ヤリタナゴの飼い方|寿命・餌・水槽の大きさは?

適切な飼育環境で飼い込むとみるみる美しい色合いへと変化していくヤリタナゴ。その美しさは熱帯魚とはまた違ったもので、日淡独自の色合いから非常にペットとしての人気も高い種類です。

綺麗な河川に生息していることから飼育難易度が高く初心者に嫌煙されやすい種類でもありますが、ある程度コツを掴んでしまえば非常に簡単に管理をすることができます。

そこでこの記事ではヤリタナゴをお迎えするにあたって知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。

 

ヤリタナゴとは?

本州各地の河川や池に生息する約10cmの日本原産淡水魚です。他のタナゴと同様に二枚貝に産卵することが知られており、累代飼育に二枚貝は欠かせません。

産卵期に入るとオスは美しい色合いになる一方で縄張り意識が強くなるため複数匹を同じ水槽で管理している場合は注意が必要となります。

 

婚姻色は非常に美しくエラや背びれ・腹びれが淡いピンク色に変色するため、非常に鑑賞性に優れています。

本種は食用として流通することもありますが、あまり美味とは言えないほど苦味が強く味の濃い佃煮などに加工して販売されることが多いようです。

また、生命力があり管理がし易いことから釣り用の餌として販売されていることもあるため比較的入手しやすい日淡と言えるでしょう。

 

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寿命

ヤリタナゴの平均的な寿命は3年程度と言われています。生後1年程度で成熟し、マツカサガイをはじめとする二枚貝に産卵します。

一般的に産卵や交尾には相応の体力を消費するため寿命が短くなる傾向にあるため飼育下では交尾を終えた雌雄は別々で飼育することでより長く飼育を楽しむことができます。

本種は沼のような水質悪化の激しい止水域にも生息していることがあるほど生命力の強い魚ですが、綺麗な水質と変化の少ない水温を保つことで長寿に繋げることができます。

 

 

ヤリタナゴの飼育方法

水量・水槽

ヤリタナゴは10cm程度にまで成長するため一匹あたりに最低限必要な水量は10リットルとなります。

そのため累代飼育に挑戦する場合はメス2匹とオス1匹を混泳するとして最低でも30リットルの水量を確保しなくてはなりません。

 

特に夏場になると水温が上昇するため水質悪化が激しく小型水槽での管理には手間を取られてしまいますので、60cm規格水槽以上で管理するのが望ましいでしょう。

底床に関しては川砂や大磯砂など弱アルカリ性の水質を保てる材質のものを選んでください。
ソイルは弱アルカリ性に傾けてしまい生息地の水質と異なりますし、サンゴ砂はアルカリ性に傾けすぎてしまうのでなるべく水質に影響の少ないものがオススメです。

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ろ過装置

ろ過装置は基本的に何でも問題はありませんが、オススメは上部フィルターや外部フィルターなどの流量の多いものです。

大食漢であるヤリタナゴは水を汚しやすい上に二枚貝の管理には水質にこだわらなければならないため、水量を底上げして濾過面積の広いものを選ぶのがいいでしょう。

 

 

フィルター

また夏季は酸欠に陥りやすいため投げ込み式フィルターやスポンジフィルターを補助的に入れておくと予防になる上に一つのろ過装置では止水域ができてしまうことが多いのでその対策にもなります。

換水しないまま放っておくと徐々に弱酸性へと変化していくので、換水は1週間に一度3分の1程度の水量を交換することをお勧めします。

一度に半分以上換水してしまうと急激な水質変化に対応しきれずに白点病などの感染症を罹患してしまうことがあるので定期的に少量の換水を心掛けてください。

 

 

水草

水草はマツモやアナカリスなどがお勧めですが、ウィローモスやアマゾンソードなどの生命力の強い観賞用水草を植えても面白いでしょう。

特別肉食性が強いわけではないので石巻貝程度に大型の貝類を入れておくと水槽の環境を整えてくれます。

 

照明に関しては特にこだわりがない限り安いものでもヤリタナゴの美しい色合いを堪能することができます。

淡いピンク色の婚姻色を楽しむには青色や赤色といった特殊な照明よりもオーソドックスな白色のものを使用することをお勧めします。

ヤリタナゴは生命力があるためそれほど頻繁に換水せずに管理されている可能性があるので、ショップからお迎えした場合は念入りに水合わせと温度合わせを行うようにしてください。

 

 

餌の与え方

ヤリタナゴは人工飼料に餌付くため非常に餌の管理が簡単な種類です。もちろん生餌の方が食いつきが良いのですが、それに慣れてしまうと人工飼料を食べなくなることも考えられるのであまりお勧めできません。

給餌頻度は1~2日に一度3分程度で食べきる量を与えると良いでしょう。飼育頭数が多い場合はなるべく一気に沢山の餌を与えるようにして全体に餌が行き渡るようにします。

 

稚魚の段階では高水温かつ給餌頻度を上げることで成長を促進させてより大型な個体を作出しやすい傾向にありますが、寿命が本来よりも短くなることが多いので目的に応じて活用してください。

本種はやや大食漢であるためついつい餌を与えすぎてしまいますが、それだけ水質悪化が激しく高い換水頻度が求められます。

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