分厚く大きな身体と鋭い牙を持っていることから海のギャングと比喩されるほど厳つい容姿をしているウツボ。細かい骨があるため限定的ではありますが料理に使われたりもするウツボは食べるだけではなくマリンアクアリウムに導入される観賞魚としても人気があります。
1メートルを超える大型魚でライブロックや石の隙間から覗かせる勇ましい顔は迫力満点です。大迫力のウツボの飼育をするために知っておくべきことをご紹介したいと思います。
ウツボの特徴とは？
熱帯から温帯までの比較的温暖な地域に生息するウナギの一種です。世界中に様々な種類のウツボが生息していることが確認されており、その数は約200種類を超えると言われています。
もちろん日本国内にも生息しており高知県などでは郷土料理として食用のウツボが流通しています。本記事ではスポッテッドモレイやインディアンモレイなど鑑賞性に優れた外国産のウツボに焦点を当ててその特徴や飼育方法などをご紹介していきます。
販売価格
ウツボは様々な種類が観賞魚として販売されていますが、いずれも1万円前後することが多いようです。特にオススメのウツボは「ブラックリボンイール」と呼ばれる影のような深い黒を基調に背部が鮮やかな黄色をしたウツボです。
最大の特徴といえるのが鼻管部の花びら型をした形状でしょう。ブラックリボンイールは価格も安価で4000~6000円程度で販売されています。
寿命
ウツボは野生化だと寿命は40年ほどです。非常に長寿な魚なのですが、飼育下だと20年程度生きると長生きしてくれたと言えます。やはり自然界でウツボが捕食する生物と飼育下で与える生餌とでは栄養価が大きくことなるため短命に終わってしまうようです。
その他にも水質悪化やヒーターの故障による温度変化など生体にダメージを多少なりとも与えてしまう事があるも原因の一つとなっています。ただし亀と同じくらい生存可能なので一度お迎えすると長い付き合いになることは間違いありません。
ペットとしてのウツボの飼育方法
水槽や水温
ウツボは非常に大きく成長するので180ｃｍ規格以上の水槽で飼育されることが多いようです。180ｃｍ規格にもなると大人1人では扱いきれないのでアクリル製のものを選び二人以上で持ち運ぶようにしましょう。
また水量も600kgを軽く超えてくるので床の補強が不可欠となります。飼育水槽には大型のライブロックやシェルターで隠れ家を作ってください。床材は必ずしも必要ではありませんがサンゴ砂やアラゴナイトサンドを使用するといいでしょう。
水槽が大型になると対応するフィルターが少なくなるので必然的にオーバーフロー水槽で管理することになるのではないでしょうか。
外部フィルターなどを使用する際は2つ以上稼働させることで必要な濾過能力を得られます。水温は25℃前後に保温して夏場は30℃を超えないように必要に応じてクーラーなどで対策します。
ヒーター一つでは両端の水温が大きく異なることがあるので2~3個併用すると良いでしょう。大型水槽は立ち上がるまでの期間が長くパイロットフィッシュも相応の頭数導入する必要があります。
パイロットフィッシュは避難させる水槽がない限りウツボの餌となりますので捕食されても良い安価な生体を使用しましょう。
餌の頻度と与え方
ウツボは人工飼料に餌付き辛くエビや小魚などの生餌を与える必要があります。また飽きやすい性格でもあるので週単位で異なる生餌を与えないと食べてくれない場合もあります。
生餌はグラム単位で販売されることが多く配合飼料と比べるとかなり高額になる点に注意しましょう。稀に冷凍エサに餌付いてくれる個体もいるので生餌を確保した上で試してみてはいかがでしょうか。給餌量は1~3日に1度食べるだけ与えるといいでしょう。
混泳の相性ついて
ウツボは気性が荒く肉食性が強いので基本的には単独飼育です。またサンゴやイソギンチャクとの混泳も難しく混泳水槽に導入することは難しいでしょう。
初期費用と維持費用
初期費用は15万円以上です。純淡水における大型水槽飼育とは比較にならないほどお金が必要になります。
その理由としてはライブロックや人工海水の素など必要なものが純淡水水槽よりも多く、高額になりやすいオーバーフロー水槽で管理するのが一般的となっているからです。維持費用は月々約3000~10000円となります。
生餌を管理する水槽や電気代、水道代、人工海水の素などランニングコストが高く、相応の管理費用が必要となりますので、お迎えする前に20年以上毎月数千円の出費が可能か熟考しなければなりません。
飼育上で気を付けること
給餌量が少なかったり隠れ家がないとストレスが溜まって飛び出し事故の原因にもなりますので、暴れたり泳ぎ回る行動が確認されると飼育環境の見直しが必要になります。
ウツボはヘビのように柔軟な身体をしているのでそれほど広いスペースを準備できない場合でも90cm規格水槽で管理することは可能です。ただ与えるストレスも大きいので寿命は短くなる傾向にあります。
まとめ
ウツボと言えば厳つい顔の細長い魚を彷彿とさせますが、鑑賞用のウツボはカラフルなものが多いので一度ショップに足を運んでみてはいかがでしょうか。
