男性も男の子も見つけたら目を輝かせて喜ぶ昆虫の代表と言えば、クワガタですよね。日本全国に生息しているため夏になると昆虫採集に没頭する親子の姿もよく見られます。
今年は採集だけでなく、育成にもチャレンジしてみませんか?今回は、ノコギリクワガタの飼育方法と繁殖についてご紹介致しましょう。
ノコギリクワガタについて
ノコギリクワガタは日本各地に生息する代表的なクワガタムシの1つです。湾曲した大顎にギザギザとしたノコギリのような形をしているのが特徴で、黒っぽい色をしていたり赤っぽい色をしているなど細かな違いを含めるとバリエーションも豊富です。
また、機敏で少し攻撃的な一面があり、そこが男心をくすぐる魅力の1つとも言えるでしょう。
生息場所
ノコギリクワガタは日本各地に生息しています。高所でも見る事はできますがどちらかと言えば平地の方が見つけやすいです。
また、クヌギやヤナギ、ナラやタブ木などで見つける事が多く、近くに川などの水がある場所でより多く見つける事ができます。
ノコギリクワガタの捕まえ方
採集方法
お店で購入するのでもいいのですが、やはり野生のノコギリクワガタを採集して育てる方がより愛着も沸きますよね。
色や形が異なるクワガタを採集してお気に入りの個体を見つけることも出来ますし、バリエーションも豊富なので珍しい形や色の個体も見つかるかもしれませんね。
では、ノコギリクワガタの採集方法をお教えいたします。
採集時期
地域によって差がありますが5月~9月頃まで見つける事ができます。早い時期に見つける事ができるノコギリクワガタなどは個体が小さい事が多く、大きなノコギリクワガタを採集したいのであれば少し時期を待ってみるのもいいでしょう。
飛翔性が高い
ノコギリクワガタは飛翔性が高く、特に小型のオスやメスなどはよく飛びます。体が小さい個体は採集する時に逃がしやすいので狙うのは体の大きな個体を捕まえると良いでしょう。
光に集まる
ノコギリクワガタは夜になると光に集まる習性があり、林の近くの街灯や自動販売機などにクワガタなどが止まっている事がよくあります。もし林の中で見つけられなかった場合は、帰りの自動販売機などにも注目をしてみてくださいね。
休んでいる時を狙って採集する
ノコギリクワガタは夜行性のため、夜になると樹液を求めて活動を始めます。樹液で食事をしているノコギリクワガタを採集するのが最も一般的な採集方法ではありますが、日中に採集したいという場合であれば、ノコギリクワガタが休んでいる日中を狙うと良いでしょう。
木にキックしてみる
クワガタには効果はありませんが、ノコギリクワガタには有効的な採集方法の1つです。木を蹴って振動を与えたりすると木の表面に掴まっているノコギリクワガタが上から落っこちてくる可能性があります。
しかし、ノコギリクワガタ以外の虫も落っこちてくる可能性があるのでキックをする時はハチや危険な虫がいないか確認をして行ってください。
ノコギリクワガタの飼育に必要な物
飼育ケースを用意する
繁殖をしたいのであれば飼育ケースはLサイズ以上の大きめな物を使用します。繁殖をしないのであれば小さめのサイズで問題ありません。
マットを用意する
マットは黒土・完熟マット・くわマットなどを使用します。ケースの底に浅くマットを敷き、その上に産卵用の朽木などを入れて、その上にマットをケースの7分目くらいの高さまで手で押さえるようにして敷き詰めます。
産卵木を用意する
ショップなどで売られている産卵木を使用します。ノコギリクワガタは柔らかい産卵木を好むため、できるだけ芯のないものが良いでしょう。
また、産卵木には雑中の混入が多いため雑中対策を入念に行ったのち、ケースに入れてください。雑中対策は以下の通りです。
- 電子レンジで5分~7分
- 冷凍殺虫(-10℃以下の温度で1ヶ月)
どちらかの方法を行ったのち、1日ほど水に浸してその後半日ほど陰干しをして皮を剥がして使います。
転倒防止用の枝や木片を用意する
ケースの中で動いている内に転倒してしまいノコギリクワガタが起き上がれなくなることがあります。
転倒すると弱ってそのまま死んでしまう事もあるので、転倒防止用に止まり木や木片などを入れてあげましょう。
枯葉なども転倒防止として使えるほか、枯葉の下に潜って休んだりするのでおすすめです。
餌を用意する
昆虫ゼリーで十分です。バナナやリンゴでも良いですが、その場合は1日で交換をしましょう。また、昆虫ゼリーが減ってきたらゼリーの容器を交換しましょう。
ノコギリクワガタの繁殖
ノコギリクワガタを飼育した事のない人でも比較的簡単に飼育する事ができ、また、オスとメスがいれば簡単に繁殖も可能です。
では飼育~繁殖までの手順を解説していきます。
ノコギリクワガタのペアリングについて
繁殖をするためにはペアリングが必要になります。エサを良く食べているオスとメスを同じケースに入れて、2~3日様子を見るか交尾を確認した後にメスを産卵用のケースに移しましょう。
しかし、採集したメスは既に交尾をすませていることがあるので、ペアリングしなくてもいいかもしれません。そしてノコギリクワガタは休眠期間が長いので羽化した年は産卵させることが出来ません。
ペアリングの事故
クワガタなどは体に何かが触れると即、警戒態勢にはいります。特に大型のオスの場合は大顎の先端まで触覚が届かないので事故を防ぐことができず、時にはメスがオスに切断されてしまうことがあります。
これを防ぐために、顎を針金などで固定する方法が一般的な方法です。挟む力は強いですが顎を広げる力はあまり強くないため、針金などで顎を開かなくしてペアリングするとスムーズに繁殖が進むでしょう。
産卵
交尾が終わったメスを産卵セット(産卵用に作った飼育ケース)に移しましょう。
産卵セットの作り方は、Lサイズのケースに7分目までマットを敷き詰め、手でマットを押し固めます。その上から数センチほどマットをもう一度敷きます。
上に敷いたマットは押し固めないようにしてください。そして転倒防止用に止まり木や昆虫ゼリーをいくつか置いて、ケースとフタの間に新聞紙を挟んでフタをしてください。
繁殖をする場合は温度管理が必要になります。なるべく、23度~27度にしてください。メスが潜っている時間が増えてきたら産卵の期待をしても良いでしょう。
その後2週間~1ヶ月ほど様子を見て、幼虫が生まれていれば繁殖の成功です。
まとめ
繁殖をさせない場合であればさらに簡単に飼育が出来ますので、初心者にもおすすめです。いかに立派な大顎を持つノコギリクワガタを採集できるかという点もも楽しく育てるためのポイントとなりますので、
採集スポットに行って体が大きく、そして大顎を持つノコギリクワガタを見つけてくださいね。