ヤマトヌマエビの飼い方|寿命・餌・水質・水槽は?

水槽のお掃除屋さんとして大活躍するヤマトヌマエビはアクアリストにとって無くてはならない存在です。大きさもミナミヌマエビよりも一回り大きいため鑑賞性に優れており、半透明な身体に黒い模様は非常に美しく神秘的なデザインに仕上がっています。

また飼育難易度もそれほど高くないため初心者の方にも安心してお迎えいただける汎用性に優れたペットともいえるでしょう。ヤマトヌマエビの詳しい飼育方法や基本情報などを余す所なくご紹介したいと思います。

 

ヤマトヌマエビとは?

出典:pepy

最大で5cmを超える個体がいるほど日本に生息するヌマエビの仲間の中では巨大な種類に分類されます。

カラーチェリーシュリンプのような色鮮やかな個体はほとんど存在しない一方で平均的に体色が色濃く黄金色に輝くラインと黒色の可愛らしい斑点模様が入っているため安定した鑑賞性を誇っています。

 

 

性格

基本的には穏やかな性格をしていますが、あまりに体格差がある甲殻類や弱った小型熱帯魚は捕食してしまう可能性も考えられるので混泳の際には注意が必要となります。

本種は大柄なためコケの摂食量も多く、水槽のクリーナー生体として同じく導入されるミナミヌマエビやチェリーシュリンプに比べると遥かに掃除能力に長けているため、アオミドロやコケの茂った水草水槽にはうってつけの生体と言えるでしょう。

その一方で柔らかい水草を食べてしまうこともあるため様子を見ながら導入することをお勧めします。

 

 

世界的にも有名なヌマエビ?

出典:便利だよ

ヤマトヌマエビは”ヤマト”と命名されているため日本固有種と考えられがちですが、実はマダガスカルなどインド太平洋沿岸の河川にも広く分布しているため、世界的にも有名なヌマエビとして知られています。

日本の気候にも十分に適応できるため飼育しやすい本種ですが、生息地としては温暖な地域が大半を占めていることからも水温はやや高めで設定したほうが調子良く飼育することができ、抱卵を促すことが出来るのではないでしょうか。

しかし、ヤマトヌマエビの産卵は汽水域で行われるため飼育下では累代飼育に挑戦することは難しく、特殊な器具や専門的な知識が必要となります。

 

 

寿命

ヤマトヌマエビの平均的な寿命は2~3年と言われていますが、10年近く生存する個体も珍しくないことから長期に渡って飼育を楽しむことができる甲殻類と言えるでしょう。

エビは生きている間は絶えず脱皮を繰り返して大型化するため、長寿の個体ほど巨体になる傾向にあるため、長生きをさせるほど迫力のある個体を観察することができます。

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ストレスの程度が寿命に大きく関わっていると想像できるため、なるべく薄暗く隠れ家の多い水草水槽で飼育して、水温と水質の急激な変化に気をつけながら管理すると長期飼育出来るのではないでしょうか。

 

 

ヤマトヌマエビの飼い方

出典:ヤマトヌマエビの飼育法(産卵~繁殖などの飼い方)

水質

ヤマトヌマエビは弱アルカリ性の硬水を好む傾向にあるため、あまり流木やソイルといった弱酸性に傾けるものとの相性は良くありません。

よく洗ったサンゴ砂や貝殻、水質に影響を与えにくいとされている大磯砂や川砂などを用いてレイアウトしていくことをお勧めします。

 

本種は水温変化と水質変化に敏感でダメージを負うと短命に終わってしまうことも多いため、導入時の水合わせは慎重に行い、2時間程度じっくりと行いましょう。

また、化学薬品や熱帯魚の病気治療に使用する薬剤に対する耐性がないため病気の熱帯魚と混泳させている場合は必ずヤマトヌマエビを別水槽に非難させてから薬浴させるようにしてください。

 

加えて、殺虫剤や蚊取り線香といったものもお部屋で使用すると水中に溶けて死滅させてしまいかねませんので、飼育部屋での薬品の使用は控えるようにしてください。

もちろん、アロマオイルも虫除けに使用されるほど刺激が強く甲殻類にいい影響は与えませんので注意してください。

 

 

水草・水槽

水草はマツモやアナカリスなどの弱アルカリ性で硬水の飼育水に適応しやすいものを導入するといいでしょう。ヒーターは必ずしも必要ありませんが、屋外で飼育している場合は氷が張らない工夫を施す必要があります。

メダカ水槽で使用されるグリーンウォーターはヤマトヌマエビにとっても快適な生活環境作りに適しているため、オススメです。

ヤマトヌマエビは水槽外への飛び出し事故が多いため狭い隙間も作らないようなしっかりと蓋のできるものを用意しておきましょう。ただし、密閉してしまうと酸素を取り入れづらくなるため飛び出さない程度の隙間は空けておくようにしてください。

 

 

餌の与え方

ヤマトヌマエビの食性は草食を中心とした雑食で、魚や昆虫の死骸を食べる姿も観察することができます。

飼育下ではコケ取り生体として期待されている一方で、餌を大量に与えているとそればかり摂取して一向にコケを食べてくれなくなるので、コケ取りを第一の目的とする場合はある程度掃除できてから給餌すると良いでしょう。

また、稚エビを捕食する可能性も否めないため、特にチェリーシュリンプやミナミヌマエビの稚エビを確認次第、隔離水槽へと避難させることをお勧めします。

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