熱帯魚の王様と呼ばれているほどアクアリストにとって憧れのディスカス。
昔はその美しさの反面、飼育難易度の高さからベテランアクアリストにのみ飼育が許されるような存在でしたが、近年は飼育方法が確立されて性能の良い器具が登場したことから初めての方でも気軽にお迎えできるようになりました。
気になるディスカスの飼育方法や特徴などお迎えする前に知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。
熱帯魚ディスカスの特徴とは?
大きさや生態
最大で20cm以上にまで成長する南アメリカ原産のシクリッドの一種です。特徴的な円盤型の体型は身を守るためや身体を大きく見せるために発達したと言われていて体表にはカラフルな色合いと独特の模様が入ります。
ディスカスは体調の変化やストレスの程度によって体色が変化します。特に黒化と言って驚いた時やストレスを溜め込んでいるときに黒く変色しますので、飼育下で観察されると環境改善や餌の見直しが必要となります。
エンゼルフィッシュやラミレジィなどの熱帯魚と比べても白点病や穴あき病の罹患率が高く、水質や水温の変化に敏感なので飼育には細心の注意を払わなければいけません。
寿命
ディスカスの平均的な寿命は約5年です。寿命は水温と給餌量によってある程度コントロールすることができると言われています。
例えば32℃で食べるだけ給餌をしていると3年程度で寿命を迎えてしまいますが、26℃で1日1回の給餌をしていると10年以上生きることもあります。
ただ低水温で管理する場合はなるべく幼体時期を避けて十分に成長してからにしましょう。途中で病気や怪我をしてしまうと薬浴によって体力を奪われることがあるので長生きをさせたい場合は注意が必要です。
値段
ディスカスの販売価格はショップによって大きく異なります。最も安価な個体でも1500円前後、平均的な価格は5000円程度と熱帯魚の中ではかなり高額です。
もちろん例外はありますが暖色系は高く寒色系は安価な傾向にあります。大手のペットショップよりも個人経営の熱帯魚専門店の方が状態が良く安価なことが多いようです。
ディスカスの飼育方法
水槽や水質
単独飼育の場合は45cmキューブ水槽から管理することができます。理想は90cm水槽に5匹程度を泳がせると美しいプロポーションを維持できます。
飼育水槽が大きい場合はスポンジフィルターのみで管理することができますが、60cm規格程度だと上部フィルターも導入したほうが良いでしょう。
外部フィルターを使用する場合は排泄物が詰まらないように2~3週間に一度飼育水でろ材とろ材の入っていた容器を丸洗いすることをお勧めします。水質は弱酸性の軟水で管理してください。市販の水質調整剤を利用すると簡単に理想的な水質へ調整することができます。
水換えはなるべく2~3日に一度は行うようにして水質が悪化しないように配慮することが必要です。床材は基本的に何も敷かずにベアタンクで飼育しますが、何か入れたい場合はガーネットサンドを薄く敷くと良いでしょう。
床材を厚く敷いてしまうと止水域ができたり排泄物が溜まってしまうことで水質の悪化に繋がるので避けましょう。ヒーターは自分で温度調節ができるものを選んでください。
餌の与え方と頻度
ディスカスは大食漢で有名な熱帯魚で水をよく汚します。基本的にはディスカスハンバーグと呼ばれる人工飼料を与えますが、乾燥アカムシなどにも食いつきます。
幼体時期は毎日3~4回程度食べるだけ餌を与えて成長するにつれて一度の給餌量を減らしてください。十分に成熟した個体でも一日2~3回の給餌は必要です。
混泳の相性について
ディスカスは基本的に単種のみで飼育する熱帯魚です。稀にエンゼルフィッシュやシルバーシャークなどと混泳させている方もいますが、成長するにつれて気性が荒くなりやすいので様子を見ながら可能かどうか判断しましょう。
ディスカスを複数飼育する場合は2~3匹で管理すると喧嘩やいじめが発生することが多いので5匹以上で管理することが多いようです。
繁殖方法
ディスカスはペアのみで飼育していても繁殖しないことが多いです。雌雄混じった集団の中から自分たちでペアになるかを選択するので飼育者が強制的に相手を選んでも上手くいくかは運次第となってしまいます。
産卵後は3日ほどで孵化をして数週間親と共に生活をします。稚魚は親魚が分泌する粘液を摂食するので絶対に稚魚を隔離しないでください。アカムシを摂食するようになれば別々の容器で飼育しても良いでしょう。
初期費用と維持費用
ディスカスの飼育環境を整えるには約5万円は必要となります。維持費用は水道代と餌代、電気代を合わせると月々約1000円です。
飼育上で気を付けること
パイロットフィッシュに導入したアカヒレやネオンテトラはディスカスが食べてしまうことがあります。導入時には白点病になりやすいのでしっかりと水合わせと温度合わせを行うようにしてください。
まとめ
成体価格が高く、飼育環境を整えるのにもお金のかかるディスカスですが、鑑賞性は他の熱帯魚とは比較にならないほど高いので是非ショップで実物を観察してみてください。