてください。また、水温は20度を下回らず28度を上回らないように意識しながら調節してください。
夏季に送風式のクーラーを使用する場合は飼育水の蒸発量が多いため、水量が減ってしまい水質悪化に繋がる可能性が高いことに留意しましょう。
生息環境的にはビーシュリンプやチェリーシュリンプなどの他種シュリンプと同じなので混泳させることはできますが、交雑してしまい子どもがイマイチな色合いになってしまう可能性は十分にあります。
混泳の相性
出典:AquanA
混泳については、口の小さなオトシンクルスやネオンテトラ、貝類とは可能ですがエンゼルフィッシュやアナバスのような肉食種とは不可能です。
上記でオトシンクルスやネオンテトラとは可能と記載しましたが、稚エビは非常に小さいため餌と勘違いして捕食される危険性があるため、累代飼育に挑戦する方はシャドーシュリンプのみで管理することをお勧めします。
ろ過装置
ろ過装置は稚エビ吸い込み防止策としてキメの細かいスポンジを給水口に装着してください。
基本的に水草水槽のようなコケの生えやすい環境ではそれほど給餌する必要はありませんが、苔の生えない初めのうちは人工飼料などを与えてください。
シュリンプ類は薬剤に弱いため、薬浴に使用した水槽や農薬の含まれた水草を使用することは厳禁です。
魚類と混泳させている場合は病気になった個体を別水槽で薬浴するようにしてください。