ハート型の白い顔につぶらな黒い瞳が特徴的なメンフクロウ。メンフクロウは、フクロウカフェなどで出会うことができ、白い仮面のような特徴的な姿から人気も高いフクロウです。基本情報から飼育のポイントまで詳しくご紹介しましょう。
メンフクロウの特徴
大きさ・重さ
メンフクロウはフクロウ目メンフクロウ科に分類され、体長は約40cm前後の中型フクロウです。体重は約200g~480g、最大でも約700gと言われます。
日本にはいませんが、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパやアフリカ、東南アジア、オーストラリアと世界中に広く分布しています。フクロウの特徴とも言えますが、完全な夜行性で肉食性です。
メンフクロウの特徴は何といっても白い仮面のような顔ですが、これをお面に見たて日本ではメンフクロウと呼ばれています。
この白い顔は顔盤と呼ばれ、これが発達していることでパラボラアンテナのように獲物のかすかな音をキャッチし、狩りに役立てます。また、左右で耳の高さがずれているおかげで遠くの物音をとらえ、小さな標的でも獲物の位置や距離を正確に知ることができます。
一般的に顔盤が発達したフクロウは視覚より聴覚を駆使して狩りを行うと言われていますが、闇夜でもよく見える視覚と音を立てずに飛ぶ消音飛行も大きな武器です。
顔はもちろん体の前面、足は白色ですが、頭部から背面、翼にかけて淡い茶色に蛇の目のような模様が入りますが、これも狩りの時のカモフラージュになっていると言われています。
メンフクロウの性格
メンフクロウは乾樹洞や窪地の穴、建物にある穴やすきまなどに巣を作る習性があります。納屋や教会など人をあまり恐れることなく身近な場所にも多く巣を作ることから英名はBarn Owl(納屋フクロウ)といいます。
農作物を荒らすネズミなどを捕らえてくれることからヨーロッパでは古くから大切にされてきました。現在でも、農薬などを使わない自然にやさしいネズミ駆除として、メンフクロウのための巣箱を設置している農家が多い地域もあるそうです。
しかし、人を恐れないといっても、ペットとして飼うとなるとまた別問題です。メンフクロウは野生が強いので基本的にはしつけができず、非常にストレスに弱いことでも知られています。
ひなの頃から育てていれば育ての親になつき頭をなでたり、手乗りにしたりといったことができることもありますが、飼い主が呼んだら帰って来させるなどのフリーフライトの訓練は専門的な技術と経験を要します。
また、フクロウの中では比較的静かで温厚とも言われますが、デリケートなのでストレスを与えないよう落ち着いた環境を整えてあげる必要があります。
また、昼間は眠るので静かに休めるよう特に気をつかいましょう。
メンフクロウの飼い方
餌の与え方
メンフクロウは肉食性のため野生ではマウスなどの小動物や昆虫、コウモリ、カニやカエルなどを食べていますが、ペットとして飼う場合は主食として冷凍のマウスやヒヨコ、ウズラなどを与え、副食として昆虫なども与えます。
冷凍のマウスやヒヨコをさばくのは抵抗がある方も多いですが、これができなければメンフクロウを飼うことはできないと言ってもいいでしょう。
また、飼鳥用の専用フードを主食に代用することはできないので手間と経費もかかります。また、食用の鶏肉をお肉屋さんで買ってくるという方法も動物の体の一部分しか与えられませんから栄養失調になる可能性があります。
そのため、あくまでも一時的な方法にすぎません。メンフクロウを飼いたい場合は、きちんと食事の世話ができるかどうかをまずは検討してみましょう。
飼育環境
メンフクロウの価格は約15万円〜40万円と幅が広いですが、繁殖例も多く中型フクロウの中では安い方なので約10万円〜20万円で手に入ることもあるようです。メンフクロウを飼育するにあたっては、大きめのケージが必要。
ケージのサイズが小さいと羽や骨を傷める原因になりますので、歩き回れて羽を広げられる余裕のあるサイズを選びましょう。とまり木も太さが足のサイズに合うものをそろえます。
まっすぐに加工されているものより、不規則な形をした自然木タイプがおすすめです。また、メンフクロウはストレスに弱いということに配慮した空間を作ることも大切です。
ケージには部分的に囲いを設けるなど、落ち着ける場所もきちんと確保してあげましょう。さらに、メンフクロウには鋭い爪がありますので革製の手袋は必須アイテムです。
忘れられてしまいがちですが、メンフクロウは鳴き声も大きいので周囲の家など音が気になる環境には向きません。その点も考慮に入れておきましょう。
メンフクロウを診てくれる獣医や専門のアドバイザーは少ないので、そういった頼れる人がいるかどうか事前に調べておくと、何かあったときにも安心です。メンフクロウはペットとしての飼育の難易度は高い方です。
寿命も約15年〜20年と言われますので、人もメンフクロウもお互いにとって快適に過ごせるかどうか、飼ってみたいという方は事前によく検討してみることが大切です。
メンフクロウはかしこいので、迎えることに決めたらお互いが良きパートナーとなるよう、愛情をもって接してあげてくださいね!