タツノオトシゴのペットでの飼育方法、販売価格は?

タツノオトシゴと呼ばれ多くの人々に親しまれているカリビアンシーホース。ラッパのような形状の口や長い尻尾の先がくるりと巻かれている特徴的なシルエットを持つ本種は流通量が少なく店頭に並ぶことが珍しいこともあり、マリンアクアリストにとって憧れの存在です。

ただ意外にも飼育難易度はそれほど高くはなくサンゴやイソギンチャク飼育のほうが難しいのではないかと言われるほど初心者からでも十分に飼育することができます。カリビアンシーホース飼育を失敗しないために必要なノウハウやコツを紹介したいと思います。

 

カリビアンシーホースとは?タツノオトシゴ?

熱帯や温帯地域の大西洋に生息するトゲウオ目に分類される魚の一種です。国内では頭部が馬の頭部に似ていることから海馬や馬の子などと呼ばれて親しまれています。

日本国内においても約8種類のタツノオトシゴを観察することができ代表的なものとしてハナタツやタカクラタツ、クロウミウマなどが生息しています。

本種は魚類に分類されているが食用として流通することは少なく完全な観賞魚として動物園や水族館で展示されて人気を博しています。珍しい見た目とは裏腹に飼育器具さえ揃えることができれば比較的簡単に飼育することができるので鑑賞性も高くオススメです。

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販売価格

カリビアンシーホース(タツノオトシゴ)は種類により大きく価格が異なりますが、平均的な販売価格は5000~7000円程度します。

高額になる理由としては輸出入に規制があるため流通量が少なく供給量が需要量を満たしていないことや人工飼料に餌付かないなどの管理の手間が必要であることが挙げられます。

 

寿命

明確な寿命はありませんが、飼育下だと約5年生存すると長生きしてくれたことになるのではないでしょうか。

生体価格は高額であまり長く生存しにくいカリビアンシーホース(タツノオトシゴ)ですが、繁殖は十分に狙えますので挑戦して累代飼育を目指してみてはいかがでしょうか。

 

 

ペットとしてのカリビアンシーホース(タツノオトシゴ)の飼育方法

飼育環境

カリビアンシーホース(タツノオトシゴ)は60cm規格水槽から飼育すると水質や水温を維持しやすく繁殖もうまく行きやすいでしょう。水温は25℃前後に設定して冬場はヒーター、夏場はクーラーを使用して管理します。

基本的に他の種類の魚介類とは混泳できないのでサンゴ水槽や単種で飼育することをお勧めします。カリビアンシーホース(タツノオトシゴ)のみで飼育する場合は隠れ家にもなるライブロックを入れると良いでしょう。

 

クリーナー生体としてはカリビアンシーホース(タツノオトシゴ)に危害を加えない貝類のみ導入することができます。

本種は水質変化や温度変化に弱いので導入時には必ず水合わせをしっかりと行う必要があります。フィルターは海水水槽で使用できるものならば種類は問いませんがなるべく濾過能力の高いものと酸素を供給できる補助フィルターを併用すると良いでしょう。

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餌の与え方

カリビアンシーホース(タツノオトシゴ)は人工飼料に餌付かないのでブラインシュリンプやワムシを与えます。

ただしこれらの生餌にはDHAなどの脂質が含まれていないので栄養強化剤や植物プランクトンなどを孵化させたブラインシュリンプやワムシに摂食させることで栄養を補う必要があるのです。

給餌には他の魚よりも一手間も二手間もかかりますが、これをするかしないかで1~2年ほど寿命が異なってきます。非常に稀な事例ですが冷凍イサザアミなどの冷凍エサに餌付く個体もいるようなので一度飼育環境に馴れた頃に挑戦してみると面白いでしょう。

 

繁殖方法

カリビアンシーホース(タツノオトシゴ)はメスがオスに卵を産み付けてそのままオスが子育てをする特性があります。オスは育児嚢と呼ばれる妊娠するために必要な袋状の構造をしているのでそこで受精をして2~3週間ほどで稚魚が孵ります。

雌雄の判別方法としては育児嚢の有無を確認することで見分けることができます。育児嚢は長い尻尾の付け根(下腹部)が滑らかな曲線を描いているかを確認することで分かります。

 

当然メスには育児嚢がありませんので他の部位同様に下腹部はゴツゴツとしています。しっかりと成熟したペアを同じ水槽で飼育しているとメスがオスに追いかけられている求愛行動が見られます。

交尾が終わって1週間ほどすると大きく下腹部が膨らんでくるのが分かります。一度には数百から千数百尾もの稚魚を産卵します。

 

孵化した稚魚はサテライトや専用の育成水槽に移してもいいのですが、特に親が捕食するなど危害を加える行動は観察されませんのである程度の期間そのままでも問題ないでしょう。

稚魚は浮遊しながら大きく成長するのでクラゲ飼育のように水槽全体に緩やかな水流を作ってあげることが大切です。

 

初期費用と維持費用

初期費用は最低でも5万円ほどは必要となるでしょう。維持費用は電気代・水道代・人工海水の素・餌代などが必要なので月々数千円程度かかります。

 

飼育で気を付けること

海水水槽は家電の近くに設置すると故障の原因となるので必ず風通しの良い直射日光の当たらない場所に設置しましょう。水換えの際は飼育水の塩分濃度と水温にしっかりと合わせて生体に与えるダメージを最小限に抑える配慮が必要です。

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