多くのショップではオスカーという販売名で展示されているアストロノータス。黒色を基調にオレンジ色や黄色の模様が美しく人慣れもし易いことからペットフィッシュとしてとても人気があります。
大型魚との混泳をしている飼育者も多く、複数匹の大型魚を泳がすとまるで水族館にいるかのような迫力満点の水槽に仕上げることができます。アストロノータスの気になる特性や餌などお迎えする前に知っておくべきことを余す所なくご紹介したいと思います。
アストロノータスの特徴とは?
大きさや生息地
南アメリカ原産のアメリカン・シクリッドの仲間です。昔から世界中で観賞魚として水槽で飼育されておりメジャーな熱帯魚と言えるでしょう。
アストロノータスは45cm前後にまで成長するため大型水槽で飼育をすることをお勧めします。頭が良く人慣れしている個体は手で触ることができたりします。
寿命
アストロノータスの平均的な寿命は約12年です。ワイルド個体や色のはっきりとした個体は比較的丈夫で長生きをしてくれるのですが、アルビノ個体は視力が弱く病気になりやすいので短命に終わってしまうことが多いようです。
他の熱帯魚と同様に水温の急激な変化や水質悪化が原因で病気になってしまうことが多いので注意が必要です。
販売価格
アストロノータスの平均的な販売価格は約3000円です。
ワイルド個体は3~4万円前後する場合もありますが、タイガーオスカーやロングフィンオスカーなどの一般的なショップでも取り扱われている飼育下繁殖された種類は安価で入手できます。
アストロノータスの飼育方法
出典:Wikipedia
水温や水槽
アストロノータスは90cm規格以上の水槽で飼育することができます。大食漢で水を汚しやすいので水草水槽や底床を厚く敷き詰めた環境はオススメできません。
エビや貝などのクリーナー生体を導入できないためコケを定期的に掃除する必要があるので、ベアタンクかガーネットサンドを薄く敷いた水槽で管理することをお勧めします。
本種は成熟した個体の場合は病気に強く多少の水質悪化に耐えることができるのですが、稚魚は体力がないので立ち上げてから1ヶ月程度経過した水槽を準備してからお迎えしましょう。
飛び出し事故が起こる可能性を考慮して爬虫類用の網で作られた蓋や隙間の少ないガラス蓋を設置しておきましょう。
酸欠防止や油膜対策にパワーの強いエアレーションを入れ、上部フィルターやスポンジフィルターで管理します。排泄物は発見次第スポイトやプロホースで取り除いてください。
生息地では緩やかな流れの河川に生息しているのであまり強い水流にならないように工夫することが大切です。
排水部分を水槽のガラス面に向けると水流が抑えられます。何か水草を入れたいと思う方はアヌビアスなどの葉が硬いCO2添加が不要な水草を入れると良いでしょう。水温は27℃前後に保つようにして弱酸性の水質で管理するように心掛けてください。
餌の与え方
アストロノータスの食性は肉食性でアカヒレや和金などの生餌を好んで摂食します。鯉飼育に使われる人工飼料なども食べるのでバランス良く色々な餌を与えましょう。
口に入るサイズの魚は何でも食べてしまうので体格差のあるアストロノータスを複数匹混泳させると共食いをする可能性があります。本種はザリガニや昆虫など硬いものでも問題なく食べるので一度与えてみてはいかがでしょうか。
混泳の相性について
アストロノータスは成長するとともに気性が荒くなりやすいので基本的には単独飼育をしますが、ポリプテルスセネガルスやエンドリケリー・エンドリケリーなどの大型魚の一部は混泳可能です。
またシクリッドは成長速度が早いので成長の遅い他の熱帯魚と稚魚の段階で混泳させていると途中で体格差が生まれてしまい捕食される危険性があります。
どのような環境でも慎重に様子を見る必要があるでしょう。
初期費用と維持費用
初期費用は約5万円です。大型水槽になるため一人暮らしの場合はガラス水槽にしてしまうとメンテナンスや持ち運びが大変なので少し高めになりますがアクリル水槽をお勧めします。
アクリル水槽は軽くて透明度が高い反面傷が付きやすいので取り扱いには細心の注意が必要です。
維持費用は電気代・水道代・餌代が必要となるので月々約3000円は必要となるでしょう。十数年生きることができるのでお迎えする前に維持費用も考慮しておくといいでしょう。
飼育上で気を付けること
アルビノ個体は視力が弱いので給餌の際は口元までピンセットで餌を持っていくことをお勧めします。アストロノータスは白点病や水カビ病になりやすいので定期的に体表に変化はないか注意して観察してください。
白点病の場合は水温を30℃前後にまであげると解決されることが多いので、一日1度程度温度を徐々に上げるようにしてください。
まとめ
世界的にポピュラーな熱帯魚として知られているので病気の対処法や飼育のノウハウなど多くの情報を得ることができます。そのため初めて熱帯魚を飼育する方でも問題なくお迎えすることができるでしょう。