古代魚として多くのアクアリストを魅了し続けてきたポリプテルス。ひとえにポリプテルスと言ってもいくつかの種類に分かれているためコレクション性も高く大型水槽に複数飼育するスタイルが一般的となっています。
ポリプテルスの気になる種類別の特徴や飼育方法などお迎えする前に知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。
ポリプテルスの特徴とは?
出典:aquashop fin
カメルーンやセネガルをはじめとするアフリカに分布する熱帯魚です。古生代に生息していた魚と同じような身体をしており、両生類と魚類の分岐点にあたる生き物として知られています。ベタやアナバス同様にエラ呼吸と空気呼吸ができるので酸欠に強いとされています。
本種は夜行性のため昼間は身を潜めて体を休め、夜になると小型の甲殻類や両生類などの生餌を探しに活動をはじめます。飼育下繁殖個体は病気になりにくいのですが、野外採集個体は高確率で寄生虫が宿っていますので注意が必要です。
販売価格
出典:アクアナ[AquanA]
ポリプテルスは種類によって価格は異なりますが飼育下繁殖個体であるなら約1000~7000円で販売されていることが多いでしょう。ワイルド個体やアルビノ個体は希少性が高いためか1万円以上するものも珍しくありません。
ポリプテルスは複数匹同居させることができるので飼育下繁殖個体でコツを掴んでから高額なポリプテルスをお迎えすることをお勧めします。
寿命
ポリプテルスの寿命は10年以上です。白点病などの病気になりにくく水質悪化や水温変化にも強いので誰でも10年以上管理することが可能です。
ただ細長い体型から飛び出し事故が多いのでしっかりと蓋をして念のために重りも乗せておくと安心です。
人気のポリプテルスの種類
出典:YouTube
下記にショップで人気のポリプテルスを数種類ご紹介します。
ポリプテルスセネガルス
出典:無印さかな
全長30cm程度と小柄なため狭い飼育スペースでも問題なく飼うことができる入門種です。飼育難易度も低く人工飼料にも餌付きやすいことからポリプテルス飼育のコツを掴むのにうってつけの種類と言えるでしょう。
混泳に関しては大型魚との混泳に適しておりアロワナやオスカーと同居されることが多いようです。
ポリプテルス・エンドリケリー・エンドリケリー
出典:Wikipedia
全長70cm前後にまで成長する迫力満点のポリプテルスです。十数枚からなる立派な背ビレとイカツイ顔つきが特徴的な本種は個体によって模様が異なるため複数匹お迎えするアクアリストも数多くいます。
多少好みの関係で食べない人工飼料もありますが、ポリプテルス用に作られた配合飼料であれば食べてくれることが多いので心配はいりません。高水温かつササミやディスカスハンバーグなどの高タンパクな餌を与えると大型に成長しやすいので試してみてはいかがでしょうか。
ポリプテルス・パルマス・ポーリー
出典:D’s room図鑑
上記のポリプテルスと比較すると背ビレの枚数が少なく模様も薄いのですが、可愛らしい顔つきと飼育のしやすさから人気の種類です。また性格が非常に温厚なのでレインボースネークヘッドのような中型魚との混泳も可能です。
ポリプテルスの飼育方法
出典:ラプエン
飼育環境
石や流木をレイアウトしてしまうと怪我をしてしまうことがあるので基本的にベアタンクか床材を薄く敷いた大型水槽で管理します。フィルターはスポンジフィルターや投げ込み式フィルターと上部フィルターを併用するスタイルが一般的ではないでしょうか。
外部フィルターや外掛け式フィルターを使用すると排泄物の量が多い関係で詰まってしまう可能性があるので頻繁に掃除をして対策をしなければなりません。床材を使用する場合はガーネットサンドを使用することが多く、重量があるためプロホースでの排泄物処理が行いやすく便利です。
水草との相性はよくありませんがアヌビアス系など丈夫な葉を持つ水草は長期間維持させることができるでしょう。水質は弱酸性の軟水で20℃を下回らないように水温管理します。
餌の与え方
ポリプテルスは生餌や冷凍エサを与えると大きく成長しますが、成魚や大きさを求めていない方は大型肉食魚用の配合飼料を与えるだけで問題ありません。
人工飼料や乾燥餌は水を汚しにくくメンテナンス性に優れているので忙しくて水換えをする時間を取れない方にオススメです。
初期費用と維持費用
初期費用は90cm規格水槽で始めることを想定すると約5万円は必要です。維持費用は電気代・水道代・餌代などが必要となりますが月々数千円程度に抑えられる事が多いでしょう。
飼育上で気を付けること
ガラス蓋や塩ビ製の蓋を置いておくだけでは蓋を押しのけて飛び出すので餌や水質調整剤などを重りに置いておくと安心です。
排泄物を処理しないまま放置しているとポリプテルスのような底床に腹部を接する時間の長い熱帯魚は肌荒れや体調不良に陥ることがあるので注意しましょう。
まとめ
十分な飼育スペースを確保できる環境であるならどの熱帯魚よりも丈夫で飼育しやすいポリプテルス。比較的安く販売されていることが多いのでお迎えするハードルも低いのではないでしょうか。ぜひ恐竜のような熱帯魚のいる生活をはじめてみてはいかがでしょうか。