ヤゴの飼育方法|餌の与え方、販売価格は?

メダカやアカヒレなどの天敵と言われるトンボの幼虫であるヤゴ。じっくりと観察してみると地に足ついて歩く姿や変わった容姿など見応え抜群の鑑賞生物としての高いポテンシャルを感じられます。

ヤゴをお迎えする前に知っておくべきことを余すところなくご紹介したいと思います。

 

ヤゴの特徴とは?

春から秋にかけて成虫となり活動を始めるトンボの幼虫をヤゴと呼びます。成虫の姿からは想像ができないほど異なる姿をしているので、トンボの幼虫と知らない人も多いのではないでしょうか。

成虫は飛翔能力がある陸棲生物である一方でヤゴは水棲生物です。ビオトープや溜池、流れの緩やかな河川などで見ることができ種類により様々な形をしたヤゴを観察することができます。

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販売価格

希少性の高いオニヤンマやギンヤンマなどのヤゴは稀に販売されることがあります。ヤゴの販売価格は約1000~2000円です。オークションサイトなどでは頻繁に出品されていますので、是非チェックしてみてください。

 

ヤゴの見分け方

日本国内のトンボは様々な種類が存在しています。最も簡単に見分けられる種類として「イトトンボ」と「トンボ」です。イトトンボは成体の姿から想像できるようにヤゴにおいても細長いナナフシに似ている姿をしています。

一方でトンボのヤゴはお腹がふっくらと大きく全体的に丸いシルエットをしているのが特徴的です。各種類については専門的な知識や比較画像を見ながら判断すると良いでしょう。

 

ヤゴの期間

種類により大きくことなりますが、オニヤンマを例にすると卵から成体になるまでの期間は約5年です。

小柄なイトトンボなどは卵の期間が1週間程度で、ヤゴの期間が1ヶ月程度とかなりサイクルが早く、大型のギンヤンマやオニヤンマは卵の期間が一ヶ月程度でヤゴの期間が数年ほどとトンボに成長するまでにかなりの時間を要します。

数回脱皮を繰り返して大きく成長していくので最終段階で小さいものは比較的長くヤゴ飼育を楽しめるのではないでしょうか。逆に成虫になる瞬間を観察したい場合は最も大きなヤゴを持ち帰るといいでしょう。

 

採集方法

ヤゴは春頃に溜池や河川の浅瀬で観察することができます。ヤゴのみ狙って採集することは難しいため、釣りなどで使用される網で水草の下や泥ごと一気に掬うと容易にヤゴが採集できます。

一度に複数匹のヤゴが捕獲できることもありますが、複数飼育は難しいのでお気に入りの1~2匹を選んでその他の生体は逃がすようにしましょう。

ザリガニやブラックバスなどヤゴの天敵となる生体が多くいるポイントにはヤゴがいない場合が多いので、なるべく静かな場所を狙うようにすると上手く行くことが多いようです。

 

 

ペットとしてのヤゴの飼い方

飼育環境

ヤゴはアクアテラリウムで飼育されることが多く、成体へと変態する際に陸地へあがる必要があるため流木や石などを水面に出すように設置します。ヤゴは酸欠に弱いためエアレーションを行うようにすると飼育に成功する確率が上がります。

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水温はなるべく低温管理する方が望ましく20℃前後に保つと調子よく飼育ができます。もちろん加温なしでも十分に成長させることができるので水草などをレイアウトしない場合はヒーターを導入しなくても問題ありません。

 

水槽は直射日光の当たらない風通しの良い静かな場所に設置することが望ましいでしょう。紫外線などは必要なくお好みでLEDライトや蛍光灯を使用してください。

イモリや水棲亀との混泳はヤゴが捕食される可能性があるので控えましょう。どうしても何かしらの生体との混泳を考える場合はサワガニや貝類を導入するといいでしょう。

 

隠れ家を沢山用意すると複数飼育が上手くいく可能性があるので挑戦してみても良いかもしれません。水換え頻度は週に一度程度で問題ありませんが、必ずハイポや汲み置きしてカルキを抜いた水を使用してください。

汲み置きする場合は陰となる場所に置かず直射日光に2~3日当ててください。同時にエアレーションをしておくと確実にカルキを抜くことができます。

 

 

餌の与え方

ヤゴの食性は肉食性でアカムシやオタマジャクシ、メダカなどの生餌を与えます。乾燥餌や冷凍エサに餌付かない個体もいるのでなるべく生餌を与えるようにします。

肉食性のため観賞魚が泳ぐ水槽やアカヒレなどを導入済みのビオトーブへヤゴを入れることはできません。また稀に共食いをする場合があるため超小型水槽に1匹飼育することが望ましいでしょう。

 

 

初期費用と維持費用

初期費用は最低1000円から始められます。プラケースとエアレーションのみで枝木や底床は採集した場所のものを使用すると安く始められます。鑑賞性を考えると3000円程度の出費になります。維持費用は月々100円程度でしょう。

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まとめ

食性が肉食のため若干ハードルが高めに感じるヤゴ飼育ですが、成虫に育てるという明確な目的を持って日々大きく成長するヤゴを観察できるので、お子様のいるご家庭での飼育もおすすめできます。

生餌に関しては最寄りの釣り道具屋やペットショップで入手できますので心配はいらないでしょう。

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