好奇心旺盛で泳ぎ方が可愛らしいクラウンローチ。水族館などの大きな水槽で飼育されている個体は30cm以上にも成長するクラウンローチですが、自宅で飼育していると15cm程度で成長が止まるので混泳水槽にも導入されることがあります。
また他の熱帯魚とは少し性格や泳ぎ方などが異なる本種はその可愛らしさから女性人気の高い種類となっています。クラウンローチの気になる飼育方法や注意点などお迎えする前に知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。
クラウンローチの特徴とは?
出典:有限会社プラスト
大きさや生息地
東南アジアに生息しているドジョウの一種です。一般的にドジョウは灰色や茶色などのナチュラルなカラーをしているイメージがありますが、本種は鮮やかなオレンジ色と黒色の縞模様をしており鑑賞性に優れた種類と言えるでしょう。
野生下では非常に大型化する傾向にありますが、運動量が限られる飼育下での大きさは15cm以下に留まる傾向にあります。群れを成して生活をしている個体が多いので飼育する際は3匹以上で管理することをお勧めします。
一匹だけ導入すると物陰に潜んで観察し辛くなりますが多頭飼育をすると元気よく泳ぐ姿を確認できます。
クラウンローチの魅力
クラウンローチはコリドラスに似た形状をしていることからも低層で活動する熱帯魚とイメージされがちですが、日中はどの層にも活発に泳ぎ回るので見ていて飽きません。
夜間になると人間のように身体を横に向けて寝る姿を観察することができます。体調が悪いと黒い点々が身体に現れたり色が薄くなりますので管理がし易いメリットもあります。
寿命
出典:我が家の最長老
クラウンローチは野生下では30年以上生きることができる長寿な熱帯魚です飼育下だと薬浴などで体力を使うことが多いので約15年となります。
一般的に熱帯魚を長寿にするには水温を下げて代謝を落として餌の量を少なめにしますが、クラウンローチはできるだけ大きく成長させた方が病気への抵抗力も付きますので、管理しやすく結果として長寿に繋がることが多いようです。
値段
クラウンローチの販売価格は約700円です。ミドルサイズ以上になると2000円前後まで価格が高騰することがありますが、多くは多頭管理しやすい小さなサイズが販売されています。
通販サイトではまとめて数匹購入すると割安になるところが多いようです。
クラウンローチの飼育方法
水槽や水質
クラウンローチは60cm規格以上の水槽で飼育することが理想ですが、5cm前後の生体の場合は30cmキューブ水槽でも飼育することができます。ただし小型水槽で管理すると運動量が不足してあまり大きく成長しないことがあるので短命になりやすい傾向にあります。
本種は底床に触れて寝るので尖った石やソイルはあまり適していません。また底面フィルターは床材をろ材として使用するので底に汚れが溜まりやすく肌荒れの原因となるなど都合が悪いので避けましょう。
水温は27℃前後に保ち弱酸性の水質で管理すると病気になりにくくなります。クラウンローチが発症しやすい白点病は高水温で管理することで解決されるので、メチレンブルーなどの薬剤を使用する前に水温を30℃近くまで徐々に上げて様子を見てください。
水草水槽との相性は悪く葉を齧ったり引っこ抜いたりする習性があるのでアヌビアスやアマゾンソード等のしっかりとした葉を持つ水草をお勧めします。
多頭飼育をしている場合は頻繁に色が薄くなって身体が硬直しているような姿を観察されますが、喧嘩をしている場合は問題ありませんが水質悪化や混泳している他の熱帯魚との相性が悪い可能性もあるので環境の見直しをしてみてください。
本種は口が小さいので多少大きさの異なる生体と混泳させても問題ありません。
混泳の相性について
出典:グリーンのある生活
クラウンローチは好奇心旺盛であることからストレス耐性の弱いディスカスなどの熱帯魚とは混泳を避けたほうが無難です。またミナミヌマエビやチェリーシュリンプのような小型シュリンプとの相性は良くありません。
ネオンテトラやチェリーバルブ等の丈夫な熱帯魚との混泳は問題なく行えるでしょう。気性が荒いと言われているベタやスネークヘッドともある程度成長しているクラウンローチなら混泳ができます。
初期費用と維持費用
初期費用は一式揃えると約1万円は必要となります。維持費用は月々数百円程度でしょう。
飼育上で気を付けること
クラウンローチは飛び出し事故が多いので隙間なくフタをすることをお勧めします。外部フィルターや外掛け敷きフィルターを設置している関係で隙間が空いてしまう場合はサランラップ等で対策を施しましょう。
ただし密閉してしまうのは良くないので小さな通気口ができるようにします。本種は導入直後に白点病を発症してしまうことが多いので時間を掛けて水温は高めにしておくと良いでしょう。
まとめ
水草水槽に導入されることは少ない種類ですが、生体だけでも十分に鑑賞性のある熱帯魚なので是非お迎えしてみてはいかがでしょうか。飛び出し事故だけ十分に注意していると長生きしてくれるでしょう。