太陽のような明るいオレンジ色とキラキラと輝く水色の体色をしたスカーレットジェム。純淡水魚とは思えないほど鮮やかで美しい色合いをしていることからアクアリストたちが真紅の宝石と口を揃えるほど圧倒的な存在感を放ちます。
ただスカーレットジェムは少々飼育にコツが必要な熱帯魚なのである程度の知識が培われたベテランアクアリストでないと難しい面もあります。
初心者の方にも安心してスカーレットジェムをお迎えいただけるように気になる飼育方法や餌など知っておくべきことを余す所なくご紹介していきたいと思います。
スカーレットジェムの特徴とは？
大きさや生息地
インドが原産国のバジスという種類の一つです。よくスカーレットジェムは汽水で管理しなければならないと勘違いされてしまうようですが、飼育が難しいだけで完全純淡水に生息する熱帯魚です。
全長は約３cmと小柄で臆病な性格をしているので水草水槽や隠れ家の多い水槽では身を潜めていることが多い種類です。
販売価格
スカーレットジェムの販売価格は約１０００円です。一昔前は希少価値があり高値がつく熱帯魚だったのですが、最近は流通量も多くなり安価に購入することができるようになりました。
ただ手間がかかるためか熱帯魚専門店を訪ねても販売されていないことも多い魚です。通信販売サイトではやや値段は高いようですが販売されているので利用されてみても良いかもしれません。
スカーレットジェムの飼い方
水温や水槽
餌の問題以外は通常の熱帯魚とほとんど同じなので水質悪化が懸念される小型水槽でも飼育することができます。使用するフィルターは何でも問題ありませんがあまり水流を強くしすぎると体力を消耗してしまうので緩やかな水流になるように調節してください。
スカーレットジェムは中～低層を泳ぐので底床に溜まった排泄物はなるべく取り除くようにしてください。本種は肉食性が強いので水草の食害もあまりないので高価な水草を植えても良いでしょう。
水質は弱酸性から中性まで対応することができますが、なるべく中性になるようにすると調子良く管理することができます。それほど活発に泳ぎ回る種類ではないので飛び出し事故も少ない傾向にありますが、念のためにガラス蓋や網蓋などで対策をしておきましょう。
水温は２４度前後と多少低めに設定したほうが良いでしょう。冬場は安価なオートヒーターで管理するだけで問題ありませんが、夏場は高水温に注意して適宜クーラーやお部屋のエアコンで３０度以上にならないようにしてください。
餌の与え方
出典：めだかと生活
本種を飼育する際に最も苦労することが給餌です。スカーレットジェムの殆どの個体は人工飼料に餌付くことがありませんので生餌を与える必要があります。
また小型の熱帯魚なので管理しやすいミルワームなどを与えることができず、ブラインシュリンプやミジンコを与えなくてはいけません。
ブラインシュリンプは稚魚育成に使用されることが多いので比較的安価に手に入れることができますが、乾燥した卵の状態で販売されているので数十時間かけて孵化させる手間がかかります。
ミジンコもペットボトルなどの容器に入って販売されていますが、ブラインシュリンプよりも割高であることが多いので出費がかさんでしまいます。稀に乾燥アカムシや乾燥ミジンコを食べる個体もいますが期待はしないほうが良いでしょう。
混泳の相性について
縄張り意識があり喧嘩をすることがあるので大きめの水槽に隠れ家を複数箇所作る必要はありますが複数飼育は問題なく行えます。
ネオンテトラやラミーノーズテトラなどの小型魚との混泳は問題なく行えますが、気性の荒いシクリッド系や体格差のある熱帯魚との混泳には向いていません。クリーナー生体との相性はよくオトシンクルスや石巻貝、ラムズホーンとの混泳も問題なく行えます。
初期費用と維持費用
出典：アクアリウム入門ブログ「熱帯魚飼育日記」
スカーレットジェムを飼育するには１万円程度かけて道具を揃える必要があります。もちろんセット販売されている商品を購入するとお得に始められます。
維持費用は電気代・水道代・餌代が必要ですが月々数百円もするかしないか程度なので安く済むでしょう。
ブラインシュリンプの沸かし方
ブラインシュリンプとは塩水湖に見られる甲殻類の一種です。ブラインシュリンプエッグが販売されているのでそれを２８度の塩水に入れて１日放置すると孵化します。
塩分の量は適当で構いませんが多すぎると失敗することがあります。給餌する際はスポイトで必要な分だけ吸い取り、飼育水ですすいでから塩分を落として与えます。
毎日与える必要があるので複数の容器を用意してそれぞれ孵化させるタイミングをずらしてローテーションを組むと良いでしょう。
まとめ
餌の問題さえ解決できれば普通の熱帯魚同様に飼育することができるので是非お迎えしてみてはいかがでしょうか。ブラインシュリンプやミジンコの管理を経験していると稚魚が生まれた時に活かすことができますし、それほど手間ではありませんので挑戦してみてください。
